今年の『TIF』は何が違う? 塚☆リカ、Aqours、清 竜人25……広がる“アイドル”の多様性

 パフォーマンス中の規制が緩和され、コロナ禍以前の2019年の9万人弱に迫る来場者数も7万人超を記録した昨年を経て、今年の『TIF2024』は本格的に2019年の水準に戻ることが予想される。今年の『TIF2024』のテーマは「Re」。現時点ではステージ数やタイムテーブルは発表されていないが、『うたチャン2024』で選ばれたアイドルが歌う「うたチャンステージ」や『TIF2024』に出演が決まっているガチャピン・ムックとのコラボレーション企画の1つとして「TIF2024 ガチャピン・ムックと盛り上げ隊オーディション」が開催、さらには夏のグラビアの祭典『TOKYO GRAVURE IDOL FESTIVAL』(通称『TGIF』)と、アイドルとひと夏の淡い思い出を共有できる夏の風物詩「TOKYO IDOL 縁日」など、様々なステージ・企画が用意されており、これまで以上に“現場”で楽しめるイベントが目白押しだ。

 ラインナップに目を向けてみると、今年はAKB48を筆頭とした48グループをはじめ、Juice=Juiceなどのハロー!プロジェクト勢、でんぱ組.incといった『TIF』お馴染みの顔ぶれとともに、初の期別出演となる日向坂46三期生、『ラブライブ!サンシャイン!!』に登場するスクールアイドルグループ・Aqours、『ラブライブ!スーパースター!!』に登場するスクールアイドルグループ・Liella!、A.B.C-Zの塚田僚一がプロデューサーを務めるソロアイドル・塚☆リカなどが初出演。さらに、プロデューサー兼メンバーの清 竜人とその妻である女子メンバーで構成される一夫多妻制アイドルユニット・清 竜人25が2016年以来となる出演も決定しており、一般的な“アイドル”という括りでは捉えきれないグループの出演が相次いでいることが『TIF2024』のラインナップの特徴だ。

 その背景にはアイドルという概念そのものが昭和、平成、令和と時代ごとに変化しており、『TIF』はそれを如実に反映していると言える。特にAqoursとLiella!に関しては、従来であればアイドルの枠組みではなく声優ユニットとしてざっくりと括られることもあった2組だが、アイドルが広義となったがゆえに現在では広く受け入れられている。それはアイドルの多様なあり方を受け入れ、アイドルの意味そのものをも広げていきたいという『TIF』のスタンスがあってこそだ。

 また、日向坂46三期生初の単独公演のステージとして『TIF2024』が選ばれたのは、世界最大のアイドルフェスであるこのイベントのスタンスを表している。乃木坂46は四期生や五期生が単独パフォーマンスするケースがこれまであったが、日向坂46は全員で出演することが通例だった。しかし、ここに来て三期生のみでの出演が決定。もちろん、スケジュール的な都合があったのかもしれないが、それを抜きにしても、それぞれのアイドルにスポットを当てるという『TIF』の努力が実を結んだ形だ。三期生の4人でどこまでアイドルファンを楽しませることができるのか、『TIF』にとっても、日向坂46にとっても大きな挑戦となることだろう。

 昨年と比べると特異なラインナップが続き、アイドルファンをざわつかせている『TIF2024』。総合プロデューサーの菊竹龍が「TIFとしての良い部分は残し、変わっていくべき部分は変えていきます」(※1)と公式でコメントしており、出演者数のインフレを見直し、エリア規模を過去最大級に広げるという変化を加えていくそうだ。出演アイドル組数が減るということは一見するとフェスにマイナスなのではないかという意見も散見されるが、見方を変えれば菊竹氏が言うように、出演者数を絞ることでアイドルそれぞれの出演時間を増やすことができるという良い部分も生まれる。それによって、オンライン下では難しかった現場での偶然の出会いが増えることになる。今年の『TIF』は、アイドルとファンの新たな出会いが生まれる3日間となるのではないだろうか。

※1:https://official.idolfes.com/s/tif2024/page/about?ima=0000&link=ROBO004

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