SMAPを作った人から高校時代の先輩まで 「あの涙が本当のスタート」――新しい地図を広げた7年の道のり
稲垣吾郎、草彅剛、香取慎吾によるレギュラー番組『ななにー 地下ABEMA』#43(ABEMA/以下、『ななにー』)は、番組が月1回の生放送から週1回収録放送へとリニューアルして1年という節目を迎えたことから、「ななにー 地下ABEMA傑作選」が放送された。
「ななにー 地下ABEMA傑作選」とは、これまでの放送回から世間をザワつかせた放送回をピックアップし、そのハイライトを3人とともに振り返るというもの。すると、番組冒頭から、自分たちが出演した番組を観るかどうかのトークで、新たなザワつきを生んでいく。
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普段から『ななにー』を“観ない派”の稲垣&草彅に対して、“観る派”の香取が「ザワつかせてんの知ってる?」と問いかける。すると、稲垣が「地下から世間に向かってザワつかせていますからね」「結構ギリギリを攻めてますからね」とサラリと答えてみせるのだ。さも“観る派”のような口ぶりで「怖くて観れない時がある」と言う稲垣に、香取が思わず訝しげな表情で「え〜、ウソ! 自分の趣味に忙しくて観てないだけなんじゃないの?」とツッコミを入れると、「それもあるけど(笑)」とあっさり認めるのだった。そんな3人のトークが『ななにー』生放送時代にあった、自分たちの活動を振り返る「ななにーNEWS」を彷彿とさせて懐かしく、そして微笑ましい。
また、稲垣が「僕はヒヤヒヤしてることがひとつあって……」と切り出すと、「俺のあの人は今!」と題した#9で再会した堀越高校時代の“山本先輩”について語り出す。なんでも収録後、「LINEを交換しましょう」と名刺をもらったにもかかわらず、いまだに連絡をしていないというのだ。稲垣がカメラ越しに山本先輩に向かって「LINEするね」と投げかけると、「めっちゃ面白いじゃん」といたずらっぽく笑う草彅に対して香取は「いいのに言わなくても……LINEしないんだから(笑)」とそれぞれの“らしさ”が垣間見えるのも、3人だけのトークならではだ。
他にも、LGBTQをテーマに展開された#2では、彼らとは長年の付き合いとなるKABA.ちゃんが登場したことでも話題に。なかでも、香取が演出を手掛けたSMAPのライブで振り付けを担当したKABA.ちゃんが号泣したリハーサルの思い出が語られ、視聴者を大いにザワつかせた。なんと香取を除くメンバーが揃って「ダメだ! 帰るわ」とリハーサル場から立ち去り、KABA.ちゃんが「もう私、辞めたい」と涙を流していたのだという。草彅は「泣いていたのは覚えてる。でも、そのあとすぐ笑ってた」と苦笑い。KABA.ちゃんも「みんな優しいんだもん」と当時を思い出して笑うのだった。
どこかピリッとした緊張感が流れていたにもかかわらず、それでも親しみを感じてしまう不思議な引力。そして、メンバー同士は決して仲良しこよしではないと言い切りながらも、長きにわたってともに歩むだけの絆を感じさせる瞬間も。SMAPがそんな尖った部分と温かなものが紙一重のバランスで保たれていた独特なグループだったことを思い出させてくれるエピソードだ。そう思うと、もしかしたら彼らにとって“ザワつき”は、魅力を再確認させた証と言えるのかもしれない。
そんな唯一無二の魅力を放っていたSMAPを「作ったひとり」と香取が言い切った放送作家・鈴木おさむが出演した#18、#19も、3人の本音が続々と飛び出して注目を集めた回だった。本格的なコントをする初めてのアイドルグループとも言われたSMAP。その台本を手掛けてきた鈴木おさむとは、新たなバラエティの形を作り上げてきた戦友だ。3人は新しい地図を広げ、鈴木おさむもまた別の道を見つけて歩み出すことに。笑いと涙に包まれたお別れ会のVTRを観返しながら、香取が「おさむさんも引退してないみたいになってるよね? 『引退する』って言う前より(メディアに)出てる」と斬り込むのも、また気心の知れた仲間だからこそ。