Red Velvet、秀逸なコンセプトとトレンドに流されない個性で確立した“らしさ” 9周年を機に軌跡を振り返る
ミン・ヒジンによるディレクションが終了した後の2019年12月末にリリースしたアルバム『The ReVe Festival Finale』のタイトル曲「Psycho」は、他人からは“サイコ(韓国のスラングで「ちょっと変わった人」「理解し難い人」といった意味)”と思われるような大きな喧嘩をしてもまた元通りに戻る恋人との関係を歌った、アップテンポだが変化に富んだアーバンポップに優雅なボーカルが融合した意外性に富んだ曲。クリスマスソングが強い時期にリリースされながらも各種主要音源チャートで1位を獲得した。2019年発売のガールズグループ曲の中で唯一の全音源チャートオール1位を達成し、年間チャートでも好成績を収め、「ガオンチャートミュージックアワード」今年の歌手賞音源「2019年12月」部門賞を受賞する、最大のヒット曲となった。
2020年以降はユニット曲やソロでの音楽活動もスタートしている。2020年7月にリリースされたIRENEとSEULGIのユニット・ IRENE & SEULGIIの「Monster」は、SMエンターテインメントのボーイズグループがこなすようなハードな楽曲とダンスで、グループでの活動とは全く異なる面をみせた。2021年から2022年にかけてリリースされたWENDY・JOY・SEULGIのソロ作でも、メンバーごとに穏やかで癒されるようなイメージや、溌剌としたパワフルさ、神秘的でダークなイメージと、やはりグループとは異なる新しい面をそれぞれが見せてくれている。2022年3月には「G線上のアリア」をサンプリングした繊細で優雅なストリングスの旋律と強烈なトラップビートと幻想的なボーカルが調和する、まさにRed Velvetにしかできない世界観の「Feel My Rhythm」をリリース。収録ミニアルバム『The ReVe Festival 2022 - Feel MyRhythm』はHANTEOチャートのアルバムチャートで週間1位を獲得。また、辛口で知られるアメリカの音楽メディアPitchforkで取り上げられ、7.4の評価を獲得。これは同メディアで評価を受けた第3世代のK-POPアイドルの楽曲・アルバムの中で最も高い評点だ。
このように、コンセプトと楽曲の両面でトレンドに流されない強い個性で「Red Velvetらしさ」を確立し、第3世代のガールズグループでは2016年デビューのBLACKPINK・2015年デビューのTWICEと並び今でもトップクラスの人気存在感を維持している。第4世代の中でもRed Velvetをロールモデルにあげるアイドルは珍しくなく、特に現在LE SSERAFIMとして活躍しているSAKURAは、以前から熱烈なRed Velvetファンを公言している。メンバーの活動休止などの様々な問題を乗り越え、カムバックがアナウンスされれば、グループのファンだけではなくメディアやアイドルファンの間でも待ち望まれるグループのひとつであることは間違いないだろう。10年目を迎えたRed Velvetの今後の活躍を楽しみにしたい。
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