家入レオ&加藤ミリヤ、女性としての苦悩や自分らしい生き方を語り合う 『Women In Music vol. 2』開催直前対談
「私はこれが好き!」と行動している女性は、やっぱりすごくかっこいい(家入)
ーー憧れの女性アーティストや影響を受けた方はいますか?
加藤:私がロールモデルにしているアーティストはメアリー・J. ブライジです。彼女はずっと女性をエンパワーしていて、ライブでも常に私たちを応援してくれるんですよね。今でも「彼女みたいなステージを作りたいな」と憧れています。キャリアもかなり長いアーティストで、今でも自分がダメだった時のことに向き合って歌にしたり、顔についた傷をあえてジャケット写真にしたり、彼女はありのままの姿でいるんですよね。「強く生きていかなきゃいけない」と思った時や気合い入れたい時には、すごく助けられました。特に、多感な中学生時代には、彼女のパワフルな存在が神的に感じられたのを覚えています。
彼女は、いつも「I know who I am」と答えるんです。日本語にすると「自分のことはわかってる」というニュアンスですね。この言葉が大好きなんです。私は自分のことがわからなくて歌を作り始めたので、何か迷った時にこの言葉を思い出すと、「大丈夫」と思えるんですよね。先ほどのレオさんのお話にも通じますけど、私も歌手になりたくてなったというよりも、自然な流れで今に辿り着いたと思っていて。特殊な技術を持っていると思われがちだけど、みんなそれぞれ何かを持っているので、「私はこういう人間だ」と思えることが大事かなと思います。
家入:私はアーティストだけでなく、言葉が好きなので小説家の方にも影響を受けてきたんですよね。特に江國香織さんがすごく好きで。恋にまっすぐ生きるってシンプルなように見えて、実はすごく勇気のいることだと思うんです。意中の相手に嫌われたら、という恐れや疲れもあるけれど。大人なのに恋に振り回されてるの? って、もうひとりの自分が客観的に伝えてきたり、そうすると他者の視線も意識してしまったり。でも江國香織さんは、颯爽と自然に恋のアップダウンを味わい切って生きられていて。その言葉たちが好きです。
女性が女性らしさ、とてもかわいいものを身につけたり、好きだと言うことは「同性に嫌われちゃうんじゃないか」という葛藤が少なからずあると思うんです。フリルやリボン、ピンクとか。でも、そんななかでも「私はこれが好き!」って行動している女性は、やっぱりすごくかっこいいんですよね。
みなさんが自分自身に向き合える日になったら(加藤)
ーー理想の女性像はありますか?
加藤:優しさがある人ですかね。誰かを思いやれるというのは、細かいところまで目が行き届いているということだと思うから。かっこいいなと思うのは、夏木マリさん。マリさんは、「本当は歌手になりたかったけど、売れなかったから演技を始めたのよ」と言っていたんです。でも、60歳になってから「やっぱり歌いたい!」と、また歌を始めたんです。その姿に勇気をもらう人は多いと思います。中身が素晴らしい人は、所作や身につけているものも素敵なんですよね。マリさんも常に自分が好きなものを着ていらっしゃるので、プライベートの場でも真っ赤なコートを着て現れたりするんです。そんな日々のちょっとした姿に刺激を受けていますね。尊敬する先輩が同じ世界にいると、「私もこうなれるかな?」「この人みたいになるために自分はどうすべきなのかな?」と考えるきっかけにもなりますし。結局、私もエンパワーされているのは女性なんですよね。
家入:私は、素直な人、自分の感情に正直な人がいいなと思います。『ルパン三世』の峰不二子が、「笑顔を絶やさないことがいい女じゃないの。自分に正直でいることがいい女なの」的なことを言ってて。素直に「いいな!」「素敵だな!」って思いました。これはミリヤさんにもマリさんにも、きっと当てはまりますよね。自分の感情を誤魔化さずに出すのは怖いけど、それを体現している人がいると「自分に正直になっていいんだ!」と思えるじゃないですか。みんなが素直に笑ったり泣いたりできるようになることで、性別関係なく、それぞれが人間らしく生きていけるようになるのかなと思います。
ーー今回の『Women In Music vol.2』では、オーケストラと共にパフォーマンスしていただきますが、どんなステージになりそうですか?
加藤:東京フィル・ビルボードクラシックスオーケストラさんとは初めてご一緒させていただくんですけど、一つひとつの音がオーケストラは本当に繊細なので、私の歌も繊細になっていくと思います。演奏そのものが「囁きながら歌ってみたいな」という気持ちにさせてくれたりするので、本番がどんなパフォーマンスになるかまだわからないです。でも、そこに正直に反応することで、すごいステージになるんじゃないかなと思います。CDやこれまでのライブとは全然違う歌になると思うので、私自身もすごく楽しみにしています。
家入:大人になると毎日に慣れてしまうことが多いですし、オーケストラの方とステージを作り上げるという貴重な場をいただけることが、まず幸せだなと思います。お客さん側も、「もうすぐでライブだ!」と楽しみにしてくださっているので、自分の緊張とみなさんの非日常に対するワクワクが比例していると思いながら、そこに身を任せて歌いたいと思います。
加藤:うんうん。みなさんが自分自身に向き合える日になったらいいなと思っています。ライブなので、シンプルに「楽しかった!」と思ってもらえることは大事です。でもそれだけじゃなくて、私やレオさんの言葉や歌のどこかが心に残って、「なんでこの部分が残ったんだろう?」と考えてくれたら、それが自分に向き合うことになると思うんですよ。
きっと当日は元気な人、モヤモヤを抱えている人、前日に最悪なことがあってから来る人、いろんな人がいると思います。それでも、みんなが「これからも楽しく生きていこう」とか「いい一年になりそう」と前向きになれたり、何か気づきを得られたりできたらいいなと思います。
家入:今は世のなかに情報が溢れかえってて、スマホを開けば音楽もすぐに聴ける時代だからこそ、生音を聴いて五感で楽しめるのがライブのよさだと思います。私とミリヤさんから発せられるメロディや言葉から感じたものを、みなさんの未来を明るくする糧にしてもらえたら嬉しいですね。
ーーイベント当日が本当に楽しみですよね。
家入:実際にこうやってお話しをさせていただいて、ミリヤさんはやっぱり魅力的な方だなあと思いました。当日がすごく楽しみです。
加藤:当日が楽しみですよね。素敵な出会いをありがとうございます!
『Billboard JAPAN Women In Music vol.2』チケット プレゼント
『Billboard JAPAN Women In Music vol.2』のチケットを5組10名様にプレゼント。応募要項は以下の通り。■応募方法
リアルサウンド公式X(旧Twitter)をフォロー、本記事の投稿または応募投稿をリポストしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。
※非公開アカウント、DMを解放していないアカウントからの応募は抽選対象外となりますのでご注意ください。
※当選後、代表者氏名をお教えいただける方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントのお渡し以外には使用いたしません。
※当選者の方には、2月2日(金)までにDMにてご連絡いたします。
※当選者の方のみ、当日の入場方法をDMにてお伝えいたします。
※当該プレゼントは、応募者が第三者へ譲渡しないことが応募・当選の条件となります。
<締切:1月31日(水)>
■イベント情報
『Billboard JAPAN Women In Music vol.2』
2024年2月8日(木)OPEN 18:00/START 19:00
TOKYO DOME CITY HALL
出演:家入レオ、加藤ミリヤ(※五十音順)
指揮:齋藤友香理
管弦楽:東京フィル・ビルボードクラシックスオーケストラ
<チケット>
S席10,500円(税込)/A席9,000円(税込)
※小学生以上チケット必要 ※未就学児入場不可
・チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/womeninmusic2/
・ローソンチケット:https://l-tike.com/billboard-wim/
・イープラス:https://eplus.jp/womeninmusic/
Women In Music 特集ページ:https://www.billboard-japan.com/wim/
Billboard JAPAN:https://www.billboard-japan.com/