WENDYは自らのスタイルを貫いていく メジャーデビュー後初のワンマンライブで示す“音楽”という居場所

 周りに流されず、自分のスタイルを貫くのは勇気がいることだ。1970~80年代のルーツロックやハードロックを基盤とした楽曲を手掛ける平均年齢18.5歳の4人組バンド・WENDYは、今の日本のロックシーンでは独特な存在感を放つ。8月25日に東京・渋谷CLUB QUATTROで行われたワンマンライブ『Don't waste my YOUTH』は、誇りを持って音楽を届けるWENDYの真っ直ぐな姿勢に惹き込まれた夜だった。

Paul(Gt)

 2020年に結成した彼らは、コロナ禍でも積極的にライブ活動を行い、これまでに2度のワンマンライブを開催。2022年以降は『SUMMER SONIC 2022』『METROCK 2023』といった大型フェスにも出演を果たした。8月23日にはメジャー1stアルバム『Don't waste my YOUTH』をリリース。本ライブは、彼らにとってメジャーデビュー後初のワンマンライブでもある。

 暗転したステージに、まずPaul(Gt)、Johnny Vincent(Ba)、Sena(Dr)が登場。少し後にSkye McKenzie(Vo/Gt)が颯爽と現れ、アルバム1曲目に収録された「SCREAM」でライブをスタートした。フロアに笑顔を向けながら堂々とした佇まいで歌唱するSkyeは、すでにロックスターの風格を漂わせている。ハンドマイクで左右に動き回りながら観客を煽り、会場の熱を高めていく。

 Senaの力強いドラムを合図に始まったのは、彼らのデビューシングル曲でもある「Rock n Roll is Back」。この曲に限らず、WENDYの楽曲はすべて英語詞だ。例えるなら、Queenの「We Will Rock You」を想起させるような洋楽ロックサウンド。加えて彼らの洗練されたパフォーマンスを見ていると、ここが日本で、今が令和であることを忘れてしまうような不思議な感覚に陥る。WENDYのライブには、そんな確固とした世界観があるのだ。演奏しているメンバーがまだ18歳~20歳という若さなのも興味深い。

Skye McKenzie(Vo/Gt)

 3曲目の「Can't stop being BAD」を終えると、ここまでハンドマイクだったSkyeがギターを構え、続けて「Addicted」を披露。そこから、Paul、Johnny、Senaによるセッションが続く。Senaのダイナミックなドラムプレイに、Paulの歪んだギター、Johnnyの重厚感のあるベースが折り重なり、一気にクレッシェンドした先でリズムが8分の6拍子へと変化。流れるように「2 beautiful 4 luv」へと突入し、曲間も飽きさせない工夫が見られたパートだった。

 MCでは「皆さん、楽しんでますか?」「アルバム聴きました?」とフロアとコミュニケーションを取りつつ、メンバーの自己紹介タイムへ。「SkyeとPaulとJohnnyでWENDYです!」という言葉に、Senaが「忘れてるぞ!」とツッコミを入れ、無邪気なやり取りからはメンバーの仲睦まじい様子が伝わってくる。会場が和やかなムードに包まれたところで、「知っていると思うので歌ってください!」と披露されたのは「Devil's Kiss」。「Put your hands up!」の掛け声にあわせて一斉にフロアの手が挙がり、サビでは大きく飛び跳ねながら盛り上がりを見せた。

関連記事