SG、“Music has no borders.”を掲げて新しいスタートへ 歌に向き合うパーソナルな想いも届けたショーケースライブ
日韓ハーフのシンガーソングライター・SG。彼は、3月の初ライブ『SG 1st Concert “FINALE” #SGproject』の場で、LDH Recordsとタッグを組み、自主レーベル SUPERGENIUS Entertainmentを設立することを発表した。それから約半年後の10月6日、メディア関係者向けに開催されたショーケースライブの場で、11月13日に移籍後初となる配信シングル「Palette」をリリースすること、そして、それをもってSGは新しいスタートを切ることが伝えられた。今回は、彼の新章開幕を告げる場となったショーケースライブの模様を振り返っていく。
開始時間を少し過ぎたタイミングで会場が暗転。そして、スクリーンにSGへのインタビュー映像が映し出された。インタビュアー(および、今回のイベント全体の構成)を務めるのは、放送作家のオークラで、彼はSGのパーソナリティに迫る質問を次々と投げかけていく。LDH Recordsからデビューする意味について問われたSGは、「チームに恵まれた」「音楽に対しての愛を感じた」と答える。また、プロになったきっかけや、カラオケでよく歌う曲(SGは、EXILEの「道」「Lovers Again」、X JAPANの「紅」などを挙げていた)などの質疑応答を経て、活動のコンセプトについて、「人生観、物語を曲にして共感してもらう」と答えた。また、日韓のハーフであることについては、「(日韓の架け橋として)僕にしかできないことを模索したい」と答えていて、その言葉はまさに、彼が掲げる「“Music has no borders.” ―音楽には国境がないことを証明する」というテーマに通じるものであった。
ここから、最初のライブパートへ。1曲目は、2021年4月のリリース以降、令和の卒業ソングとして広く定着しつつある「僕らまた」だった。別れの切なさが滲む美しいメロディを、バンドメンバーと息を合わせながら高らかに歌い上げ、見事に会場全体を晴れやかなフィーリングで包んでみせた。一転、2曲目「ひとくちのキス」では、2名のダンサーを迎え入れ、ピンク&パープルのライティングを受けながら艶やかでセクシーな歌声で魅せていく。続く3曲目は、J-POPの王道を更新するような快活なポップナンバー「君に会いたいと願ったって」。冒頭から三者三様のライブパフォーマンスを通して、SGのジャンルレスな才能を堂々と打ち出してみせた。
ここで、MC USKをステージに迎えてトークコーナーへ。今の率直な気持ちを問われたSGは、緊張していることを明かしながらも、この日のために万全のコンディションを整えてきたことを伝えた。そして話題は、次に披露する楽曲が作られた経緯へ。昨年、還暦を迎えた親に何も親孝行できていないと感じたSGは、久々に韓国に会いに行って車をプレゼントした。彼はその時、恩返しができて感無量のあまり、幸せすぎて死んでもいいと感じたという。そして、その想いを形にした「死んでもいいや feat. 竹中雄大」をライブ披露。キーボードの伴奏に合わせて届けられる歌声は強靭さと儚さの両方を感じさせるもので、時おり挟まれる圧巻のロングトーンと美麗なファルセットにも強く胸を打たれた。