chelmico「LIGHT UP」は横浜の夜を彩る“ヤバい”ダンスチューンに 初の海外公演、主催イベントへの意気込みも
赤坂サイファーへの楽曲提供から得た学び
──ちなみに、梅田サイファーさんといえば『ラヴィット!』(TBS系)の企画で赤坂サイファー(見取り図・アルコ&ピース・ロングコートダディ・すゑひろがりずによるユニット)にそれぞれ楽曲提供をしていますよね?(梅田サイファーは「Love it Wednesday feat.梅田サイファー」、chelmicoは「Say What?」)
Mamiko:見取り図の盛山(晋太郎)さんから直接オファーをいただいたんですけど、「『Love it Wednesday』のリリックですでにいろいろネタを使っちゃってるから、書くことないかもだけど」とか言われて、「ちょっと~勘弁してよ!」ってなりました(笑)。
Rachel:あはは、本当だよね。
Mamiko:でも、『ラヴィット!』サイドの方々もすごく優しく、いろんな資料や情報を提供してくれたのでとてもやりやすかったです。8人分それぞれのキャラクターを考えながら書くことになり、キャラソンじゃないけど、「このキャラならこういうラップが合いそう」「この人の性格ならきっとこんな感じのリリックだろうな」みたいに想像して書いていたら、すごく楽しくなってしまい、かなり力を入れました(笑)。
Rachel:最初に梅田サイファーさんが作った曲がすごくかっこよくて完成度も高くて、「これ以上どうしよう?」っていうプレッシャーもあったんですけど、マミちゃんがすごくかっこいいラップを仕上げてきてくれて「おー!」って感激しました。自分たちではやらない曲だからこそできる表現もあって、とても楽しく取り組めましたね。実際に赤坂サイファーさんが「このバースやりたい!」って言い合っているのを見て、やってよかったなって思いました。喜びもひとしおでした。
Mamiko:ラップのレクチャーを、全く音楽経験のない人に教えるのも新鮮だったな。「教えることなんてあるかな?」って最初は思って、レクチャーの日程も少なめに組んでしまったんですが、やってみたら意外と難しくて(笑)。「これは大変だぞ……」となりましたが、自分たちにとってもすごく良い経験になりましたね。本番を見てたら、感動で泣きそうになりました。
Rachel:まるで親のような気持ちだったよね、「立派に頑張ったねー!」って(笑)。
──教えることで、かえって学ぶことも多かったでしょうね。
Mamiko:本当にそうです。「どこで息継ぎするの?」とか、特にアルコ&ピースの平子(祐希)さんが苦戦していて(笑)。逆に「こういう風にリズムを取っちゃうんだ」と、自分自身もリズムの勉強になりました。
2024年、chelmicoの心に残った映画やライブ 来年のビジョンも
──さて、2024年も残りわずかですが、今年印象に残った作品やライブというと?
Rachel:えー、なんだろう……。映画だと最近観た『憐れみの3章』がマジでやばかったですね。もともとヨルゴス・ランティモス監督の作品が大好きで、新作は164分もあるんですけど全然飽きないんですよ。何かに依存する人々を描いているのですが、観ていると「これっておかしいのは私の方なの?」みたいな気持ちにさせられる。音楽やファッション、ある役者さんの佇まいや振る舞いもすごくかっこよくて、完全に喰らいましたね。
『ナミビアの砂漠』も良かった。今まで観たことのないタイプの主人公の物語で、私の周りの男性たちはショックを受けた人も多かったんですけど、私は「え、普通じゃん」と思ったんですよ。逆に言えば、今まで映画でこういう女性像はあまり描かれてこなかったんだなと気づかされて、すごく新鮮でした。河合優実さんの存在感がめちゃくちゃかっこよくて、ファッションも良かったし、面白い作品でしたね。
──お子さんは3歳になったんですよね。子育てはどうですか?
Rachel:個人的にはとてもいい感じになってきました。ワークライフバランスが最高に良かった年でもあります。あえて予定を詰め込まず、その時やりたいことを優先してやれるスケジュールを組んだことで、自分の理想に近い生活ができたというか。周りのサポートもあって、とても恵まれた環境で過ごせた1年だったなと感じています。
Mamiko:私はSteam Downっていう、ロンドンに行ったときに見たジャズミュージシャンの集団が最高でした。毎週水曜か木曜にライブをやっているらしく、今まで観たライブの中で一番エネルギッシュだったし、音楽で本気で遊んでいる感じが伝わってきて衝撃を受けました。自分もこういうライブがしたいなとか、音楽の作り方や向き合い方について、もっと気楽になりながらも突き詰めていきたい気持ちが強まりましたね。
それから先日、黒田卓也さんがMISIAさんのバックバンドとして来日していた流れでライブをやったんですよ。普段は一人でやるか、aTakっていうアフロビーツのプロジェクトでやっていることの多い黒田さんですが、この日はレジェンド級のミュージシャンを集め、本気の演奏を披露していて。「本気の卓也を見においで」みたいな触れ込みだったので、軽い気持ちで行ったら圧倒されました。
Steam Downと黒田卓也さん、どちらもエネルギーがすごい。ライブ中にミュージシャン同士が話しながらグルーヴを作り上げていくことってあるじゃないですか。そういうコミュニケーションは私も理想とする形です。とにかく今年は本当に素晴らしいライブをたくさん経験した1年でした。
──ありがとうございます。では、来年新しく挑戦したいことなどはありますか?
Rachel:chelmicoとしては、バンドセットでのライブや、逆に演出を入れたショーに近いライブなど、今までの「マイク一本でやるぜ!」っていうスタイルとは少し違ったライブもやってみたいです。
Mamiko:今年は、良い意味で少し肩の力が抜けたというか、「やるしかない」という気持ちが強くなって、自分がブレなくなった年でもありましたね。「私はこれが好きで、これをやる!」という気持ち、「chelmicoだったらこういう風に作る」という意思が、より明確になった1年だったなと。ただ来年こそ制作に集中する3カ月間が欲しい……(笑)。
Rachel:あはは、短冊に書きたいくらいだね(笑)。今年は毎週末どこかでライブをしているような1年だったし。アルバムなど大きなリリースはなかったけど、色んなフェスに呼んでもらえて本当にありがたかった。で、そろそろ制作にだけ集中する時間も欲しいよね。合宿とかも楽しそう。
Mamiko:いいねぇ。是非とも実現させよう。
■リリース情報
chelmico digital single「LIGHT UP」
2024年11月6日(金)配信
URL:https://orcd.co/chelmico_lightup
■ライブ情報
『chelmico presents "カンパイランド"vol.3』
出演:chelmico / 梅田サイファー
2024年12月16日(月)恵比寿・LIQUIDROOM
open 18:00 / start 19:00
5,000円(税込)※スタンディング
2024年11月2日(土)12:00~11月10日(日)23:59
オフィシャル先行:https://w.pia.jp/t/chelmico/
■イベント情報
『夜の横浜イルミネーション2024-25』
開催期間:2024年11月1日(金)~2025年3月2日(日)
開催場所:横浜都心臨海部(横浜~桜木町・みなとみらい~野毛・伊勢佐木町~関内・石川町~山下・中華街・元町周辺ほか)
公式ホームページ:https://yorunoyo.yokohama/
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