K-POPアイドルはなぜ制服を着るのか? 日本・韓国の文化的背景から考察する“制服コンセプト”が定番化した理由

 日本のアイドルのコンセプトとしては定番で、韓国のアイドル=K-POPの世界でもよく見かけるコンセプトに“制服”がある。最近だけでもNewJeans「Ditto」、aespa「Spicy」、NMIXX「Roller Coaster」、STAYC「Teddy Bear」などが挙げられるだろう。制服コンセプトが扱われる理由を日本、韓国の文化的背景から考察してみた。

 K-POPアイドルの世界では“制服コンセプト” はいっときの流行りではない。むしろ、90年代から連綿と続く伝統のような定番中の定番で、制服コンセプトをやったことのないアイドルの方が珍しいと言っても過言ではないかもしれない。BTSもデビュー初期は「学校三部作」を謳って制服のような衣装を着ていた時期があるし、BLACKPINKも「AS IF IT'S YOUR LAST」ではギャル制服のようなテイストで決めていた。

BLACKPINK - '마지막처럼 (AS IF IT'S YOUR LAST)' M/V

 K-POPの世界で“制服コンセプト”が多用される理由はいくつかあるが、まず第一に韓国でも“制服”がティーンの象徴であること。特に10代のメンバーが多いグループでは若さやフレッシュさのアピールや、ファンになってくれるであろう制服をリアルに着ている年齢層に向けての共感や同世代感覚を感じさせる装置としての、“制服”ということだ。10代にとっては制服は正装にもなるものであり、男女問わず“清純さ・清廉さの演出”というのもあるだろう。

[NCT DREAM - My First and Last] KPOP TV Show | M COUNTDOWN 170223 EP.512
여자친구 GFRIEND - 시간을 달려서(ROUGH) M/V

 また、グループならではの統一感を出しやすいと同時に、特に大人数では同じ制服でもそれぞれが着こなしをアレンジすることで、むしろ個人のオリジナリティを出しやすいというメリットもあるだろう。

[M/V] SEVENTEEN(세븐틴) - 만세(MANSAE)

 人数が多い中で統一感と個性を出しやすいという意味では、2010年代半ば以降は、一世を風靡したデビューサバイバル番組『PRODUCE』シリーズの影響で、制服コンセプトがよく見られた時代もあった。

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