King Gnu、米津玄師、Perfume……NYタイムズスクエア広告に登場したアーティストの共通点

 アメリカ・ニューヨークのタイムズスクエアは“世界の交差点”とも呼ばれ、さまざまな広告にあふれている。

 そんなタイムズスクエアに、King Gnuを起用したSpotifyの広告が登場した。縦60メートルに及ぶ巨大なデジタルサイネージで、最上部にはバンドのアーティスト写真、中間部には大きく「King Gnu」と描かれている。遠くからでも写真や文字が読み取れる、かなりインパクトのある広告だ。下部には最新アルバムを紹介する「THE NEW ALBUM THE GREATEST UNKNOWN」の文言が記載されている。広告は現地時間の12月14日まで掲出された。

 King Gnuといえば、TVアニメ『呪術廻戦』第2期「渋谷事変」のオープニングテーマである「SPECIALZ」が、アメリカでも人気を集めている。Billboard Japan が12月14日に公開したJapan Songs(国別チャート)では、アメリカで「SPECIALZ」が1位を獲得した。タイムズスクエアの巨大広告、ランキング首位という結果も含めて、King Gnuの名前が国外にも広がっていることが感じられる。

 タイムズスクエアの広告に日本のアーティストが起用された例は、King Gnuだけではない。昨年の11月17日~19日には、米津玄師が同じくSpotifyの広告で登場している。

 広告が展開される約1カ月前の10月12日、米津はTVアニメ『チェンソーマン』のオープニングテーマ「KICK BACK」を配信リリース。配信後わずか1カ月で、グローバル合計1億回再生を突破する人気ぶりを示した。アメリカでも『チェンソーマン』のアニメ放送は大きく話題になっており、「KICK BACK」を使用した二次創作もSNS上にあふれた。米津の楽曲が、世界にもしっかり届いている証拠と言えるだろう。

 掲出された広告には、米津自身が手掛けた「KICK BACK」のジャケット、アーティスト写真、「KENSHI YONEZU」「THE NEW SINGLE KICK BACK」の文字が映し出されていた。当時、米津もSNSで「New York Thank you」と感謝の気持ちを綴っていた。また、同時期にニューヨークではアニメの祭典『Anime NYC』が開催され、会場内ビジョンや近くのデジタルサイネージでも「KICK BACK」のMV映像が放映された。まさに、米津がニューヨークの街をジャックする形になっていた。

 2020年9月には、Amazon Musicの巨大広告にPerfumeが登場している。Perfumeはジャスティン・ビーバーやエイバ・マックスとともに起用され、タイムズスクエアのAmazon Music広告に掲載された初の日本人アーティストとなった。また、2022年9月にもSpotifyのグローバルプログラム「EQUAL」マンスリー・アーティストに選出され、タイムズスクエアに登場している。

 Perfumeといえば2012年より海外ツアーを行い、今年6月にもロンドンで単独ライブを成功させるなど、かねてより海外での活動に積極的なイメージがある。YouTubeで公開されているMVのコメント欄を覗くと、海外言語のコメントも多数見受けられ、彼女たちの楽曲が世界にも広く届いていることが分かるだろう。

 Amazon Musicの広告も、26thシングル『Time Warp』のリリースを記念したグローバルキャンペーンの一環で行われたものである。表題曲「Time Warp」はグループ結成20周年、メジャーデビュー15周年の節目にリリースされた楽曲。記念すべき年に、ニューヨークの街に現れた3人の姿を見て、嬉しく思ったファンも多かったのではないだろうか。

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