Ayumu Imazu、離婚伝説、秋山璃月、Ayllton……『SUMMER SONIC 2024』必見の注目ニューカマー

『サマソニ』必見のニューカマー6選

Yo-Sea

 17日の同ステージにて離婚伝説からバトンを引き継ぐのが、沖縄出身のシンガーソングライター/ラッパーのYo-Sea。VaVa、5lack、加藤ミリヤといった名だたるアーティストの楽曲に客演で参加し、2019年には宇多田ヒカルの楽曲「Too Proud」をビートジャックしたことも話題となった。さらに今年は藤井 風が出演した『tiny desk concerts JAPAN』にコーラスで参加するなど、その才能に多くのアーティストから熱い視線が注がれている。

Yo-Sea - Without you【Official Video】

 昨年リリースされた「Moonlight」は、Yo-Seaならではのスムースかつスウィートなライミングが味わえる楽曲で、そのサウンド感は現行シティポップとしても出色の出来。ソウルフルかつチルなビートと、独特の甘く柔らかいボーカルが、真夏の茹だる暑さを和らげる。

Omoinotake

 すでにブレイク中ではあるが、今年のうちに見ておきたいのが島根県出身の3ピースバンド Omoinotakeである。今年2月にリリースされた「幾億光年」がロングヒットを記録し、今年上半期の各種チャートを席巻。その音楽性は、ピアノを主軸としたソウルやR&Bなどを下地としたポップスだが、何よりも魅力なのは、抒情的な歌詞と胸を打つエモーショナルな歌声。

Omoinotake | 蕾 【Official Music Video】

 6月にリリースされた新曲「蕾」は、流麗なピアノの旋律とドラマチックなストリングスアレンジの中で繰り広げられる、すれ違う〈君〉と〈僕〉の2人の関係を描いた歌詞が印象深い。ボーカルの藤井怜央が放つ伸びやかな歌声に乗せて、多くの人々に刺さるだろう。2日目の「Spotify RADAR: Early Noise Stage」に登場するが、現在の彼らの勢いを考えれば小さすぎるステージかもしれない。

Ayllton

 2日目の「SONIC STAGE」でトップバッターを任されるのが、シンガーソングライターのAylltonだ。2004年生まれで弱冠20歳というその若さは、藤井 風やVaundy、imaseのような現在日本の音楽シーンを賑わせる若手アーティストの次の世代と言える。約2,000組の史上最多応募数となった『出れんの!? サマソニ!? 2024』を見事勝ち進み、手にした『SUMMER SONIC 2024』出演だ。

 ファンキーでソウルなリズムを土台としつつもあくまでポップスを奏でるその音楽性は、現行のJ-POPを存分に吸収したと言えるもので、クセになるメロディや一筋縄ではいかないサウンドなど、その作曲センスにもたしかな才能を感じさせる。特に「ジャンキー」はメロディや譜割が独特で、〈ままでいて〉における発音や、人をハンバーガーのパティに例える発想力などからも、彼の持つ独創性の一端が垣間見える。そして、たしかな歌唱力も強い魅力のひとつだ。

Ayllton - ジャンキー (Official Music Video)

 SNSなどにおけるショートムービーの人気が高まるにつれて、いかにパンチのあるフレーズが生み出せるか、いかにクセのある曲を作れるかが、以前よりアーティストに強く求められるようになった印象がある。Ayumu ImazuやAylltonのように耳に残る言葉やメロディを生み出す才能こそ、現在の音楽シーンに必要とされる力だろう。そうした意味でも、今後のシーンを担うネクストジェネレーションの登場である。

 とはいえ、生のライブこそアーティストの真価が問われる場でもあるだろう。ステージ上でどれだけの力を見せられるか、どれだけ多くの人々を魅了できるか。シンプルにその視点に立てば、『SUMMER SONIC 2024』をはじめ、音楽フェスにおける次世代アーティストをチェックする楽しみも、より一層深みを増すだろう。

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