M!LKらしさに加わった“大人の色気” 横浜アリーナ成功で開けた新たな扉への手応え

M!LKらしさに加わった大人の色気

 スターダストプロモーションに所属する佐野勇斗、塩﨑太智、曽野舜太、山中柔太朗、吉田仁人からなる5人組ダンスボーカルグループ M!LKが、ニューシングル『Kiss Plan』を1月24日にリリース。何色にも染まることのできる「変幻自在」をコンセプトに、これまでもバラエティに富んだ楽曲でファンを魅了してきた彼らが今作で挑んだのは、大人の色気という新たな一面だ。昨年は全国ホールツアー、そして横浜アリーナでのワンマンライブも完遂。次なるフェーズの扉を開けた今作についてはもちろん、2月にリリースされるBlu-ray&DVD『M!LK 1st ARENA “HAPPY! HAPPY! HAPPY!”』についても話を聞いた。(山田邦子)

「新しい曲が増えるとライブの新鮮味も増す」(塩﨑)

ーー『M!LK CONCERT TOUR 2023「CHECKMATE」』から始まった2023年はどんな1年でした?

吉田仁人(以下、吉田):『CHECKMATE』の時点ですでに横浜アリーナをやることは決まってたんですが、M!LK単独で考えると横アリはこれまでで最大規模のキャパなので、『CHECKMATE』に来た人全員を横アリに連れて行かないといけないんだっていうつもりでしたね。今までももちろんそうだったけど、「さらに完成度の高いチームワークを」という気合いで福岡からスタートしました。ファイナルの東京ガーデンシアターのときは、実際にアリーナでパフォーマンスするぐらいの熱量でやろうっていうのも言ってましたね。会場の大きさによってできないところもあったけど、ジャンプアップとか、そういういろんな遊びを入れたツアーだったので、僕たちもすごい気合いで臨んだし、皆さんにもきっと楽しんでいただけたんじゃないかと思います。『CHECKMATE』ってタイトルをつけてますし、元々気合いは入ってたけど、相当熱を持って取り組めたツアーから始まった1年でしたね。

佐野勇斗(以下、佐野):今仁人も言ったけど、すでに横アリが決まってましたからね。ホールライブの集大成ぐらいの気持ちで見せたいと思ってました。これまでのM!LKって結構、ツアーの中でもちょっと波があったりしたんですよ。何か噛み合わなかったねとか、キャッチボールが気持ちズレてたねとか。もちろんどのグループもあると思うんですけど、僕らはあのツアーでそれが掴めた。そういう意味では、すごく大きな意味を成したツアーでしたよね。

佐野勇斗

ーーそのムードはファイナルのステージからもすごく伝わってきました。そしてあの時にはすでに1stアルバム『Jewel』も完成していて、あとはリリースを待つばかりという状態でしたよね。

曽野舜太(以下、曽野):『Jewel』はツアーと同時期に作ってたんだよね。

吉田:福岡〜大阪(3月末〜4月上旬)くらいのときは結構やってたかもな。そもそもめちゃくちゃ曲数があったし、録り直した曲もあったりしたから詰め詰めでね。

佐野:十数曲の歌を少ない日数で録ったりしてたので。

ーーでもメジャー1stアルバムを作れたことも、みんなに届けられたのも、この上ない喜びだったんじゃないですか。

曽野:嬉しかったですね。僕たち(=曽野と山中柔太朗)は後から入ってきたわけで。例えば、「歴史あるM!LKの曲をライブやイベントで使います。音源はこれです」っていただくのも、自分たちが存在していない音源だったんですね。それが『Jewel』(の初回限定盤B)では2023年バージョンとして形にできた。これまでもリスペクトの気持ちを込めて歌わせてもらってたんですけど、改めて歴史を振り返ることができた気がして嬉しかったし、それを届けられたことも本当に嬉しかったです。

山中柔太朗(以下、山中):これまでもそうだったけど、『Jewel』の曲、全部好きだったからな。さくらしめじの(田中)雅功と(髙田)彪我に書いてもらった曲(「コトノハ」)もあるし。思い入れの深い大事なアルバムだなって思います。

ーー新曲が増えた分、2023年はライブの構成も含めて考えることも増えたんじゃないですか?

塩﨑太智(以下、塩﨑):そうですね。でも、いつもライブの演出プランを作ってる身としては、新曲が多い方が作りやすいというか。演出家の方ともよく話しますけど、僕らはライブを回る周期が早いんですよ。他のアーティストさんだと半年くらいかけてツアーを回ることも多いから、ツアーは年に1回とか2回だと思うんですけど、僕らって3回くらいやってるんですね。となると、お客さんは同じ曲を聴く回数が多くなっちゃう。だから、新しい曲が増えるとライブの新鮮味も増すので、大変っていうよりかはありがたいなって感じですよ。

ーーアルバム『Jewel』で楽曲のバリエーションが一気に増えたからこそ、横浜アリーナのセットリスト、そして演出面も含めて充実した内容になったところもあるんじゃないかなと思いました。

吉田:始まるまでは、どうなるんだろうとかいろいろ考えることもあったんですけど、オープニングで(メンバーが入っていた)ボックスが開いた瞬間、パッと思ったのが「……めっちゃいる」っていう(笑)。すごすぎて逆に冷静、みたいな。

吉田仁人

ーーMCで、その後血圧がどうとか言ってましたね(笑)。

山中:言ってた、言ってた。

吉田:(笑)。正直リハーサルの時は「やば!」と思ってたんですよ。お客さんがいない会場の景色を見て、めっちゃ緊張が走った。「これやばいかも」と思ったんだけど、ボックスが開いた瞬間は意外と「うわー、きれい。すごー、広ー」みたいな感じで。でもやってるうちにだんだん現実味を帯びてきたというか。み!るきーず(ファンの通称)の近くに行けば行くほど、一人ひとりが推しを見ながら応援してるのが見えて、すごい熱だなっていうのを改めて感じたんです。遠くにいても5人それぞれがアイコンタクトを取ってたりして、ちゃんと同じ空気感を持ってやれたからすごく楽しかったですね。

曽野:お客さんの熱、すごかったし。

吉田:うん。トロッコで上まで行っても、一人ひとりのファンの熱を近くで感じることができて。演出もだし、ライブ自体がすごくアツかったなっていうのは思いましたね。楽しかったです、本当に。

「幸せを与えてるように見えるけど、僕らも受け取っている」(曽野)

ーー観ている方も楽しかったし、本当に最後まで惹きつけられる内容だったなと思いました。佐野さんは?

