BloodPop®「日本の音楽にはポテンシャルがある」 東京発グループ、f5veのプロデュースに情熱を注ぐ理由

BloodPop®、f5veでの挑戦

BloodPop®が考えるf5veの強み 各曲に共通する裏テーマも

f5veアーティスト写真

ーーf5veメンバーそれぞれの強みについてはどのように捉えていますか?

BloodPop®:もちろん、メンバーの中には歌が上手い子がいたり、ラップが上手な子がいたり、ダンスが上手な子がいるというのはあります。でも、彼女たちの一番のいいところは、メンバー同士がすごく仲が良くて、それぞれ性格が違うからバランスが取れているところだと思っていて。KAEDEはコミュニケーション能力が高くて、メンバーのことを常に気にかけている。RUIは一番若いメンバーだけど、他のメンバーがプレッシャーを感じていないかとかすごく気遣いが上手です。MIYUUは音楽ビジネスのことに興味があって、グループとしてどうやってマネタイズしていくのかをしっかり考えている。RURIはファッションに興味を持っていたり、SAYAKAはオンとオフでギャップがあってそれがすごく面白かったり、それこそSpice Girlsのようにメンバーそれぞれにキャラがあるんです。一人ひとり違うけど、すごく相乗効果を生んでいる。そこがf5veの大きな特徴ですね。

 あと僕が日本に滞在している間、ずっとf5veメンバーと一緒に行動していましたが、オフの日でも、仕事が早く終わった日でも、メンバー全員でご飯に行ったり遊びに行ったりしていることが多くて。こういうグループとしての絆の強さは珍しいんじゃないかな。

ーー普段、一緒に仕事をされている欧米のアーティストとf5veは、育ってきた文化圏が違うだけでなく、ご自身より下の世代ですが、彼女たちと向き合う上でどんなことを大切にしていますか?

BloodPop®:彼女たちとは文化的背景や年齢差による壁を最初からあまり感じず、すぐに打ち解けた印象がありますね。普段彼女たちと話す時には音楽だけでなく、観てきた映画やアニメなどの話もするのですが、接しているエンタメがすごく似ていることもあって、円滑にコミュニケーションが取れているのではないかと思います。

ーー「Firetruck」と「Lettuce」はヒップホップ、一方で新曲の「Underground」はトランスですが、今後もf5veはこのように多様な音楽性にアプローチしていく予定ですか?

BloodPop®:イエス。今後も幅広くいろいろなジャンルの音楽を作っていきたいと思っています。f5veというグループ自体のコンセプトが、メンバー一人ひとりが“東京のドリームエージェント”だという位置づけで、東京にいる市民を悪夢から守るというもの。夢の内容によって曲のジャンルや雰囲気が変わっています。例えば「Firetruck」で言うと、その名の通り、消防車の夢を見たというコンセプト。消防車は緊急事態の時に出動するものだから、そういったことを連想させるような曲を作りました。「Lettuce」は、表面的には地に足がついてしっかりしている人のことを歌っています。でも実は、その人にとってすごくネガティブな影響を与える人がたくさんいて、そういう人たちに対して「それはよくないよね」というメッセージを込めました。曲の中にはレタスを切り刻む音が入っていたり、MVもすごくかわいい仕上がりになっているけど、意外とリアルなメッセージを込めた曲でもあります。逆に「Underground」に関しては、日々の忙しさから地下に逃げたくなるようなことだったり、その行き先がアンダーグラウンドなレイヴパーティーやナイトライフに直結するようなコンセプトで曲を作りました。

f5ve - Firetruck「Official MV」
f5ve - Lettuce • レタス 「Official MV」

 実は、ここまで発表してきたf5veの楽曲には1曲1曲を絵文字ひとつで表せるという裏テーマがあるんです。絵文字は若い世代を象徴する要素でもありますよね。「Firetruck」は消防車、「Lettuce」はレタス、「Underground」はマンホールの絵文字になっていて、今後の曲も同じように絵文字ひとつで表せる曲を発表していきます。ちなみに次の曲は時計の絵文字で表せるタイトルになる予定で、A. G. Cookとの共作曲です。

ーーこれまでのf5veの全曲でCount Baldorとコラボレーションしていますが、どのような相乗効果がありましたか?

BloodPop®:Count Baldorは、僕の弟子みたいなヤツなんです。彼はすごく才能があるからできる範囲で育ててあげたいと思っていて。なぜ彼をこのチームに引き入れたかというと、コメディの要素を楽曲に付け加えるのがすごく得意だから。しかも、普通はコメディ要素が強すぎると単にギャグっぽくなってしまうけど、そうならないようにする匙加減が上手いんです。例えば「Lettuce」はアニメっぽいサウンドエフェクトをたくさん使っているけど、それが上手くかっこよく聴こえるように曲に取り入れられている。そういったところにセンスを感じます。ちなみに彼とは髪型も一緒だから、最近は一緒にセッションに呼ばれると、あえて同じネクタイをしてスタジオに行くようにしています(笑)。

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