THE BEAT GARDEN、数々のドラマや映画主題歌に選ばれる理由 シンプルに研ぎ澄まされた楽曲の強度

THE BEAT GARDENの楽曲が求められる理由

 3人組のボーカルグループ THE BEAT GARDENが、現在放送中のドラマ『アイのない恋人たち』(テレビ朝日系)の主題歌に新曲「present」を書き下ろし、注目を集めている。ドラマは、『女王の教室』や『家政婦のミタ』(以上、日本テレビ系)で知られる脚本家・遊川和彦のオリジナル作品。都内に暮らすアラサーの男女7人が、仕事やプライベート、世の価値観に翻弄されながら、不器用な恋愛模様を繰り広げる姿が描かれていくもので、メンバーのUが脚本を読んだ上で作詞を担当。作曲は3人とも交流があるシンガーソングライター、上村昌弥が手がけたミディアムテンポのバラードだ。主演を務める福士蒼汰は、楽曲について「力強さともがきを感じ、 アラサー男女の恋を描く今作にぴったりだと思います」とコメント。メロディアスで切ない曲調と、物語にリンクするような歌詞が、ドラマの余韻を一層高めている。

THE BEAT GARDEN - 「present」(Official Music Video)

 2016年にメジャーデビューしてから、これまでにさまざまなドラマのタイアップを手がけてきたTHE BEAT GARDEN。なかでも転機となったのは2022年に放映されたドラマ『六本木クラス』の挿入歌「Start Over」だろう。本作は日本でも大ヒットした韓国ドラマ『梨泰院クラス』を原作に、舞台を東京・六本木に移して製作された作品。「Start Over」は、そんな「梨泰院クラス」のメインテーマ曲「Start」を日本語歌詞にアレンジした1曲だ。

THE BEAT GARDEN - 「Start Over」(Official Music Video)

 メロディはもちろん、サビで印象的に挿入される「ウォ!」の掛け声など原曲の持つ世界観はそのままに、透明感のある編曲や3ボーカルスタイルを前面に押し出した歌唱でオリジナリティを表現。日本語詞はUが手がけており、「躓いて転んでも、手探りに前へと進んでいく物語の中で、絆や恋、涙にも似合う事が出来たらと思いながら日本語歌詞を書いていきました」と作業を振り返っている。特に恋愛的な要素についてはドラマから新たに着想した部分だそうで、〈願う全て 手に入れるよ 君の為 それが僕の夢〉〈僕の全て捧げよう〉など、力強くポジティブなワードが散りばめられている。YouTubeで公開されたMVの総再生回数はこれまでに1000万回を突破。彼らを一躍人気アーティストへと押し上げた。

THE BEAT GARDEN - 「初めて恋をするように」(Official Music Video)

 また同年には『自転車屋さんの高橋くん』のオープニングテーマとして「初めて恋をするように」を提供。本作は、内気なアラサー女子のパン子(内田理央)と、自転車屋で働くヤンキー風の青年・遼平(鈴木伸之)のピュアなラブストーリーに合わせ、優しい気持ちがあふれる爽やかなラブソングとなっている。歌詞を担当したUは、主演のふたりの撮影風景の写真を見ながら言葉を紡いでいったとのことで、ドラマの持つ雰囲気や映像との親和性を大切にするというこだわりがうかがえる。また、三者三様でありながら伸びやかで透明感のあるボーカルも、本作では特に意識した部分であったよう。飾らない恋人の姿を見てあふれる愛おしさ、そばで守ってあげたいという決意、歌詞の根本に置いたであろうテーマを歌声でも表現しようとレコーディングに臨んだことが伝わる歌声だ。本作についてヒロイン役の内田理央は「これから始まる2人の関係を見守ってくれるような、温かさを感じます」とコメントしており、ドラマのスタッフからも絶大な信頼を寄せられているのがわかる。

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