【EXPG STUDIO対談 Vol.03】U-GE×EXILE MAKIDAI、ダンスの楽しさを教える意義 出会いやNY留学も振り返る

EXPG STUDIO対談 U-GE×MAKIDAI

 GENERATIONSのメンバーをはじめとしたJr.EXILE世代のアーティストや、Girls²などのダンスボーカルグループを数多く輩出してきた総合エンタテインメントスクール・EXPG STUDIOが、2023年で20周年を迎えた。リアルサウンドでは、20周年を記念して関係者と卒業アーティストの対談を短期集中連載でお届けする。

 第3回は、同スクールの人気インストラクターとして活躍しながら、NEO EXILE世代のアーティストのダンスサポートも務めるU-GE氏と、そんな彼と10代の頃からダンス仲間だったというEXILE MAKIDAIが登場。2人が育った90年代のダンスシーンについて、賑やかに振り返る。(斉藤碧)

互いのダンスに衝撃を受けた10代の原点

――出会った頃の印象から教えてください。

MAKIDAI:初めは僕が一方的にU-GEちゃんのことを知ってたんです。というのも、僕は中学3年生の頃にダンスを始めたんですけど、当時放送してたダンス番組『DADA L.M.D』(テレビ朝日系)に、U-GEちゃんは15歳くらいで出てたんです。

――『DADA』はZOOを輩出した伝説的ダンス番組ですね。

MAKIDAI:はい。そこに出てきたU-GEちゃんのダンスが衝撃的に上手くて! 同世代なのにすごいな、めちゃくちゃヤバい人がいるなって思ったのが第一印象でした。

U-GE:そういえば、あの番組を録画してた映像を仲間に見せてもらったことがあるんだけど、俺、ズボンのポケットに手を突っ込んだまま出てて……(笑)。今観たらめっちゃ恥ずかしかった!

MAKIDAI:最高(笑)。そういう雰囲気も含めて、U-GEちゃんはひと際目立ってました。

U-GE:逆に、俺が初めてMAKIDAIのパフォーマンスを見たのは1991年頃かな?

MAKIDAI:うん、高校生の頃だね。

U-GE:当時、MAKIDAIはUSK(Underground Street Kids)っていう東京のダンスチームに所属していたんですけど、友達伝いに、そのクルーのダンスがすごいって聞いていました。僕の地元は横浜なんですが、ある時、USKが「市川 CLUB GIO」で踊るって聞いて、千葉まで観に行ったんです。そしたら噂通りのダンススキルで、さらにトリあたりの目立つブロックで踊っていて、圧倒されました。

――その時に初めてお話したんですか?

MAKIDAI:挨拶はしたと思うけど……USKの中で最初に話したのは俺じゃなかったよね?

U-GE:うん、KIICHI(USKメンバー)と仲良くなったのが最初。MAKIDAIと親しくなったのは結構後だと思います。そういえばUSKって、体育館みたいなところでもイベントやってなかった?

MAKIDAI:目黒区民センター? やってた!(笑)

――目黒区民センターは、USKにとって“いつもの練習場所”だったんですか?

MAKIDAI:いえ、決まった練習場所ではなかったです。ダンスショーというか、ダンスの発表会みたいなものをやりたくて、その会場として場所を借りていました。あの時はまだチケットも手作りだったし、下手したら、ラジカセで音を流して踊ってたんじゃないかな? そのくらいの時期だった気がする。

U-GE:俺はそこまでは覚えてないけど(笑)。USKが4人でGUESSのGジャンを着て踊ってたのは、すごく印象に残っています。僕は横浜の田舎者だけど、MAKIDAIたちは東京の都会人だったから、「何、あのオシャレなヤツら」って言ってました。

MAKIDAI:俺らも「横浜軍団来てる!」って言ってたよ(笑)。

――おふたりが一気に親しくなったのはいつ頃でしょうか。

MAKIDAI:19歳くらいの時ですね。16歳くらいで出会ってるから、少し期間が空いてるんですけれど、ある時、横浜のU-GEちゃんの家によく遊びに行くようになって。U-GEちゃんの家に行ったら、NBAのポスターが部屋にいっぱい貼ってあってさ。お母さんが作ってくださったハンバーグ、めちゃくちゃ美味しかったなぁ……。

U-GE:え、俺の実家の話? 実家の話はやめてもらっていい!?(笑)

MAKIDAI:あははは。でも、U-GEちゃんと仲良くなった頃のことだと、それが一番印象に残ってますね。

U-GE

――同世代のダンス好き同士、分かり合えることが多かったんでしょうか。

U-GE:そうですね。僕らはその頃よくクラブに行ってたんですけど、そこに出入りしている同世代のヤツらが自然と集まって、クラブ以外でも遊ぶようになりました。「YOKOHAMA CLUB LOGOS」とか、よく行ってたもんね?

