22/7(ナナブンノニジュウニ)、『旅人算』を通じて見据える未来 後輩メンバーの大きな成長も

『旅人算』は過去とこれからとが混ざっているアルバム

――では2ndアルバム『旅人算』について伺います。麻丘さんと椎名さんにとっては初のアルバムになりますね。

麻丘:どのアーティストの方にとっても、アルバムってすごく大きなものだと思いますし、自分がそれに参加できるのはすごくありがたいです。今回のアルバムでは9枚目シングル『曇り空の向こうは晴れている』以降の作品に参加していますが、自分たちが積み重ねてきた曲をこうしてまとめて世に出せるのが嬉しいですね。

椎名:私たち後輩メンバーが入る前のシングル曲「覚醒」も入っていて、私たちが加入した「曇り空の向こうは晴れている」が最後の曲として流れる構成になっています。ジャケットのイラストは(後輩メンバー加入時の)14人が揃っていて、これまでの出会いや別れも感じられる、いろいろなものがギュッと詰まったアルバムになっていると思います。

――後輩メンバー加入前後の楽曲が混在する構成の本作、西條さんはいかがですか?

西條:最初のアルバム『11という名の永遠の素数』(2021年)は、私の中では“思い出ボックス”。みんな11人のことが大好きだけど、各々が前に進まなきゃいけない。でも忘れたくないからギュッと詰めて置いておこうというイメージでした。今回は後輩メンバーが入ってきてからの曲が多くて、曲だけ見てもグループの雰囲気が変わったなとは思うんですけど、今現在のナナニジを象徴する曲も以前からのナナニジらしいものもちゃんと入っていて、過去とこれからとがいい感じに混ざっているアルバムだと思います。

――シングル『覚醒』収録の楽曲は、当時のメンバーの卒業などリリース時点で託されていた意味合いも強かったと思います。

西條:当時は正直、「『いつの間にSunrise』はもう披露できないよね」ってメンバー同士で言ってたりもしたんです。卒業したメンバーの歌割りを、もし私たち先輩メンバーが引き継いでいたらまた違ったと思うんですけど、後輩メンバーが入ってきてそこを埋めてくれたのがすごく頼もしくて。「覚醒」も、後輩メンバーのみんなが入ってきてくれるまでは1人でパートを歌っていた時期もあったんですけど、望月りのちゃんと2人で歌えることになって心強かったです。この子たちがいるからもっと頑張らなきゃと、背中を押してもらえました。

麻丘:昨年、初めて「いつの間にSunrise」披露の時、正直怖さもあったんですけど、後輩メンバーだけで定期公演を経験したりする中で、ちゃんと自分たちの曲だという意識を持てるようになりました。「Just here and now」は、今年卒業した(白沢)かなえさんから曲中の台詞を引き継いだんですけど、(決まった時に)すぐにかなえさんに連絡して、「頑張ってね」と言ってもらって。ちょっとだけアドバイスもいただいて、ちゃんと曲を引き継げたんじゃないかなと思います。

「君とどれくらい会わずにいられるか?」は主人公が爽やか

――新曲2曲も、先日の『ANNIVERSARY LIVE 2023』のアンコールで披露されました。まず、「君とどれくらい会わずにいられるか?」についての印象は?

君とどれくらい会わずにいられるか? -「22/7 ANNIVERSARY LIVE 2023」(2023.11.7)

西條:ナナニジの表題曲、リード曲といえば「ムズイ」や「僕は存在していなかった」のようなイメージがあったので、仮歌でもらった時は自分たちが歌っているのがあまり想像つかなくて。でも、レコーディングして、実際メンバーの声で聴くとこんなに綺麗でかわいい曲なんだなと、すごく好きになりました。歌い出しがこの2人(麻丘、椎名)なので2人の空気感もあって、ナナニジがまた一歩、これまでとは少し違うところに行けたなと感じさせてくれます。

椎名:ナナニジのシングル曲、リード曲の主人公って、ずっと同じ人物のような感じがしていて、「曇り空の向こうは晴れている」「神様だって決められない」などのイメージでいたので、最初に聴いた時はびっくりしましたね。イントロの時点で「ワーオ!」ってなって一回、曲を止めました(笑)。ナナニジの歌詞に〈ロミオとジュリエット〉が出てくると思っていなかったんですけど、今回の衣装とも合うし、本当に屈託なく笑顔でパフォーマンスできる曲ですね。これまでの振り返りも含めてナナニジのいろんな一面が見られる今回のアルバムに、この曲が入っていることにすごく意味があるんじゃないかなと思います。

麻丘:まず曲単体として、めちゃめちゃ好きな曲調とテンポ感で、この曲を歌えることがすごく嬉しかったですね。「めっちゃ好き!」って、ずっと椎名に言ってたんですけど。

椎名:聞かされてました(笑)。「めっちゃ好き、めっちゃ好き、めっちゃ好き!」って。

麻丘:すごく可愛らしい曲なんですけどあざとくないというか、主人公が爽やかなんですよ。いろんなアイドルさんが可愛い曲を持っていると思うんですけど、“ナナニジの可愛い曲”っていう感じがするので、私はすぐにしっくりきました。メンバーみんなの声で聴くとより透明感が出て、こういう可愛らしさもナナニジは持ってるんだなって感じさせてくれる曲です。ナナニジの主人公という意味では、確かに結構違う人格ですね。すごく活発ですし。

椎名:私、2番の歌詞で、相手の子に怒られるのが好きすぎて(笑)。

――確かに怒られるようなことをしてますよね(笑)。

椎名:相手に連絡しないのも、人の家の窓に石を当てるのもやってはいけないですよね。それは怒ります(笑)。しかも、自分でやってることなのに、これ以上会わずにいたら世界が終わってしまう、って。

麻丘:ちょっと空回ってる主人公だよね(笑)。

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