稲垣吾郎・草彅剛・香取慎吾、テレビ番組でも活躍した2023年夏 出川哲朗とのトークから改めて感じた好きなことを貫く大切さ

 一部の大きな声によって、抗いようのない流れが生み出される。出川が「嫌いな男ランキング1位」なんて言われていた頃も、もしかしたら今のネットでの反響のように、そういう声が大きかっただけかもしれない。しかし、その影響でロケができないほど街なかで絡まれることも日常茶飯事だったと言い、あまりのひどさに香取が「許せねえよ。そいつら、一人ひとり俺がしばいてやる!」と憤慨したほどだったそうだ。

 それが現在では、すっかり好感度タレントへ。ずっと夢だった冠番組も叶ったというのだから、世間とはまったくわからないものだ。なぜ、180度も異なる状況になったのか。出川自身もその理由についてはわからないとしたうえで、「たぶん自分の好きなこと、これだと思ったことをずーっとブレないでやり続けてたら、それが20年、30年経って、見てた人たちが“ひょっとしたらこいつ馬鹿だけど、いつも一生懸命やってるんだな”、“ちょっとは応援してやるか”みたいな感じになってくれたのかもしれませんね」と続けた。

 「本当にやさしいんですよ、出川さん。本当にやさしいのに、なぜこんなことになってるんだ、と思って」――世間から冷遇されていた当時の出川を思い返し、そう語る香取の言葉に、新しい地図を広げた直後の3人を思い出してしまった。当時は、一気に地上波テレビへの出演がなくなり、「なぜこんなことに?」と思わずにはいられなかった。それでも、3人はインターネットテレビ『7.2 新しい別の窓』(ABEMA)をはじめ、できる場所で、できることを、ひたむきに続けてきた。そして、ゆっくりと確実に潮目は変わっていったことも。

 この1週間を見ても、草彅のレギュラー番組『草彅やすともの うさぎとかめ』(読売テレビ)、稲垣の存在をなくして始まらない『ほんとにあった怖い話 夏の特別編2023』(フジテレビ系)がオンエアされ、香取が『バズリズム02』(日本テレビ系)で歌唱を披露するなど、また彼らの姿をテレビで見られるようになってきたのは、嬉しい変化だ。

 「歌うのも踊るのも大好きで、テレビでこうやって歌えるって本当に当たり前だって思ってたの、若い頃は」「スケジュールいっぱいで“あ、大変だな、またテレビ?”って。それが当たり前じゃないから。本当に幸せなこと。本当に感謝してます、みなさんに。ありがとうございました!」、そう『バズリズム02』で香取が話していた言葉が心に残った。

 やさしさと感謝を胸に好きなことを貫いていく。それが、大きな流れを味方につける秘訣なのかもしれない。かつての忙しさを少しずつ取り戻しているようにも感じられる3人。映画に舞台、ラジオ、コンサート、そしてSNS……とさまざまな形で活躍しているが、やはりテレビで輝く彼らももっともっと見たいものだ。

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