ゆいにしお、なぜアラサー女性の“平日”に寄り添う? 社会人4年目、仕事や恋愛への意識の変化

 ゆいにしおが、3月6日に2ndアルバム『weekday』をリリースした。

ゆいにしお Major 2nd Full Album『weekday』全曲Trailer

 アラサー女性の日常や胸の内をモチーフに、等身大のメッセージをポップソングと共に発信してきた彼女が、今作のテーマに選んだのは“平日”に寄り添う音楽。仕事に忙殺されてクタクタになりがちな平日を豊かに彩ることができれば、人生をより楽しめるのではないか……平坦な日常をちょっとだけ特別に、疲れた心をリラックスさせてくれるような全11曲が収録されている。

 会社員兼ミュージシャンという2足の草鞋で活動している ゆいにしお。そんな彼女だからこそ生まれた言葉やメロディ、作品を通して伝えるメッセージを掘り下げていきたい。(編集部)

社会人4年目を迎えて考え始めた平日の模索

ゆいにしお

――メジャー1stアルバム『tasty city』は食にまつわる曲を中心に構成された1枚でしたが、今回の2ndアルバム『weekday』は、どんなテーマで制作されたのでしょう?

ゆいにしお:タイトル通り、平日がテーマのアルバムですね。とはいえ月曜から金曜の平日じゃなくて、仕事したり育児したり介護したりなどの、“お休み以外の日”の平日に寄り添う作品になったらと思って作りました。

――そのテーマに行き着くまでに、何かきっかけはありました?

ゆいにしお:最初は“もっと強くなるためのアルバム”というコンセプトで考えていたんです。というのも、2020年にリリースした2ndミニアルバム『She is Feelin' Good』は、作品のモデルになった友達がいまして。3年の時を経て、またその子のことを歌にしたいと思ったんです。新曲「TWO HANDS」のサビで〈もっと強く〉というフレーズがあるんですけど、それはその子がお守りのように読んでいた茨木のり子の詩集があって、その中の「もっと強く」という詩は、その子をそのまま表したような内容なんです。おそらく、書かれた当時は戦時中か戦後ぐらいで「欲しがりません勝つまでは」の精神が強かった時代だからこそ、「もっと欲しがっていいんだよ」と表している詩なんですね。最初に「もっと強くなるためのアルバムにしよう」と思ったのは、その詩からインスピレーションを得たからなんです。

――そこから、どうして平日がテーマになったんですか?

ゆいにしお:もっと強くなるためにはどうすればいいんだろう? ってぐるぐる考えていた時、平日って一週間の中で、かなりのウエイトを占めるなと思って。私は普段、会社員として生活をする中で、仕事をして家に帰ってそのまま力尽きて寝ちゃう日々を送っているけど、果たしてそれでいいんだろうか、と疑問に思って。土日はライブをしたり曲を作ったり、時には遊びに行ったりとか充実はしてるけど……充実した時間が7日間の中で2日間しかないのはおかしくないかと。平日がもっと豊かになれば、自己肯定感もQOLも上がるはず。みんなが平日を大事にするようになれば、強くもなるし人生が楽しくなるんじゃないかなと思って、このテーマにシフトしました。

――それは年齢的なこともあるんですかね? あとは、ある程度の社会人経験を積んだからこそ、ふと立ち止まって考えたとか。

ゆいにしお:年齢もあると思います。それに社会人歴が4年目になるってところで、わりと仕事も慣れてきたし、働きながら音楽をやるルーティンがだいぶ固まってきた。よく言えばこなれているけど、悪く言えば平坦。あまり変わり映えしないなと思って、新しい方向に平日を模索できたらと、社会人4年目を迎えて考え始めましたね。

――ちなみに、今作で初めてご一緒するアレンジャーさんも多数いらっしゃるそうですけど、どなたが初めましてなんですか?

ゆいにしお:初めてだと「yyyymmdd」でご一緒したA.G.Oさんとか、「さくら」の春野さん、「おいしい温度」のフレンズさん、「帰り道ランウェイ」のChocoholicさん、「me&cat」のMori Zentaroさんもそう。今回は新しいアレンジャーさんをたくさんお呼びしましたね。

――ゆいにしおさんのリクエストで決まったんですか。

ゆいにしお:今までお世話になってきた方にもお願いしたいし、新しい風も吹かしたいと考えていた時に、ちょうど今回ご一緒したアレンジャーさんの所属している事務所のSTYRISM INC.さんから「ウチでやってみませんか?」とお声がけいただいて。詳しくお話を聞いたら、私の好きなSIRUPとかiriさんとかのアレンジをされている方もいらっしゃったんです。春野さんも前からすごく好きだったので「ぜひ!」と言って、いいタイミングで巡り合いました。

――アレンジに関して、新しい発見や驚きはありましたか?

ゆいにしお:一番驚いたのは「さくら」ですね。レコーディングを始めようとしたら、エンジニアさんが「どのクリックを合わせても全然合わないんだよね」と仰っていて。確かに、77でも78でも合わなくて「え、どうしよう?」となっていたところに、データ名が“77.98”と書いてあって。まさかと思いつつ、BPMを77.98にしたら本当にピッタリハマったんですよ。そんな繊細なBPMが存在するんだと思って、その時はビックリしたのを覚えてますね。

――「さくら」はウエットだけどバラードではなくて、という微妙な温度感の曲ですよね。

ゆいにしお:そうなんですよ。本当に狙っていた通りの温度感だったので、形になってよかったなと思います。

――楽曲制作はどのタイミングで始めたんですか?

ゆいにしお:アルバムのリリースが決まったタイミングで書き始めたので、全曲が完全書き下ろしなんですね。一番古いのが去年の2月に書いた「me&cat」だった気がします。そこから1年弱の間に書き溜めた楽曲たちを収録しています。

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