Mrs. GREEN APPLE、アルバム『ANTENNA』がチャート再浮上 『紅白』でも見せた飛躍を予感させる“圧”
そういうわけで、昨年7月にリリースされたミセスの5thアルバム『ANTENNA』がこのタイミングで再度チャートに浮上していることにはどこか納得してしまう。活動休止を経て2022年に「フェーズ2」を掲げて復活して以来、破竹の勢いで突き進むミセスのあきらかに一皮むけた楽曲が詰まっている1作だ。
際限なく折り重なるリフとメロディで彩られた仰々しいほどのキャッチーさと、それに説得力をもたせるだけのパフォーマンスがミセスの魅力だが、アルバムではそんな過剰さを際立たせるダイナミックな展開の工夫にも耳を傾けたいところだ。
もはやシグネチャーと言っていいバッサリとした音の抜き差しやスタッターエディットはシンプルながら毎度効果は絶大で、骨太のメロディと技巧的なアレンジと相性が良い。『レコ大』の受賞曲だった「ケセラセラ」にもそんなバンドらしさはあらわれているけれど、個人的には「Magic」を推したい。「それはもうやりすぎでは?」と思ってしまうところまでやりきるためらいのないアレンジが、極彩色の世界を嫌味なく表現しきっているのが頼もしい。『紅白』で披露した「ダンスホール」を収録した2022年のミニアルバム『Unity』とあわせて、振り返っておきたい一枚だ。
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