YAO、Ado、SEKAI NO OWARI、キタニタツヤ、ME:I、原因は自分にある。……注目新譜6作をレビュー

New Releases In Focus

 毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回は、YAO「777 (feat. Awich, CHICO CARLITO, ONE OK ROCK & Paledusk)」、Ado「Love me forever!」、SEKAI NO OWARI「LOVE SONG(with ちゃんみな)」、キタニタツヤ「遺書」、ME:I「花咲く道」、原因は自分にある。「火宴」の6作品をピックアップした。(編集部)

YAO「777 (feat. Awich, CHICO CARLITO, ONE OK ROCK & Paledusk)」

 きっかけは、2024年5月に行われたONE OK ROCKとAwichによる埼玉・ベルーナドーム公演。さらに、以前からONE OK ROCKと交流があったラッパーのCHICO CARLITO、世界を舞台に活躍するロックバンド・Paleduskが加わり、「混ざることで何が生まれるのか」を追求するプロジェクト・YAOへと至った。最初の楽曲「777 (feat. Awich, CHICO CARLITO, ONE OK ROCK & Paledusk)」は、ヘヴィロック直系のバンドサウンドを軸にしたアッパーチューン。自分たちは止まらない、リスクを取って進め、賭けに出ろ、立ち上がれといった強い意思を刻んだリリックをぶつけ合いながら、「違いを認め合い、互いを尊重し合うことで新たな表現を生み出す」というプロジェクトのコンセプトを率直かつ徹底的に示している。“八百万(ヤオヨロズ)の神々”に由来を持つというYAO。ジャンルを超えた新たなトライアルが今後、どんなアクションを起こすのか。大いに期待したい。(森)

YAO - 777 (feat. Awich, CHICO CARLITO, ONE OK ROCK & Paledusk) [Official Music Video]

Ado「Love me forever!」

 Adoとつんく♂のコラボレーションが実現! Nintendo Switch新作ソフト『リズム天国 ミラクルスターズ』のゲーム内に収録されている新曲「Love me forever!」は、インド的なエキゾチシズムを感じさせるイントロから始まるダンスチューン。シンプルな4つ打ちを軸に、ユーロビートやエレクトロなどのテイストを織り込んだトラックのなかでAdoは、〈永遠愛して〉というフレーズを気持ちよくグルーヴさせている。ふんわりとした雰囲気でいい、真剣さは求めないからずっと愛してほしいというリアルで切実な願いを込めた、幅広く共感されるであろう歌詞のメッセージも印象的。平成リバイバルの潮流を的確に捉えつつ、懐かしくて新しいポップスへと結びつけるつんく♂の手腕が光る。(森)

【Ado】Love me forever!(Official Audio)

SEKAI NO OWARI「LOVE SONG(with ちゃんみな)」

 今年5月に放送された音楽番組『夜の音 -TOKYO MIDNIGHT MUSIC-』(日本テレビ系)で披露され反響を呼んだスペシャルコラボであり、シングル『Stella』収録曲のひとつ。原曲はSEKAI NO OWARIのオリジナル。2019年発表のアルバム『Eye』の冒頭を飾る歌ものだったが、新バージョンはトラックをダンサブルにリメイク。また歌詞は大人が子供へとシニカルな言葉で語りかけるものだが、ちゃんみなが二番に〈誘われてついて来た〉子供の自分と〈誘った〉大人の君が、どちらも“これ以上ない地獄”にいる、という視点を加えたことで、淡々としていた原曲の世界に強烈な毒性が生まれている。これは手を加えるほうも加えられたほうも相当刺激的だったはず。(石井)

LOVE SONG (with CHANMINA)

キタニタツヤ「遺書」

 TVアニメ『これ描いて死ね』(日本テレビ系)オープニング主題歌となる書き下ろし新曲。2つのタイトルを並べるとどんな世界線だと思うが、いざ聴けば初夏の匂いがするトロピカル風ポップスであった。オフィシャルサイトに寄せられたキタニのコメントによれば「創作とはつまり、『生きている限り上書き保存で更新され続ける遺書』である!」(※1)とのことで、アニメの物語に共振しつつ、自らに言い聞かせるように言葉を重ねていった部分もあるだろう。重い曲調にしなかったのも、あえて〈このちまい人間の生活〉などと軽い言葉を使ってみせるのも覚悟の裏返しだろうか。ラスト手前の4行も素晴らしいが、最後に言い切る〈おれはここにいる!〉が最高に気持ちいい。(石井)

遺書

ME:I「花咲く道」

 8月5日に発売される4thシングル『花咲く道』から表題曲の配信。軽やかなエレキギターが牽引するポップパンク風味の歌謡曲で、現代的なビートの追求やK-POPアプローチを切り離したのは正解かもしれない。初期アヴリル・ラヴィーンを参照にしたような勢い、少しクサくてもひたすら前向きな青春のムードが、新体制で再び走り出す彼女たちの背中を押している。MVの内容も含め、ファンと仲間たちに向けた応援のメッセージといった趣で、〈どんなに暗いトンネルでも/抜け出してみせるよ きっと〉〈私がここに(Ey!)いるのは/また君に会いたいからだよ〉などの歌詞は、グループの歴史を知っていればいるほど刺さるのだろう。新たな代表曲となるか。(石井)

ME:I (ミーアイ) ⊹ '花咲く道' Official MV

原因は自分にある。「火宴」

 アリーナツアー『仮ノ現』を終えたばかりの原因は自分にある。から新曲「火宴」が到着。TVアニメ『鉄鍋のジャン!』(テレビ東京系)オープニング主題歌に起用されたこの曲は、刺激的なスピード感に溢れたビート、濃密なグルーヴを描くベース、軽やかに飛び跳ねるピアノ、鋭く尖ったギターなどが激しく絡み合う超アッパーチューン。己のスタンスを貫きながら、妥協や躊躇を切り捨て、運命に抗うように突き進む姿を映し出す歌詞は、アニメの世界観や物語とリンクすると同時に、ダンスボーカルグループの新たな可能性を切り開き続ける“げんじぶ”の軌跡とも重なる。激しさ、強さ、冷静さ、そして、狂気にも似た突進力を歌い上げるメンバーのボーカル/ラップも強烈だ。(森)

火宴

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