MAKIDAI:うん。その中で、“横浜軍団”とか“蒲田軍団”として遊んでいて(笑)。“川崎軍団”には、マッちゃん(MATSU)もいてね。そういう軍団同士がダンスを介して親しくなって、僕とU-GEちゃんも仲良くなりました。

飛び入りで踊った、語り継がれる“ルフロン伝説”とは?

――音楽の趣味も似ていたんですか?

MAKIDAI:2人ともHIPHOP好きでしたけど、U-GEちゃんはお父さんがジャズ好きだった影響で、A Tribe Called Quest(ジャズをサンプリングしたHIPHOPグループ)の元ネタの楽曲を車で流してましたね。同世代では元ネタまで遡って聴いてる人が他にいなかったし、音にもすごく詳しかったから、たくさん刺激をもらいました。

U-GE:でも、仲間内でいち早くDJ機材を入手したのはMAKIDAIだったよね。それが羨ましかったから、機材をいじりたくて、無理矢理家に遊びに行ってたもん(笑)。

MAKIDAI:とか言いつつ、U-GEちゃんはDJも上手いし。パフォーマーとして一番大事なことを教えてくれたのも、U-GEちゃんですからね。

U-GE:大事なことって何?

MAKIDAI:それまでの自分は、ダンスの動きと音をどこかで切り離して考えていたというか。もちろんビートは聴いてたんですけど、楽曲を咀嚼して、ちゃんと音を感じて踊ることができていなくて。でも、U-GEちゃんがいろんな人のダンスを見て「この人は音を聴いてる」って言っているのを見て、自分にもその違いが分かってきて。あの頃の遊びのおかげで、今、DJやダンスを仕事にできているなって思います。

U-GE:めっちゃ褒めるじゃん(笑)。

MAKIDAI:あと、U-GEちゃんのすごさを目の当たりにした伝説があって!

U-GE:あはははは。

MAKIDAI:ある時、「川崎ルフロン」で行われたダンスイベントを観に行ったら、U-GEちゃんが飛び入りしてきたことがあったんです。それまではいろんなチームが順番に踊ってたんですけど、司会者が「最後に踊りたい人いるー?」って呼びかけたら、粋な感じで「はいはーい!」って出てきて(笑)。いきなり現れたU-GEちゃんのダンスに、会場大盛り上がり! これはPKCZ®のDARUMAさんとか、同世代のダンサーたちが語り継いでいる名シーンですね。

EXILE MAKIDAI

――U-GEさんはどういう気持ちで、1人で飛び入り参加したんですか?

U-GE:いや、1人で踊る気は全くなかったんですけど、そのタイミングで友達が便所に行っちゃって……。

MAKIDAI:あはははは!

U-GE:飛び入り枠があるっていうのはもともと知ってて、ちょうどイベントの前の晩に“蒲田軍団”の友達と3人で遊んでたから、「ちょっと振り付けを作って、飛び入り枠で出ちゃう?」って話になったんです。だから、一応初めから飛び入りをするつもりで会場に行って、手を挙げたんですけど。俺らが待機してたのが、階段の上のほうのすごく目立つ場所だったから、会場にいる全員がこっちを見るわけですよ。

――演出が効いてますね。

U-GE:効きすぎてました!(笑)

MAKIDAI:他に飛び入りがいなかったから、みんな大注目だったよね。あの時のU-GEちゃんは勇者だった(笑)。

U-GE:そう、「誰だ、誰だ……いた!」って感じでね。で、いざステージに出ようと後ろを振り返ったら、「あれ!? 連れがいない!」ってなって。

一同:あはははは!

U-GE:でも、引っ込みつかなくなっちゃったから、1人で階段を下りて踊ったっていう(笑)。

MAKIDAI:それが今では「ルフロン伝説」として残ってますね。

――その伝説は何年頃の話なんですか?

MAKIDAI:1996~1997年くらいだったと思います。

U-GE:僕が組んでたMO’PARADISEと、BABY NAIL(MAKIDAI・ÜSA・MATSUが結成したダンスチーム)も一緒にイベントをやったりしてて。あの頃は楽しかったですね。

MAKIDAI:Misfiss(NYのレジェンドダンスチーム)が来日した時に一緒に観に行ったこともあったし、よくクラブで遊んでました。

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