森三中 大島美幸&ガンバレルーヤ、なぜ本気の音楽活動始動? BE:FIRST輩出オーディションからの学びも
森三中・大島美幸、ガンバレルーヤ・よしこ、まひるの3人による「本気でアーティストを目指すプロジェクト」が始動した。その様子はYouTubeチャンネル『大島本気チャンネル』で公開されており、彼女たちが楽しくも真剣に音楽活動と向かっている様子が収められている。そんな同プロジェクトから誕生したのが「MyM(マイムー)」。そして、彼女たちは5月22日にデジタルシングル「ASOBOZE」でデビューを果たす。同曲は、BTSやBE:FIRSTなどに楽曲提供をしているMatt Cab、MATZを中心に錚々たるメンバーで制作。MyMも制作に参加しており、キャッチーなヒップホップナンバーが完成した。芸人として活躍する3人がなぜ今音楽活動を始めたのか。大島、よしこ、まひるに直接話を聞いた。(高橋梓)【インタビュー最後にプレゼント情報あり】
40代になっていろんなものが吹っ切れた(大島)
ーー念願のデビュー、おめでとうございます。まずは率直な心境から教えてください。
よしこ:これまで音楽に助けられたり、力をもらったりすることがたくさんあったので、自分がいろんな方にパワーを与えられる存在になれるのかもしれないと思うと、ありがたいです。3人でいい音楽を届けられたらいいなと思います。それに、デビューできるってなかなかない機会ですし、楽しみたいです。
まひる:2年前、『大島本気チャンネル』に出演させていただいた時から3人でデビューすることが夢だったので、それが叶って嬉しいです。年齢や性別関係なく、本気で取り組んできたからこそ見つけてもらえたのかなって思いますし、大島さんに感謝しています。そして、夢が叶ってからがスタートですので、たくさんの方にMyMの音楽を届けられるように頑張りたいです。
大島美幸(以下、大島):YouTubeチャンネルを立ち上げたのは、オーディション番組『THE FIRST』を見て感銘を受けたことがきっかけだったんですね。ただ「歌ってみたい」、「踊ってみたい」で始めたことですが、まさかデビューさせてもらえるなんて思ってもいませんでした。まーちゃん(まひる)が「デビューしましょうね」とずっと言ってくれていたのですが、私は「そんなわけないよ」って返していて。でもMattさん、MATZさんからお話がきて、「そんなことあるのか」って。真剣にやっていてよかったですし、妥協せずに歌とダンスに向き合っていてよかったなと思います。
ーーMattさん、MATZから声がかかるまで、デビューに向けてやっていたことがあったりも?
大島:最初はBE:FIRSTの「Shining One」が踊りたいと思ったから踊ったし、「Grateful Pain」が歌いたいからみんなで歌おうって声をかけていたんですね。でもまーちゃんの「デビューしたい」という言葉を聞いてから、「そっか。アピールしなきゃいけないか」と思うようになって。ガンバレルーヤの2人はダンスも歌もできるから、まずいな、と。私もダンスができるところを見せなきゃと思って、TikTokにダンス動画をアップし始めました。「言われたらちゃんとできますよ。時間内にできますよ」とアピールしていた部分はあるかもしれないです。
ーーそれが実を結んだわけですね。楽曲制作の過程の中には初めてのことも多かったと思います。どんな気持ちで向き合ってきたのでしょうか。
よしこ:私と大島さんは曲を作ること自体が初めてだったので、すごく緊張しました。それに、自分が思っていることを伝えるのがもともと苦手なんです。でも、自由に発信することが当たり前の場所だったので、徐々に楽しくなっていきました。自分をさらけ出して、少しでも成長できたらいいなという気持ちでやっていました。
まひる:私は、Mattさん、MATZさんに「即興で何かラップをしてください」と言われた時に恥ずかしいって思っちゃったんです。今、3人の歌をせっかく褒めていただいているのに、私が即興でラップをしたことで「やっぱり違うな」と思われたらどうしようって。かっこつけてしまったというか、「良いラップをやらなきゃ」と思いすぎて頭の中が真っ白になってしまいました。でも、「かっこつけちゃだめなんだな」とすごく反省したんです。実際、(制作の過程を追う)撮影が終わってからの方がかっこつけてないからどんどんアイデアが出てきたんですよね。次回からは下手でもいいからかっこつけずにやっていこうと決めていたのですが、2回目にお会いした時は1回目よりもスタッフさんがたくさんいて殻にこもってしまいました。
大島:たしかにたくさんいたね(笑)。それで言うと、私は緊張やかっこつけはなかったな。ガンバレルーヤは30代なのですが、私も30代だったら恥ずかしがっていたかもしれないですね。でも40代になっていろんなものが吹っ切れて、「間違ってもいいや」と思えるようになったこともあって心をさらけ出せていました。
ーー何かそうなったきっかけがあったのですか?
大島:以前、ウチの黒沢(かずこ)さんに「みんな40代になって図々しくなってきてる」と言われた時に、「本当だ」と思ったんですよね。人生の折り返し地点を過ぎたと思ったら、「言わないともったいない。言いたいこと、伝えたいことははっきり言わなきゃ損だ」と気づいて。だから歌詞も一言一句漏らさないように書き留めました。
制作の現場にあった“誰も否定しない”空気
ーーその歌詞ですが、みなさんそれぞれが書いたものを持ち寄っています。
大島:そうですね。でも、最初はまったく書けなくて。そこで曲のテーマとは関係ないけど、怒りについて書いてみようかと3人で話し合いました。それで各々怒りをテーマに書いてみたところ、歌詞に採用いただいて。
まひる:怒りの感情って、こんなにもスラスラ出てくるんだって自分でもびっくりしました。しかも、歌詞に落とし込んだおかげでモヤモヤしていたことがスッキリして。それに“遊ぼうぜ”というテーマとはかけ離れた歌詞なのに、Mattさん、MATZさんは全肯定してくれたんです。遊びと怒りって真逆なのに、「どっちも必要な要素ですよね」って。私たちの思いも上手く歌詞に取り組んでくださって、本当にありがたかったです。
よしこ:しかも、腹を立てて書いた言葉なのにMattさんとMATZさんはそう受け取ってないんですよ。逆に「励みになる言葉だと思います」と言ってくださったんです。あとは、私は怒りをテーマにして書いてみようという話になった後も、スムーズに書けなかったんですね。そんな時に大島さんとまーちゃんに相談させてもらって。夜遅くまで話を聞いてくださったんですが、その状況の私に対して大島さんとまーちゃんが歌詞を書いてくれたりもしました。
ーーどのあたりに反映されているのでしょうか?
よしこ:〈流さないで 溢れ出る才能/向き合う勇気と戦う覚悟〉、〈だから常に堂々/自分は自分を愛そう/トライアンドエラー/再発見だ/働きすぎだよ日本人は〉、〈雰囲気だけ天才/誰よりも繊細/でもこれが自然体/誰も君になれない〉……と、たくさん取り入れてもらっています。
ーーよしこさんのお話を聞いてから歌詞を読むと、「なるほど」となりますね。
よしこ:そうですよね。私は今も毎日「ASOBOZE」を聴くのですが、励まされている気持ちになります。めちゃくちゃいい歌詞だなって、心から思っています。
ーーMattさん、MATZさん、ずまさん、Tamamiさんとの制作の中で、特に印象に残っているやりとりはありますか?
大島:やっぱり、まーちゃんの〈うん、こうでしょう〉は素晴らしかったですね。私が言った「うんこ出そう」を〈うん、こうでしょう〉に変えるなんてね。
よしこ:Mattさんなんか飛び跳ねてましたもん。「いいね! やったー!」って。
まひる:子どもの頃って、うんこで頭がいっぱいだったと思うんです。自分の子ども心をたどっていた時に出てきましたね。遊び心を持って原点に返ったら、うんこが降ってきました。うんこを歌詞に入れるってどういうことだよと思いますが、誰も否定しないんです。その空間が新鮮で楽しかったですし、遊び心がないとできないことですよね。その時に出た言葉を大切にするのが面白かったです。
よしこ:正直私たちは戸惑っていたのですが、他のみなさんが盛り上がってくださって。そのやり取りを、仮歌を入れてくれた虹色侍ずまさんがブースの中で聞いていて。Mattさんが「じゃあ、うんこを最初に入れてもらっていい?」と指示を出したら、「いや、え、いいんですか?」って(笑)。ずまさんも戸惑っていましたが、結果受け入れてめっちゃいい声で歌ってくれました。その作り上げている感じが楽しかったです。
ーーたしかに、あの発想は天才でした。そしてコレオグラファーはKAITAさんが務められています。
大島:はい。ぜひみなさんに真似していただきたいダンスです。特にサビは老若男女問わず、踊っていただきたいです。だいぶキャッチーだよね。
まひる:KAITAさんが、お会いして一発目に「はい、もうバズります」と言ってくださったんです。バズり屋……いや、バズリヤさん(ドラゴンボールのドドリアさんのイントネーション)なんです、KAITAさんは。
ーー(笑)。実際踊ってみていかがでしたか?
3人:めちゃくちゃ楽しかったです!
大島:ただ、息切れがね。足を上げることが多いのでハァハァしてしまうのですが、そうならないように、日々鍛錬しています。
よしこ:途中で私と大島さんは向かい合って休める部分があるんですけど、その時の大島さんの顔が面白くて笑っちゃうんです(笑)。めっちゃ必死な顔をしていて(笑)。
大島:ここで息を整えておかないとやばいって思って(笑)。
よしこ:全部の穴から空気を吸っている感じなんです(笑)。でも本気だからこそ、そうなっちゃうんです。
大島:息切れしていますが、サビなんかは真似できるくらいの難易度だと思いますよ。でも、KAITAさんのようにかっこよく踊るのがとても難しい。
まひる:そう! KAITAさんは力を抜いて、ニュアンスで軽く踊っているんですね。でも、私たちはどうしても力が入って大振りになってしまうので、そこが難しかったです。
よしこ:緩急というかね、ラフなところほど難しかった。
まひる:ダンスの難しさってよりも、表現の難しさに苦戦しました。
ーーMV撮影はいかがでしたか? 見どころを教えてください。
大島:全部見どころなんですが、衣装や髪型にも注目してほしいです。特に衣装ではプレミアのTシャツを貸していただいて。私たちは何も知らなくて、普通に着替えてスタジオに入ったんです。そうしたらスタッフのみなさんが「おぉ~!」、「うわ~!」ってそのTシャツを見て驚いていて。プリントされていたのが、全員亡くなった伝説のラッパーだったんです(笑)。3枚合わせたら70万円くらいするみたい。でも、汗でびしょびしょにして返しました。
よしこ:(取材時に着ていたTシャツを見せながら)それで私もロサンゼルスのH&Mで買ったんです。プレミアつくかなって。これはまだ生きているラッパーのTシャツです。
大島:プレミアついたらいいね。そんな感じで、いつものガンバレルーヤと森三中・大島じゃない格好をしているので注目してみてください。