Earworm、等身大な“青春”を体現する10代バンド ミセスやワンオクに憧れて目指す大きな舞台
「僕の歌」はスタートラインの曲
ーーあと、リリースされている「陽炎(かぎろい)」も「知不事勿(しらるび)」も曲名が簡単には読めないんですけど(笑)、あれはどうしてああなったんですか?
坂本:申し訳ございません(笑)。
堀内:申し訳ないですよね。
モリヤマ:この前、先輩にも言われてたね。
堀内:みんな「かげろう」って読んじゃうし、「知不事勿」に至っては読み方がわからないっていう。「陽炎」は太陽の陽と炎で、イメージもオレンジ色なんですよ。夕焼けっていうか。その曲の情景が夕方だなって思ってそういう名前を探していたんですけど、検索して「陽炎」って出てきたんです。でもなんかちょっと違うなって思ったときに、その下に「かぎろい」っていう読み方があって「あ、こっちのほうがしっくりくる」と思ったんです。めっちゃマイナーな読み方なんですけど。で、「知不事勿」は、もともと「知らずべき事勿れ」っていう曲名にしようと思っていたんです。
ーー漢文なんですね。
堀内:はい。何も知らないことをやっと知った人が成長していく、みたいな曲だったので。でもそういう名前にしたら読み方がわからない曲になった(笑)。
ーーメンバーもびっくりしたと思うんですよね。
坂本:まずは戸惑いました(笑)。「何じゃこりゃ」ってなったんだけど、「知らずべき事勿れ」をLINEとかで打つのが長くて、いつの間にか端折って「しらるび」って呼ぶようになってたんです。それがそのまま曲名になった。
ーーそこでいうと、「僕の歌」ってすごくわかりやすくなりましたね。
堀内:わかりやすいですよね。反省しました(笑)。でも作曲は僕ですけど、作詞は晴琉も結構絡んでいるので、それもあるのかなと。
ーー歌詞はふたりで書いているということなんですか?
堀内:晴琉が基盤を作ってくれてます。
坂本:「僕の歌」はもともと、「物語的なものに曲をつけてみませんか?」みたいなイベントのライブがあって。
ーーお題があったということ?
坂本:そうです。原作みたいなのがあって、それで曲作りませんか? みたいな。その原作はめちゃくちゃ恋物語だったんですけど、でも曲にするんだったらそれだけじゃなくてもうちょっと違う要素を入れたいなと思って。だからガチガチのラブソングにしたくなかったみたいなのが歌詞にも反映されてるように思います。
ーーちなみにそれはいつごろのことですか?
堀内:さっきの話に出たイベントに合わせて作ったんで、高校2年生の春ぐらいですね。
モリヤマ:でもそこからアレンジは結構変わったよね。
堀内:そう、最初はソロがなくて、しかも2番があって。結構長い曲だったんです。Earwormにとっては「陽炎」と「知不事勿」という曲というのが強くて、その次の曲っていうので……節目というか、これから駆け出していくぞっていうスタートラインの曲でもあるのかなと思います。
ーー曲自体もそうだし、すごいソリッドなアレンジになっているし、歌詞もすごく世界観が広がっているし、また新しいEarwormを見せてくれる曲ですよね。
堀内:でもレコーディングは大変でした。レコーディングのきっかけは、エイベックスがオーディションをやっていて、それに僕が勝手に申し込んだんです。レコーディング権をゲットできるっていうので試しにやってみようと。そしたら音源審査に通ってしまって「お、やった!」って。それでレコーディングすることになったんです。そこから曲をまずちゃんとリニューアルして、アレンジをちゃんと決めて、練習して。そこの練習期間がいちばんきつかったですね。
坂本:うん。レコーディングスタジオも、経験したことのない設備で圧倒されましたし、4人同時に録る方法も初めてだったんで。プロの人たちってこういう気持ちでやってるんだ、みたいな実感がちょっと湧きました。
モリヤマ:時期も受験直前だったし、曲自体が今までの2曲とは桁違いの難易度だったのでめちゃくちゃ大変でしたけど、そのぶんすごく楽しかったです。あれ、年末だったよね。
ーー高3の12月ってもう、受験勉強もラストスパートの時期だ。
吉川:追い込み期だよね。今までレコーディングする前もライブでは何回かやってたから「いけるんじゃね?」と思ったけど、いざ真剣にやるとマジでボヤボヤでやってたんだなっていうのを痛感して。「これやばいな」っていう感じのレコーディングでした。
ーーこのレコーディングを通じて気付いた?
吉川:そうですね。真摯に向き合ってるつもりだったけど、完璧ではまったくなかったなっていうのを再認識させられました。
堀内:そのぶん完成したのを聴いたときは感動しましたね。「こうなるんだ」って。ずっと聴いていられる音楽だなって聴いていて思いました。
坂本:うん、嬉しかった。
モリヤマ:やっぱり大変な中でやりきったんで達成感はすごかったし、感動もすごくありました。
吉川:でも、何テイクも録ったなかのいちばんいいやつを選出して作ったんで、この完成度をライブで披露できるのかっていうプレッシャーもやっぱり大きくて。それは今もそうですね。
ーーこの「僕の歌」をきっかけにEarwormがいろいろな人に聴かれるようになっていくといいなと思います。まさにスタートラインなわけですけど、ここからEarwormはどんなバンドになっていきたいですか?
堀内:バンドとしてでかくなりたいのはもちろんなんですけれども、なんかよくも悪くもこのままがいいなとも思うんです。このあたたかいバンドのイメージを崩さず、でもお客さんが僕らの音楽を楽しんでくれているという状況にありがたさを感じている、みたいな日々がこれから増えていけばいいなと思います。
モリヤマ:でも曲はいっぱい出していきたいですね。いろんな人に聴いてほしい。曲をいっぱい出せば自然と聴いてくれる人も増えていくかなと思うので、ライブを中心にしつつ定期的に曲は出していきたいなと思います。
■リリース情報
「僕の歌」配信ストアリンク
https://Earworm.lnk.to/bokunouta
■ライブ情報
mill meals presents『晩餐会』 -supported by "ゼンミュー"-
8月29日(木)新宿Marble
共演 : 多数→チケット予約リンク
https://forms.gle/KTD8PxG69XgtyLoz9
Crab 蟹 Club pre. 『蟹 ba リズム vol.2』
10月11日(金)下北沢SHELTER
共演 : Crab 蟹 Club / DeNeel
→チケット購入リンク
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