King Gnu、BUMP OF CHICKEN、SEKAI NO OWARI……2024年はバンドによるドーム&アリーナツアーに期待
2023年の音楽シーンにおける大きなトピックスの一つと言えば、ライブカルチャーの復活だった。新型コロナウイルスの影響で余儀なく収容人数や声出しを制限してきた数年を経て、昨年からようやくフルキャパシティの会場使用かつ歓声も認められるようなライブが可能になった。そして今年はバンドたちによるアリーナツアーやドームツアーが本格的に復活する。本稿では、現在発表されている主な公演を紹介していきたい。
King Gnuは1月13日より初の5大ドームツアー『THE GREATEST UNKNOWN』を開催中だ。2017年、活動初期のインタビューにて常田大希(Vo/Gt)は「群れがどんどんデカくなっていく動物のヌーをイメージしてKing Gnuという名前を付けたので、老若男女を巻き込んで活動していきたい」と語っていた(※1)。2022年の東京ドーム公演、2023年のスタジアム公演を経て、着実に増え続けているリスナーの“大群”をドームで迎え打つ今回のツアーは間違いなく活動の節目だろう。また「大合唱が起こるバンドにはなりたい」とも常田は語っており(※2)、公演を通じて今年このツアーを開催できた必然性を強く感じられるはずだ。
ドームツアーで言えば、QUEEN + ADAM LAMBERTが名古屋、大阪、札幌、東京の4都市で『QUEEN + ADAM LAMBERT -THE RHAPSODY TOUR-』を開催予定である。これは彼らにとって、日本公演史上歴代最大級の規模でのツアーだ。海外のロックバンドが国内でドームツアーを行うこと自体がレアケース(2003年にBON JOVIが5大ドームツアーを開催)だが、昨年末の『NHK紅白歌合戦』を観てあの圧倒的なパフォーマンスを体感したいと思った人は多いはずだ。また彼らは合唱が映える楽曲も多く、2024年の重要なツアーとして語られるだろう。さらに札幌公演にはスペシャルゲストとしてGLAYが出演予定。特別な夜になるに違いない。
アリーナツアーの開催もすでに多く発表されている。BUMP OF CHICKENは2月から4月にかけて『BUMP OF CHICKEN TOUR ホームシック衛星2024』を開催する。2008年に開催された5thアルバム『orbital period』を携えたツアーと同タイトルであることも、話題を呼んでいる。“orbital period”は公転周期を意味する天文学用語で、生誕の年と28歳になる年が365日同じ曜日になるという法則を示す。BUMP OF CHICKENのメンバーが28歳になる年にリリースされた『orbital period』はそんな周期への“特別な気持ち”が刻まれている(※3)。そして2024年はバンド結成28周年にあたる年であり、今回のツアーは『orbital period』とは全く無関係でないだろう。その当時、BUMP OF CHICKENを知らなかったリスナーも彼らの紡ぐ物語を体感できるようなライブに期待がかかる。