M!LKはファンにとっての“HERO”であり続ける デビュー10周年に向かうぴあアリーナ公演

M!LK、ぴあアリーナ公演レポ

 全国ツアー『M!LK CONCERT TOUR 2024「HERO」』で全国4都市を回ったM!LKが6月9日、神奈川・ぴあアリーナMMにてツアーファイナルを迎えた。本稿では最終日の前日、6月8日公演の模様を詳細にレポートする。

 円形のセンターステージと、その上部から吊るされた赤い幕、そして街並みが再現されたメインステージ。豪華なセットに、会場に集まった“み!るきーず”(M!LKのファンの呼称)は今か今かと期待感を高めている様子。そんな中、本人たちの登場に先駆けてオープニングムービーが映し出されると、会場からは大きな歓声が。本ツアーのタイトル「HERO」にふさわしくアメコミ風の映像からスタートすると、それぞれの職業に扮したメンバーのコスプレ姿にファンのテンションはもう1段階上がっていた。

 1曲目を飾った「Over The Storm」では、M!LKの5人がセンターステージの上空、ファンの頭上より遥かに上の位置から、青い軍服風の衣装に赤いマントをつけた本物の“HERO”のような姿で登場。このサプライズ登場に会場からは驚きと嬉しさが入り乱れた歓声があがっていた。さらに、サビの部分では、白のスモークと火花も全開。豪華絢爛な演出の中、佐野勇斗が「盛り上がってるかー!」とパワフルに呼びかける姿は輝いていた。

 続く2曲目「ボクノアカシ」では、地上に降り立ちセンターステージのギリギリのラインでファンとの物理的距離を縮めた5人。客席に背を向けた状態で曲を締めくくると間髪入れずに3曲目「ハロー!」へ。曲に合わせ、横に手を振ったり、くるくると手を回したりしながら会場は一体感を増していた。その間奏で山中柔太朗は「待たせたな、ぴあアリーナ! 俺らに愛される覚悟できてんの?」と観客を煽った上で「世界で一番幸せにしてやるよ。よろしく」と宣言。塩﨑太智は「会いたかったー?」と、曽野舜太は「盛り上がれるの?」と嬉しそうに繰り返し呼びかける。そして吉田仁人は「みんなで一緒に『チェスト!』」と、佐野は「できそ?」とお決まりのフレーズで会場を盛り上げた。

 「ハナキン!」では、スクリーンに映し出されたびっくり箱が開いた後で、塩﨑がうさぎの耳付きサングラスを、曽野と山中はうさぎの被り物を着用しかわいらしく登場。佐野と吉田は、お互いに大きなメロンパンを食べさせ合い、頬の形を変形させるまで頬張るという仲睦まじい姿も。曽野の「なぁなぁ、好きやで?」のセリフから始まった「テレパシー」では、佐野が山中の頬にキスするふりをするなど、仲睦まじい姿が炸裂した。

 続いて、季節を先取りするかのような爽やかなナンバー「奇跡が空に恋を響かせた」では、星空のようなライティングの中、ロマンチックな時間が。佐野が間奏明けに「やっと出会えたね」と優しく囁くと、会場は大きな歓声に包まれた。

 曲が終わり、MCに入ろうとした際には曽野が一目散に「みんな、最初(のフライングでの登場)びっくりしたでしょ?」と待ちきれない様子で呼びかけた。これには塩﨑は「(その話に入るの)早いよ」とツッコミ、他のメンバーからも「(自分から言っちゃうの)だせぇな」と辛辣かつ、本音ではファンのリアクションに喜ぶ声が上がった。

 そんな中、突如スクリーン越しに現れたのは、彼らの“ボス”。5人にヒーローとしての活動報告を求めた後で、ボスは地球に「とんでもない危機」が迫っていることを明かす。5人に街の倉庫への潜入捜査を指示した。

 しかし、これを聞いても佐野と山中は潜入捜査に急ぐ他のメンバーを「真面目かよ」と笑い、潜入捜査をサボろうと目論む。ボスに“M!LKの問題児”認定された2人に寄せられた、メンバーやスタッフからの苦情をファンの前で披露されることに。この日暴露されたのは「打ち合わせ中のリアクションがなさすぎる」との内容。しかし、これには佐野も山中も覚えがあるようで「どっちだ?」と一瞬困惑。これが山中への苦情だとわかると佐野は「お前、打ち合わせ中寝てたよな? (目が)二重どころか三重になってたぞ?」と指摘した。これを聞いた山中は逃げるようにひと足先に潜入捜査へ。残された佐野は、さらに殻を破ってもう1つ上のステージへ行くべく「好きな人を引き留めるように、好きな中華料理の名前を呼べ!」というミッションが課せられ「ごまだんご!」と謎の呼びかけ。最終日前日にして、なかなか特異なお題だったこともあり「はぁ?」と素直に反応する姿が印象的だった。

 潜入捜査らしくスーツとハットを合わせた衣装で登場した5人は続けて街を練り歩くようなダンスで「Weekend」を、光るステッキを自由自在に操り「パッパラ・シュビドゥ・ヴァァァァァァァ」を、ソファやベンチを使いながら色気たっぷりに「labyrinth」を披露。先ほどまでの明るくて爽やかなM!LKとは表情を一変させた、大人な姿に見惚れているようなファンの姿も多く見受けられた。

 潜入捜査の結果を、曽野と吉田がボスに報告している中、姿を消した佐野、塩﨑、山中はトロッコに乗って再登場。私服風の衣装に着替え披露したのは「ジブンエール」と「妄想ドン・キホーテ」。会場後方寄りで長めに止まり、自分のメンバーカラーのペンライトを振るファンに手厚く応える5人が多く見受けられた。

 爽やかなメロディの最新曲「ブルーシャワー」は、センターステージで披露。佐野が出演する「シーブリーズ」のCMソングとして書き下ろされたこともあり、青春っぽさ強めなこの曲を歌うメンバーは、揃ってポジティブに未来を見据えたような表情を浮かべた。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる