SixTONES、「音色」に感じる9年の歴史 毎回異なる音楽番組でのパフォーマンスに注目

 SixTONESが5月1日にリリースした12thシングル『音色』が、『オリコン週間シングルランキング』(2024/05/13付)で発売初週1位を記録するとともに52.3万枚を売り上げ、ハーフミリオンを達成した。「音色」はメンバーの京本大我が主演を務めるドラマ『お迎え渋谷くん』(カンテレ・フジテレビ系)の主題歌であり、発売日である5月1日はグループの結成記念日。そこに今回ハーフミリオンという記録も加わり、音楽作品にまたひとつ大きなエピソードが重なった。リリースにあたってはメンバーが様々なバラエティやラジオ番組に出演したほか、各局の音楽番組にも相次いで出演。「音色」を通してSixTONESだけの“音色”が幅広い世代の人々の耳に届いたことだろう。

 4月29日放送の『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)では、SixTONES初の4大ドームツアー『SixTONES LIVE TOUR 2024「VVS」』でオープニングを飾った「アンセム」と、東京ドーム最終公演のアンコールで初披露した「音色」をフルサイズでテレビ初披露。ライブの始まりと終わりの楽曲という選曲は、ライブの余韻を感じられる構成となっていた。

 「音色」のフルサイズ披露はSNSでも大きく話題になったが、その歌詞に「オンガク」(7thシングル『わたし』収録)の歌詞の一部やメンバーカラーが盛り込まれたほか、ジェシーと髙地が〈しわとしわ合わせ〉(「人人人」/3rdアルバム『声』収録※「人人人」では〈シワとシワ合わせ〉)や、森本が〈こっから始まんだ〉(10thシングル『こっから』)と歌うなど、過去作品とリンクする遊び心の詰まった歌詞と歌割でも沸かせた。

 続く5月6日放送の『CDTVライブ!ライブ!』では「音色」に加えて、昨年行われた初のドーム公演に向けてリリースされた「ABARERO」(9thシングル表題曲)にロックアレンジを加えた「ABARERO -Dark Electro Rock Remix-」をフルサイズでパフォーマンス。白でリンクさせた衣装が爽やかにも情熱的にも映るメンバーの気持ちが伝わってくる熱いステージを届けた。

 続いて、「音色」をテレビ初パフォーマンスしたのが5月4日放送の『バズリズム02  ライブSP』(日本テレビ系)。この日の放送は「ライブスペシャルSixTONES SP LIVE」と銘打ったようにライブさながらの雰囲気で、歌い出しから全員揃って一歩、二歩と前へ歩き出す。この一歩だけでも楽曲の象徴的な場面だったが、ここからメンバーがフォーメーションを変えながらより深く表現していった。

 田中樹と森本慎太郎が背中を合わせて腕を組んで立ち上がったり、松村北斗と髙地優吾が向き合って会話をするようにハモったり。田中を真ん中に両サイドで森本とジェシーが歌うところへ髙地と松村がやってきて微笑んだり。後半では一人で歌う京本が後ろを振り返ると、メンバー5人が待っている……そんな絶妙なアングルのカメラワークも駆使していた。

 歌い終わると京本はが晴れやかな笑顔を浮かべ、彼の元へ駆け寄ったジェシーが京本の肩に手を乗せる。ピースサインの森本に隣の田中が笑い、そんなメンバーを見守る松村と髙地。10代から今日までの軌跡をたどり、そしてこれからも……そんなSixTONESの決意表明のようでもあった。歌唱に留まらず、SixTONESのこれまでの軌跡や、普段見聞きする関係性も重なり、パフォーマンスの全てを通して歌詞に込めたメッセージを表現してみせた。安定の笑いに満ちた安定のトークを挟んで、空気はを一変。2曲目には「WHIP THAT」をチョイスし、SixTONESが創り上げるライブの面白さが伝わるパフォーマンスで沸かせた。

 『CDTVライブ!ライブ!』『バズリズム02』では、東京ドーム公演の模様も放送され、ライブの熱気と同時にSixTONESの音楽性やパフォーマンススタイルも視聴者に届いたはず。仲間への感謝や出会えた喜びをテーマにしたエモーショナルな楽曲から、ライブで盛り上がるパーティーチューンまで、そのコントラストが象徴するようにたった数曲でもSixTONESの音楽ジャンルと表現の幅広さ、パフォーマンス力を示していた。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる