トゲナシトゲアリ、アニメから誕生したバンドのその先へ ライブで示した『ガールズバンドクライ』の続き

トゲナシトゲアリ、アニメのその先へ

 ライブも後半に差し掛かり、「それでは、本日の初披露曲です!」と、『ガールズバンドクライ』Blu-ray/DVD Vol.3豪華限定版の特典CDに収録された「渇く、憂う」が放たれると、疾走感にあふれた演奏に再びフロアの熱気が高まっていった。

 オーディエンスに「『ガールズバンドクライ』を観ていたか」を問いかけると、もちろん観ていた人がほとんどだったのだが、理名は「もし観ていなくても置いていきません」と宣言した。「私たちのライブを観て、トゲトゲを好きになってもらえるように頑張ります」「ライブバンドとしてもみんなと一緒に歩んでいきたいと思っていますので、これからも応援よろしくお願いします!」と意気込みを見せ、その決意を表すように、彼女たちの始まりの歌「名もなき何もかも」を届ける。さらに、客席をアリーナ、1階、2階、3階に分けたコール&レスポンスを行った後に「サヨナラサヨナラサヨナラ」「爆ぜて咲く」と畳みかけ、「雑踏、僕らの街」でこの日最高潮の盛り上がりへと導いていった。

 アンコールでは、アニメのエンディング主題歌「誰にもなれない私だから」を1曲目に披露。バンドにとって史上最大規模となったライブも終わりが近づいていき、「楽しかった……こんな大きい会場で」と3人は満足そうな笑みを浮かべる。とはいえ、12月20日に豊洲PITで行われる『4th ONE-MAN LIVE “協奏の響”』、来年2月7日にパシフィコ横浜で開催される『5th ONE-MAN LIVE “鳴動の刻”』と、彼女たちは一つずつ確実にステップアップしていく。そんな知らない世界へ向かっていくことを感じさせる「無知のち私」を披露すると、朱李の「歪みます!」というアニメを連想させる発言から「空白とカタルシス」へ突入。最後までフルスロットルで駆け抜け、ライブを締めくくったのだった。

トゲナシトゲアリ『3rd ONE-MAN LIVE “咆哮の奏”』ライブ写真

 終演後には、12月14日に上海で初の海外ワンマンライブ『トゲナシトゲアリ Live in SHANGHAI “凛音の理”』を行うことや、来年4月27日に『ガールズバンドクライ」2nd Anniversary LIVE』を開催することも発表された。ライブバンドとしても着実に歩みを進めていくトゲナシトゲアリ。アニメから誕生したバンドのその先へ──。リアルバンドとしての彼女たちの成長を感じさせるワンマンライブだった。

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