佐野:それでいうと僕は悔しくて。これは個人の感覚ですけど、自分はもっとできると思ってたというか。ちょっと過信してたのかもしれないです。『CHECKMATE』で掴んだものがあったから、横アリもとにかくがむしゃらに、そして「伝える」ことを意識して頑張ろうと思ったんですけど、ちょっとオーバーヒートしたような部分もあって。伝えるどころじゃなかった瞬間があったり、「とにかく倒れないようにしなきゃ」くらいの瞬間もあったりして、「うわ、経験値足りてないな」って、終わった瞬間めっちゃ悔しかったんです。でもお客さんからは「すごく伝わったし、良かったよ!」って声が多かったんで、何も伝わってないってことはなかったんだなと。お客さんがどう受け取るかが大事だと思うから。でも正直、個人的には悔しかったです。

ーーそれはリハーサル中に痛めた膝の話も含めてということですか。

佐野:膝ね。あれはちょっと仕方のないことだったんですけど。

ーーBlu-ray&DVD収録のドキュメント映像を拝見しましたが、すごい音がしてましたね。

佐野:してました。でも誰も聞いてないんですよ。

塩﨑:だってまさか膝の音だなんて思わないから(笑)。

山中:そうだよね。なんか自然な物音かなくらいに思うよね。

塩﨑:映像で観るとそうだったんだ! って思うけど。

ーー曽野さんが率先してアイシングやってくれてましたね。

佐野:冷やし方、雑でしたよね(笑)。

曽野:僕なりの、不器用な優しさですから(笑)。

佐野:(笑)。まぁ膝のこともありましたけど、ライブって、いい意味で抜きどころも必要なんですよ。それができてなくて。とにかくもう「伝えなきゃ、伝えなきゃ」ってなってしまった。ドームツアーとなったらもっと広いところでやらなきゃいけないのに、本当に自分はまだまだなんだなって。

ーー山中さんはどうですか?

山中:佐野さんと同じように、体力面とか細かいところはいろいろあったんですけど、総じて楽しかったし、何よりお客さんから楽しかったっていう感想をたくさん聞けて、それが一番だなって思いました。

塩﨑太智

ーー塩﨑さんが、頭から煙を出しながら頑張った演出のおかげですね。

塩﨑:……頭から煙!?

吉田:そういう例えだから(笑)。

塩﨑:あ、出まくってました(笑)。でも、今回はいつものライブよりもスパーンと決まったというか。試行錯誤はもちろんしたけど、早い段階から取りかかれたのでね。

吉田:そう。もう『CHECKMATE』終わってすぐ始まったから。

塩﨑:うん。だから、時間にも気持ちにも余裕があり、とにかく楽しいものを作ろうっていう感じで。会議も楽しく「これやりたいね」「あれやりたいね」って。できないと思ってたことも実現できたりしたので。アリーナを経験すると、今後やれることがめっちゃ増えると思うので、M!LKがもっと大きくなって、それに比例してさらに豪華なセットを組めるようにしていけるといいなと思いました。

ーーファンの皆さんの笑顔、たくさん見えたんじゃないですか。

曽野:はい。僕のソロのパートというか、「テレパシー」でアリーナを一周する演出があったんですけど、その時にみ!るきーずの顔を見まくった(笑)。ファンのみんなが一生懸命応援してくれてるのを近くで見られたし、トロッコのときも本当にもう目の前にいたじゃないですか。みんなが目をキラキラさせて手を振ってくれて、振り返したら本当に喜んでくれて。僕たちが幸せを与えてるように見えるけど、実際は僕らも幸せを受け取って元気をもらってるんだなっていうのを改めて実感しました。

Break it down(from M!LK 1st ARENA “HAPPY! HAPPY! HAPPY!”)

ーーそんな2023年を終え、2024年は「BIG LOVE YEAR」ということですが。

吉田:もうすぐ迎えるM!LK10周年をみんなでお祝いできたらいいなっていう気持ちから、じゃあまずは僕らからみんなに愛と感謝を伝えに行こうと。「BIG LOVE YEAR」と称して、『Kiss Plan』もそうだけど作品をリリースしたり、まだ行ったことのない場所や最近行けてなかった場所でのファンミーティングとか、『M!LK CONCERT TOUR 2024「HERO」』や『レンタルM!LK』を開催したり、10周年のタイミングを、みんなが幸せで、やっぱりM!LKを応援しててよかったって思ってもらえるようなことをたくさんやっていきたいなと思ってるんです。今までずっとツアーやライブをたくさんやってきたけど、学生さんとか、遠方まではなかなか来づらい方もいるじゃないですか。そういう方たちにも改めてM!LKの良さを伝えに行きたいし、M!LKに会いたいっていう気持ちを叶えられるように、いろいろ準備しているところなんです。いろんなところでM!LKのことを見ていただけるように、東奔西走していきたいなと思ってます。

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