【EXPG STUDIO対談 Vol.03】U-GE×EXILE MAKIDAI、ダンスの楽しさを教える意義 出会いやNY留学も振り返る

EXPG STUDIO対談 U-GE×MAKIDAI

本場ニューヨークでのスキルアップ

――そんな中、1996年にはMAKIDAIさんがNYに留学されて。

U-GE:そうそう。MAKIDAIがいきなりNYに行っちゃったんです(笑)。

MAKIDAI:最初に単発でNYに行ったのは1994年だったけどね。その後、1995年にうっさん(ÜSA)とかマッちゃん(MATSU)もNYに行き始めて。本格的にNYに留学して住んでたのは、1996~1997年でした。

U-GE:NYに行った結果、最先端の音楽やファッションに触れたことで、MAKIDAIが生まれ変わった感じで帰ってきて(笑)。その話を聞くのが楽しくてしょっちゅう電話してましたね。

MAKIDAI:そういうU-GEちゃんも、NYに行ってたよね。しかも、いきなり向こうでレンタカーを借りて、ハーレムに行ったって聞いたよ(笑)。

U-GE:あれも1994~1995年頃だったんだけど、俺、あの時洋服屋でバイトしてて。買い付けで行ってたから、必然的に車があったんだよ。

MAKIDAI:なるほど、そういうことか!  当時はその背景を知らなかったし、俺は初の海外でレンタカーを借りようとは思えなかったから、U-GEちゃんのアグレッシブさに驚いてた(笑)。あの頃のNYは、街中からHOT 97(HIPHOPラジオ)が聴こえててヤバかったよね。仲間内で最初にNYに行ったのって、ATSUTOSHIだっけ?

U-GE:うん、ハウスを持って帰ってきたんだよね。

MAKIDAI:ATSUTOTSHIはUSKの元メンバーで、EXPGにも初期メンバーとして携わってくれていた人なんですけど、彼は特に情報が早かったですね。とはいえ、当時、HIPHOP界隈にいた人はこぞってNYに行ってましたし、「あそこに行けば、新しい自分に出会える!」みたいな場所だったなって思います。

――そして、帰国後するたびに新たな刺激を持ち帰り、自分のパフォーマンスに落とし込んでいく、と。

U-GE:そうです。NYから帰ってきたMAKIDAIは、ダンスはもちろん、DJとしてもスキルアップしてて。スクラッチもめちゃくちゃ上手くなってましたし、それまで聴いたことのない曲のかけ方をし始めたので、MAKIDAIが回す(DJプレイをする)と、身内はみんなウェイウェイしてましたね(笑)。

MAKIDAI:NYでStretch Armstrong(DJ)のかけ方を学んで、それを自分でもやってみてた時期だね。

――その頃(90年代後半)は、DJとしてイベントに出演する機会も多かったんですか?

MAKIDAI:1998年頃は「YOKOHAMA CLUB LOGOS」でU-GEちゃんが主催してたイベントで、よくDJをさせてもらってました。だから、最初の頃は身内ノリというか、HIPHOPのゴリゴリした感じの選曲が多かったんですけど。U-GEちゃんに「女の子のお客さんもいるから、R&Bも増やしてみない?」って提案されて、そこからDJとして間口が広がっていきましたね。ダンスに関して言うと、Camp Loが来日した時には、NYのHIPHOPを中心に曲を用意して、ショータイムで一緒に踊ったよね? うっさんとかマッちゃんもいて。

U-GE:懐かしい!

MAKIDAI:Camp Lo以外のアーティストの他にもフロントアクトをしたよね、誰だっけ?

U-GE:Keith Murrayじゃない?

MAKIDAI:いや、その時はU-GEちゃんのクルーしか出演してなかったと思う。U-GEちゃんがKeith Murrayの『The Most Beautifullest Thing in This World』が超好きだって言っててさ。「Keith Murrayと廊下で会ったら、レモンかじってきやがって、超カッコよかった!」って話してたの、すっごい覚えてるもん。

U-GE:廊下で会ったどころか、いきなり楽屋に入ってきたからね。「Hey!」って。で、なぜか俺たちの部屋でレモンをかじって帰っていった(笑)。

MAKIDAI:やべぇ~~!

一同:あははははは!

MISIA「つつみ込むように…」MVでの共演

――また、おふたりは、1998年にMISIAさんがリリースしたデビュー曲「つつみ込むように…」のMVでも共演されています。U-GEさんはこの曲の振り付けも制作されたそうですが、どういう経緯で任されたのでしょうか。

U-GE:僕の先輩のBOBBYさんが、MISIAさんの事務所の社長さんと仲が良くて。おふたりがやっているダンスイベントに、僕も参加させてもらってたんです。その中で、社長さんから「こういう子(MISIA)を今度デビューさせるから、曲を聴いてみてよ」って相談されて。僕が振り付けを考えたり、バックダンサーを集めることになりました。

MAKIDAI:その少し前にUAさんの「情熱」(1996年)がすごく流行って、「この曲カッコいいよね! こういう曲で踊れたら、ダンスシーンが変わるよね」って話してたんですよ。そしたら、U-GEちゃんから「こういう企画があるんだけど、一緒にやらない?」って電話が来て、すごく嬉しかったです。初めてMVにバックダンサーとして出演させていただいて、こういう世界があるんだって感動しました。

U-GE:しかも、気づいたら大ヒットしててね! 別に俺たちの力ではないと思うけど(笑)。TVとかでMVが流れてきて、「あれ、俺!?」って思ったりしたよね。

MAKIDAI:カラオケでもMVが流れるから、テンション上がった! 最初は5人バックダンサーがいて、そのメンバーでMISIAさんのツアーに同行させていただいて。クラブツアーから始まったこともあって楽しかったですね。

MISIA - つつみ込むように... (Official Music Video)

――大きな仕事に対するプレッシャーではなく、楽しいという感想が最初に出てくるんですね。

U-GE:仕事だけど、内容自体は今までやってきたことと変わらないから、ただただ楽しかったよね(笑)。

MAKIDAI:その感覚がずっと続いてる気がする(笑)。僕とうっさんとマッちゃんがEXILEを引退する時に、U-GEちゃんに振りをつけてもらって、一緒にリハをやったのも楽しかったなぁ……。その時もU-GEちゃんならではノリや90年代の空気感を感じたし、「つつみ込むように…」も、ダンスの面ではU-GEちゃんが作り上げた世界観が僕らをリードしてくれていたなって思います。

――MAKIDAIさんは1999年にJ Soul Brothersを結成し、2001年にはEXILEとしてメジャーデビューされますが、それまではおふたりともMISIAさんのバックダンサーを続けていたんですか?

U-GE:そうですね。ずっと一緒にバックダンサーをやっていたんですけど、MAKIDAIはBABY NAILのメンバー(ÜSA、MATSU)と一緒にJ Soul Brothersを組むことになったので、MISIAさんの現場を離れて。気づいたら、めちゃくちゃ有名になってました!

MAKIDAI:いやいや! めちゃくちゃ匍匐前進してたからね。日々、匍匐前進を早めにやる、みたいな(笑)。

U-GE:あはははは!

MAKIDAI:そんなニュアンスのアーティストデビューでしたね。

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