WOLF HOWL HARMONYデビュー曲「Sweet Rain」がバイラルチャートイン グループの名刺代わりにふさわしい一曲に

WOLF HOWL HARMONY / 'Sweet Rain' Music Video

 雨の滴りのようなギターの爪弾きと艶やかな歌声から始まるこの楽曲。ブレスの音さえ聞こえるような繊細なボーカルワークからは、涙雨のような切ない印象を受ける。この微妙なニュアンスを表現できるボーカルスキルは、さすがの一言である。そして、この雨は楽曲が展開するにつれて様子が変わってくる。ビートが入るとともにイメージは、霧のように細かい小糠雨から、どっと降り出す驟雨へ。この空模様の変化は歌詞にもあらわれており〈君色 Sweet Rain 優しく降り続いて〉と優しく降りそそいでいた雨も、曲が進行するに連れて〈愛しさの雨に打たれ〉と打ちつける雨に変化する。また、この空模様の変化と並行し、登場するふたりの関係にも変化が見て取れる。〈くるくると回る Wasted Youth 相合傘に〉や〈ビニール傘の雫にKissは隠して〉のようなラインから浮かび上がるように、傘や雨をモチーフにしながら葛藤や後悔の想いがまるで独り言のように語られるが、最後には〈走り出す二人にもう傘はいらない〉と葛藤や後悔の象徴でもあった傘を投げ捨て、雨をものともせず二人で走り出すわけである。天気模様の変化と心情の変化を効果的にリンクさせ、最後にはさり気なく未来への明るい兆しまで示唆する素晴らしい歌詞ではないだろうか。

 「人生のストーリが重なり合い、哀愁のある一匹狼の遠吠えのようなメンバーが運命的に集まった」ことから名づけられたWOLF HOWL HARMONY。グループから醸し出される“哀愁”は「Sweet Rain」からもにじみ出ており、WOLF HOWL HARMONYの雰囲気を詰め込んだ名刺代わりの一曲として、ふさわしいデビュー曲である。

※1:https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2023-09-06

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