jo0jiに初インタビュー 漁港での暮らしが与える影響から音楽的ルーツまでを語り尽くす

“友達”に喜んでもらいたい 変わらぬ創作のモチベーション

3月15日『Spotify Early Noise Night #16』@Spotify O-EAST(撮影=石原汰一、shima)

――リスナーには、どのようにご自身の音楽を楽しんでほしいですか?

jo0ji:困ったときとか、どうしようもねえなってときに、何かしら救いの手を差し伸べるつもりで曲を作っているので、もしかしたら救いを求めて聴いてもらってもいいのかもしれないですね。基本的に、僕は「大丈夫だよ」って言われるのが好きなんです。周りにそう言われて育ってきたので。だから、自分の曲も「大丈夫だよ」って言われてるように感じてもらえたらいいな。

――うんうん。

jo0ji:あとは、ちょっと難解な曲やひねくれた音楽に手を出すきっかけに僕がなれたらいいなと思ってます。自分はちょっと変わったことをしたいっちゅうのがあって、何をするにしても「これだと普通だから、こっちにしてみる」みたいに逆張りをする性格なんです。みんなと一緒が嫌なんですよ。曲にもそういうところが出ていると思うので、ちょっと気にしながら聴いてもらうと、他の音楽を聴くときにも楽しめるんじゃないかな。今まで聴いてこなかった音楽への入り口に自分がなれたらいいなって思うので。編曲の部分についても気にして聴いてもらえたらいいかな。

――創作のモチベーションって、友達に聴かせるために曲を作り始めた頃とは変わりました?

jo0ji:いや、変わってないですね。今も友達は大切だし、活動していくなかで音楽をやる友達も増えました。ずっと「この曲はあいつが好きだろうな」とか「この曲はあいつのお気に入りになるな」って思いながら作っている気がしています。

――jo0jiさんは今もなお漁港で働かれてますが、音楽活動はどのタイミングでやられているんですか?

jo0ji:家に帰ったらって感じです。働いている港が近所なので、仕事が終わったらすぐに帰れるんです。だから、時間にも余裕があるんですよ。一緒に働いているおじちゃんやおばちゃんも、若いのが俺くらいしかいないから、すごく甘やかしてくれて。みんなに甘やかされてなんでも許してもらってきているから、人のことも許せるというか。余裕ある年上のおじちゃん、おばちゃんとしか絡んでないから、人間関係を客観的にみれるところはあるかもしれないですね。

――それは本質的な人生の見方ですね。今のjo0jiさんにとって、ライブってどんな存在ですか?

jo0ji:まだ回数を全然やっていないので、「ライブとは?」みたいなところまで至ってなくて。これからって感じかなと。自分がライブを観ていて好きなのは、ただカッコイイだけじゃなく、オーディエンスに恥をさらせるようなアーティスト。ちょっと見世物になっているというか、晒し者になっているというか。そういう潔さを持った人に惹かれてきたので、ステージでは自分もあまり型にはまらずさらけ出すべきかなと思っています。いつかは大きな会場でやりたいですね。会場がどんどん大きくなって、観る人が増えていったらいいな。

――すでに地元でライブもされましたか?

jo0ji:ついこの間、米子で開催された『オンガクお嬢FES.』(日本海テレビ×エフエム山陰:クリープハイプやOmoinotake、東京スカパラダイスオーケストラなどが出演)に呼んでもらって、初めて地元でライブをしました。知り合いがみんな来て、参観日みたいになっててよかったですよ。何をやっても正解な感じの空気で、すごくホームな感じでした。いつかはビッグシップ(米子コンベンションセンター)でワンマンもしてみたいですね。

――その時は観にいきたいですね。では、Spotifyが今年飛躍が期待される国内アーティスト10組を選出した『RADAR: Early Noise 2024』に、ご自身が選ばれた感想を教えてください。

jo0ji:目標には掲げていたんですよ。2023年にEPを出して、2024年度の『RADAR: Early Noise 2024』に選ばれたら万々歳だよねって話をしていて。なので、選んでもらえて「マジっすか!」って感じで、本当に嬉しかったです。

――目標だったんだね。一緒に選ばれたアーティストで、気になる方はいました?

jo0ji:離婚伝説さんとは一緒にライブをさせてもらっていて。そのときにやっていた「愛が一層メロウ」という曲を気に入って、ずっと口ずさんでました。楽屋で挨拶をさせてもらったときも、すごくいい人たちで。離婚伝説、最高だなって感じはあります。

――では、『RADAR: Early Noise 2024』以外で、気になっていたりシンパシーを感じたりするアーティストっていました?

jo0ji:みんなすげえなとしか思わないんですよ。シンパシーってなると、忌野清志郎さんとか中島みゆきさんにどうしてもなっちゃうというか。

――音楽は時代を越えるということですかね。

jo0ji:僕は中島みゆきさんとか清志郎さんの音楽を古いと感じたことがないんです。「今の時代でも売れるっしょ!」って思うんですよ。なので、シンパシーというか、たまに聴き返すと「こういうことを言っとったのか、みゆきは!」「みゆき、すげえ!」ってことがあったりするんで(笑)。大人になってから気づくことも、めちゃめちゃありますね。

――なるほどねえ。では最後に。これから、どのような表現者になっていきたいですか?

jo0ji:そうだなあ。カリスマみたいな人間っていうよりは、身近なやつが頑張ってるみたいに思ってもらいたいんです。スーパースターがカッコイイことを歌ってるというよりも、「一般人みたいなやつが、いいこと言っとんな」みたいに思ってもらえるほうがいいなって。そんな存在でありたいし、それくらい生活に近い曲を作れたらなって思っています。

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