2024.10.31 19:00

WOLF HOWL HARMONYから挑戦するすべての人たちへ　挫折を味わったからこそ歌える「ROLLIN' STONES」

文・取材＝小林千絵、写真＝晴知花

気持ちが乗っているからこそアツい歌詞に入る熱量

──では他のメンバーのパートで、特に好きなところを教えてください。歌詞だけでなく、歌い方や表現でも。

RYOJI：俺はSUZUKIの〈ズルい大人になりたくないんだ〉。世の中にはいろんな大人がいますけど、ズルくない大人がカッコいいなと思うし、自分もそうなりたいなと思うので、この歌詞はすごく俺に響いちゃっています。SUZUKIって感情的なタイプじゃないんですけど、この〈なりたくない〉のところは、そういう感情とも闘いながら表現している感じがして、説得力も感じます。

SUZUKI：そこと、そのあとに〈君だけの居場所で輝いて〉と続くサビは、特にしっかり背中を押せるような力強さを意識しました。

──ではそんなSUZUKIさんが好きな、他のメンバーが歌っているパートは？

SUZUKI：今、RYOJIが言ってくれたからってわけじゃないですけど……。

RYOJI：お、やめてよ〜（笑）！

SUZUKI：HIROTOの……。

RYOJI：おいおいおい（笑）！

SUZUKI：じゃなくて（笑）、RYOJIの最後のパート〈尖って光れ Rollin’ stones〉。めちゃくちゃ力強くて、歌詞の意味にも、曲の最後にぴったりな歌い方だなって思います。“後味が美味い”って感じがします。

RYOJI：そこは3テイクくらいで録り終えました。歌というよりも、ほぼ言葉のように伝えたいなというイメージがしっかりあったので。聴いてくれる人の背中を、最後にもう一押ししたかったので、投げ捨てるくらいの感じで。

SUZUKI：いろいろ考えすぎてやるより、気持ちが乗っているやつがいいっていう感じだったよね。

RYOJI：そうそう。

──HIROTOさんの他のメンバーのパートで好きなところは？

HIROTO：それぞれ好きなところはあるんですけど……GHEEくんのラップの最後の〈このままじゃ終われねぇ〉。GHEEくんってバイブスで生きている人で（笑）。だからこそ強い言葉を言ったときに会場がすごく沸くんですよ。ライブのときに、後ろで踊りながら「すごく人の心を掴んでいるな」って感じます。

GHEE：オーディション前のときは本当に「このままじゃ終われねぇ」と思っていたし、今もその気持ちで活動をしています。僕だけじゃなくて、この最初の4行でピンときた人は自分の中に何か沸々とした思いがある人だと思うんです。そういう人はこの曲を好きになると思うし、背中を押されると思うので、僕もこの4行はすごく好きですね。

──そんなGHEEさんは、他のメンバーのパートで好きなところを挙げるなら？

HIROTO：（じーっとGHEEを見つめる）

GHEE：危ねえ、RYOJIくんのパート言うところだった（笑）。というのは冗談で、HIROTOのサビの入り。HIROTOの声でサビに入ると、ハッと世界が変わった感じがするのですごく好きです。この曲って、僕とRYOJIくんのラップは怖くて……いや、怖いっていうか、感情を込めてガチで歌っているので怖いくらいの気迫があって、HIROTOが入ってきたときに世界が変わる。さっき話していた、平成のアニメ主題歌感みたいなものは、HIROTOとスーくん（SUZUKI）がサビですごく表現できているなと思うので、すごく好きですね。

HIROTO：ありがとう。

SUZUK：今回はビブラートもかけないようにして、キャッチーに聴こえるようにというのは意識しましたね。

「ROLLIN’ STONES」は挫折を味わったからこそ歌える一曲に

──「ROLLIN’ STONES」は『バントマン』の主題歌。『バントマン』はプロ野球選手の第2の人生を描くスポーツエンタテイメント作品なので、これにちなんで、皆さんの思うスポーツの魅力や、スポーツから得たものなどを教えてください。

SUZUKI：僕は野球をやっていたんですが、まさにバントが得意だったんですよ。

RYOJI：お、“バントマン”がここに（笑）！？

SUZUKI：バントは得意だったけど、打つほうが好きだったんで、めっちゃバット振ってました（笑）。僕も挫折をして野球を辞めているので、このドラマに共感もできますし、何より少年時代に夢中になった野球というものに、こうやって関わることができてすごくうれしいし、光栄です。

HIROTO：スーくん以外の3人はサッカーをやっていて、4人とも結構がっつりスポーツをやってきたんですよ。だからこそついた忍耐力とか考え方ってあると思っていて。それが4人ともあることは今のパフォーマンスやグループの成長に活きているんじゃないかなと思います。

GHEE：僕はサッカーをやっていて、その後社会人フットサルのプロチームの2軍にいました。わりと諦めが悪いんですよね。サッカーを諦めきれずに社会人でもフットサルを続けたり、歌も諦めきれずに上京したり。そういう意味では根気強さを教えてくれたのがスポーツなのかなという気がします。

RYOJI：僕もサッカーをやっていたんですが、挫折して悔しかった経験があります。種目は違いますけど、挫折の苦しみがわかっているからこそ、そこから立ち直るのがすごいこともわかる。このドラマはそういう勇気ももらえるんじゃないかなと思いますし、ドラマを観ている人が「ROLLIN’ STONES」も気に入ってくれたらうれしいです。