女王蜂、フレデリック、キュウソネコカミ……ライブハウス Mersey Beatが育んだ、神戸バンドの個性
Mersey Beatから巣立ち獲得した大衆性
だがこの“クセ”だけでは、広いリスナーからは受け入れられないのも事実。現に、これらのバンドはMersey Beatから離れてから大衆の人気を得ていったことを忘れてはいけない。
例えばフレデリック。彼らも「オドループ」のヒット以前も関西では注目されるバンドではあったが、そこまでポップなバンドではなかった。それは「峠の幽霊」「SPAM生活」を聴けばわかる。今のようにユーモアを効かせた節回しではあるが、踊れるビートではなかった。だが「オドループ」以降“踊れる”という点に着眼し、「リリリピート」や「ジャンキー」などスピード感とグルーヴを感じる音楽へと変化した。
Mersey Beatは己の尖りを磨く場所であった。だがそれだけではインパクトはあっても、人気を獲得するのは難しい。大衆性にも目を向け、研鑽を続けたからこそ、フレデリックも、女王蜂も、キュウソネコカミも今の姿があるのだ。
※1、2:https://antenna-mag.com/post-66420/
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