BE:FIRSTが持つストーリーと裏側を映し出せる自信 グループとドキュメンタリーの相性を考える

 また、「BE:FIRSTの全てを見せても大丈夫」という自信があるからこそ、ドキュメンタリーという手法を取れる側面もあるはずだ。まずは、音楽に対する姿勢。同作ではデビューから1年も経っていない状態で行なったツアーのパフォーマンスを見せることになる。今、改めてこの公演をフィーチャーするということは、このツアーまでどれだけ本気で音楽と向き合ってきたかという姿勢、そして完成度の高さも問われるだろう。しかし、そこに自信があるからこそ映画に詰め込まれているのだろう。

 そして、メンバー同士の関係性も然り。SOTAが「メンバーの仲は表に出ていないところでもとても濃い生活を共にしているとは思っていたので、映画という形で深掘りしていただけることはBE:FIRSTの魅力が更に伝わる最高の機会」と語っている通り(※1)、裏側が丸裸になるドキュメンタリーを見せていく以上、偽りの関係性では成立しない。彼らだから成り立つ作品とも言えそうだ。つまり、BE:FIRSTは音楽性に関しても、メンバーの関係性に関しても、パブリックな場面で発信していることとギャップがないグループである証拠なのではないだろうか。

 映画のエグゼクティブプロデューサーであるSKY-HIが「映画館は画面が大きく音が良いですから、最前列で観る良さと最後尾で観る良さと配信で観る良さの全てが詰まっている…かもしれません」と言っているとおり(※2)、観るたびにBE:FIRSTへの理解度が深まっていきそうな同作。何度も映画館に足を運び、BE:FIRSTの軌跡を確認したくなる予感でいっぱいだ。

※1、2:https://realsound.jp/2023/07/post-1366273.html

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