Mrs. GREEN APPLE、スピッツ、井上陽水……Kitriが語る、ピアノ連弾で再構築した時を超える名曲の魅力
「絶対音源化してほしい」と言われたビートたけしの名曲
ーー「シーラカンスと僕」は、サカナクションが2010年にリリースした『kikUUiki』収録曲です。
Hina:サカナクションさんは、いろんな機材や電子楽器を駆使しているのがめちゃくちゃかっこいいし、私たちにないものを持っているので、自分たちがカバーしたらどうなるだろう?という興味もすごくありました。この曲はMonaが選んでくれて、アレンジを聴かせてもらった時に、別の「深海」に潜ったような気分になったので、早くレコーディングしたいなと思っていました。
ーーフラワーカンパニーズの「深夜高速」も人気曲です。
Mona:たくさんの方がカバーされていますよね。私たちのカバーでは当初アコギを導入して、もう少しテンポの速い楽曲だったのですが、このシンプルで真っ直ぐ心に飛び込んでくる歌詞やメロディをより際立たせるために、音数を削ぎ落として「ピアノと歌のバラード」に仕上げました。
Hina:「深夜高速」は、私たちにとってもすごく大事な曲。ライブでも何度も演奏させていただき、ファンのみなさんからも「深夜高速」がすごくいい! と言っていただくことも多くて。きっと、〈生きててよかった〉というサビのリフレインが心にまっすぐ届いてくるのでしょうね。いろんな歌い方で、いろんな〈生きててよかった〉があるんだなと再認識し、それがKitriアレンジになり、みなさんに伝えられているのかなと思うと感慨深いものがあります。
ーーたまの「パルテノン銀座通り」も、なかなか渋い選曲ですね。
Mona:たまは「電車かもしれない」という曲がもともと好きでした。「パルテノン銀座通り」は私たちが聴いてこなかった「たま」というか。明るく見えて、ちょっと暗さもある不思議な曲調で。何回読んでも分からない歌詞がまた引き込まれます。
Hina:ライブでも披露させてもらったことがあるのですが、その時に参加してくださった羊毛(羊毛とおはな)さんが、音源でもギターを弾いてくれました。アルバムで唯一のギター参加曲です。
ーーアルバムの最後は、ビートたけしさんが歌う「TAKESHIの、たかをくくろうか」です。この曲は、作詞が谷川俊太郎さん、作曲が坂本龍一さんという豪華メンツです。
Mona:この曲で歌われているのは、今の時代にこそ必要な「のどかさ」というか。「たかをくくろう」は諦めのようにも聴こえるし、「明日のことはまた明日に考えればいいじゃん」というポジティブなメッセージのようでもあって。アルバムの最後に絶対に入れたいなと。ファンのみなさんからも「絶対音源化してほしい」と言われていたので、リクエストにお応えしました(笑)。
坂本龍一さんは、ピアノを演奏している多くの方々が影響を受けたアーティストの一人だと思いますし、新しい音楽を提示し続けてくれた方だったと思っています。すごく勝手な気持ちではあるのですが、坂本さんが音楽の可能性を未来に伝えていかれたように、私たちも創作活動に真摯に向き合ってよい作品を作っていきたいと今回の機会を通して思いました。
Hina:私はもともと谷川俊太郎さんの詩がすごく好きだったので、この曲をスタッフさんに教えてもらい、「こんな曲も書いていたのか」と驚きました。谷川さんの詩は、いつもシンプルに当たり前のことを書いているようで、すごく深さを感じさせる。この曲はメロディもそうですし、歌詞もストンと心に落ちてくるような、そんな曲だなと。カバーさせてもらえて本当に良かったと思っています。
ーーアルバムが完成し、今はどのような心境ですか?
Mona:歌詞、アレンジ、楽曲の構成など「こんな考え方もあるのか!」といつも驚かされますし、必ず何かしらの発見がありますね。カバーをする作業は、もちろん楽しくもありつつ、すごく勇気が要るというか。人が作った大事な作品を自分たち流にアレンジしていくわけですから、心して取り組まなければといつも思っていますし、アルバムができた時には山を登りきったような達成感がありますね。
Hina:それに、カバー曲をやることで今までのKitriのファンのみなさんに喜んでもらえたら嬉しいですし、今までKitriのことを知らなかった方が「この曲をカバーしている人がいる!」というふうに認識してくださったら嬉しいです。
ーー今後のKitriはどんな活動をしていきます?
Mona:今年はジャンルを問わずに楽曲を色々と作らせていただいた充実した年でした。発表したもの以外にもまだ未発表の曲はあるのですが、これまでのKitriとは少しイメージが違うものもあるので、それをみなさんに届けていきたい。期待して待っていていただければと思います。
Hina:これまでは『キトリの音楽会』というアコースティックを中心としたライブをやらせていただいたのですが、今年は『Blanc Noir』という新しいライブシリーズをスタートしました。このライブはアコースティックの演奏会とデジタルサウンドを取り入れた演奏会の2パターンを分けて行うというものだったのですが、新しい私たちの姿を見せることができたと思っていて。来年もこういった挑戦的なライブを行っていくことで、進化したKitriの演奏をどんどん届けていきたいです。
■リリース情報
『Re:cover 2in1』
2023年11月15日(水)配信リリース
https://kitri.lnk.to/recover2in1
<収録曲>
1,「そして僕は途方に暮れる」(大沢誉志幸)
2,「BABY BABY」(銀杏BOYZ)
3,「僕のこと」(Mrs. GREEN APPLE)
4,「虹」(菅田将暉)
5,「あじさい通り」(スピッツ)
6,「水色」(UA)
7,「オトナブルー」(新しい学校のリーダーズ)
8,「嵐の素顔」(工藤静香)
9,「アン・ドゥ・トロワ」(キャンディーズ)
10,「Make-up Shadow」(井上陽水)
11,「異邦人」(久保田早紀)
12,「シーラカンスと僕」(サカナクション)
13,「深夜高速」(フラワーカンパニーズ)
14,「パルテノン銀座通り」(たま)
15,「TAKESHIの、たかをくくろうか」(ビートたけし)
■ライブ情報
『Kitri Live Tour 2024 AW “Blanc Noir” #2』
<福岡公演>
日程:2024年1月20日(土)
“Hybrid”
開場:14:30/開演:15:00
料金:¥5,500(税込)+ワンドリンク
”After party”
開場:17:30/開演:18:00
料金:¥3,500(税込)+ワンドリンク
会場:福岡・border live music&drink
https://border-live.com
住所:福岡県福岡市中央区警固1-15-38カイタックスクエアガーデンウェストサイド3F
問合せ:070-5270-3973
<愛知公演>
2024年1月27日(土)
“Hybrid”
開場:14:30/開演:15:00
料金:5,500円(税込)+ワンドリンク
“After party”
開場:17:30/開演:18:00
料金:¥3,500(税込)+ワンドリンク
会場:愛知・Lion Theater
https://www.lion-theater.com
住所:愛知県名古屋市中区栄1-22-2ライオンズ名古屋ビル地下
問合せ:050-3580-5869
cultra.japan@gmail.com
<チケット>
FC先行:2023年11月15日(水)~11月30日(木)
https://kitri.bitfan.id/
一般発売:2023年12月1日(金)10時~
福岡公演”Hybrid”:https://t.livepocket.jp/p/unionsoda
福岡公演”After party”:https://t.livepocket.jp/p/unionsoda
名古屋公演”Hybrid”:https://peatix.com/event/3751428/view
名古屋公演”After party”:https://peatix.com/event/3751455/view
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