FRUITS ZIPPER&CUTIE STREETがチャートで示す存在感 時代の空気を的確に捉える「KAWAII LAB.」人気の理由とは

「KAWAII LAB.」人気の理由とは

 きゃりーぱみゅぱみゅや新しい学校のリーダーズを輩出したカルチャープロダクション・アソビシステムが手がけるプロジェクト「KAWAII LAB.」所属のアイドルグループのチャートアクションが好調だ。

 2022年2月14日に発足した「KAWAII LAB.」には、第一弾グループであるFRUITS ZIPPERを筆頭に、CANDY TUNE、SWEET STEADY、そして今夏にデビューしたCUTIE STREETの4組が所属。FRUITS ZIPPERの代表曲「わたしの一番かわいいところ」は、2022年4月29日の配信リリースから約2年半が経とうとしている今もなおSNSや動画プラットフォーム動画配信サイトを中心に耳にする機会が多く、ロングヒットを記録。さらに9月18日リリースの最新シングル『NEW KAWAII/フルーツバスケット』は、9月25日公開(集計期間:2024年9月16日~9月22日)のBillboard JAPAN週間シングル・セールス・チャート“Top Singles Sales”で3位に輝いたほか、iTunes AL 総合6位、Apple Music AL 総合8位などチャートを賑わせている。

 そんなFRUITS ZIPPERの躍進に続くように、9月9日リリースのCUTIE STREETのデビューシングル「かわいいだけじゃだめですか?」がバイラルヒット。記事を執筆している10月15日時点のSpotifyバイラルトップ50においては首位に輝いており、FRUITS ZIPPERの新曲「フルーツバスケット」も50位にランクインしていた。さらに、10月21日時点のApple Music「トップ100:日本」においては、Mrs. GREEN APPLEや米津玄師らトップアーティストがひしめく中で、CUTIE STREET「かわいいだけじゃだめですか?」、FRUITS ZIPPER「わたしの一番かわいいところ」「フルーツバスケット」がチャートイン。双方の人気度と共に、「KAWAII LAB.」というブランドの世間的な浸透を感じさせる。

CUTIE STREET
CUTIE STREET

 そんな両グループの“かわいい”はなぜリスナーを魅力するのだろうか。

 「わたしの一番かわいいところ」と「かわいいだけじゃだめですか?」は、ともにメンバーのソロパートが目まぐるしく入れ替わる構成が特長的だ。テーマパークのアトラクションのように色鮮やかで、ユニゾンになった瞬間の幸福感や高揚感で思わず一緒になって歌いたくなるキャッチーさがある。ピコピコ、キラキラと散りばめられたSEも楽曲のかわいらしさを演出するのに必要不可欠で、BPMや曲調の差はあれどビートはいずれも4つ打ちでノリやすく、メンバーの歌声も聴くだけでも喜怒哀楽がわかるほどの表現力を兼ね揃えている。

FRUITS ZIPPER「わたしの一番かわいいところ」MV

 また、いずれも“かわいい”が散りばめられたサビの振り付けもバズの要因で、マネして踊るユーザーがあとを絶たない。こういった楽曲の特徴については、「KAWAII LAB.」のプロデューサーである木村ミサ自身がアイドルグループ出身であり、大のアイドルオタクでもあったことが大きく影響しているはずだ。楽曲や衣装、MVからライブパフォーマンスに至るまで、ファンの心理もよく理解している彼女のプロデュースの手腕が、「KAWAII LAB.」のクリエイティブの強さの根底にあるのは間違いないだろう。

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