NOA「みんなに会えるなら、なんでも大丈夫」 アルバム『Primary Colors』で歩む新章とNOANAへの想い

 アルバム楽曲を聴きたいシチュエーションも、NOAのなかでは色によって分かれているという。たとえば、「明日は勝負時!」というシチュエーションでは赤の曲を、浸りたい気持ちの時には青の曲を、散歩に行く際には緑の曲を……といったイメージだ。しかし、なかには寂しくて気持ちを奮い立たせたいからこそ、赤の曲を聴きたくなる人もいるかもしれない。赤と青のあいだ、青と緑のあいだなど、“つなぎ”の位置にある曲については、人によってどちらの色寄りか感じ方も違うだろう。NOAはそういった楽曲の受け取り方の幅広さを“グラデーション”に喩え、「ぜひ色を感じながら、頭から聴いていただきたいです」と今作ならではの楽しみ方を教えてくれた。このように自分の感じ方をベースにして聴くことができるのが『Primary Colors』の面白さ、味わい深さであると言えるだろう。

 プライベートでドライブをする際にも自分の楽曲を聴くことがあるようで、「ちょっと恥ずかしいけど、(アルバムが)出来上がったからこそドライブ中に聴いて、(楽曲が)いいのかっていうのは、自分のなかでの確認事項」と、リスナーの視点で客観的に音楽に向き合っている様子も明かした。

 最後には「制作期間もインスタライブ(Instagram Live)を通して皆さんと共有したりして、みんながいるからこそ出来上がったアルバム。本当に楽しんでいただきたいです」「このアルバムをもって始まる第2のチャプターも皆さんと素敵な思い出を作っていきたい」と感謝や今後の展望を伝え、壮大なスケールでアルバムのトリを飾る「00:02 (You & I)」を歌い上げた。空を見上げていた視線をNOANAに移し、体を同じ音楽で揺らしていく。雨すらも演出の一部に感じられるようなエモーショナルなひと時は、NOANAの心にも刻まれる大切な思い出となったのではないだろうか。


 
 実力と音楽的感度の高さ、スター性を兼ね備え、語学力を活かしてグローバルファンダムも拡大しているNOA。7月に行われる渋谷でのキックオフ公演を経て、10月には『Primary Colors』を携えた全国ツアーを控えているほか、8月17日、18日には『SUMMER SONIC 2024』(17日に東京、18日に大阪公演)への出演も決定し、次世代のホープとして着実に歩みを進めている。

 NOAが「みんなに会えるなら、なんでも大丈夫なので」と言い切る姿からは、NOANAへの惜しみない愛情が感じられた。それはNOANAも同様で、メディア向けのスチール撮影の際には、少々緊張気味のNOAに「かわいいよ!」と自主的に声をかける姿も。NOAはその声に照れた様子を見せていたが、そういったNOANAの愛あるサポートが、この先も彼を次のステージへと押し上げていくのだろう。ダンス&ボーカルグループ群雄割拠のシーンにおいて、彼のようなソロアーティストの存在はますます大きくなっていくに違いない。まずは今夏の活躍に要注目だ。

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