米津玄師、JUNG KOOK、山下智久、Little Glee Monster、s**t kingz、Saucy Dog……注目新譜6作をレビュー
Little Glee Monster「今この瞬間を」
昨年オーディションで新メンバーが3人加入し、第二章がスタートしたLittle Glee Monster。1曲の新曲、一枚のEPを経て、次なるEPから先行配信の最新曲。あだち充原作のTVアニメ『MIX 2nd SEASON』エンディングテーマでもある。同作者の名作『タッチ』を引き継ぐ野球少年の青春ストーリーを全身で受け止め、全力で投げ返した本作の歌詞がすごい。〈青空 雫 拭う 陽炎グラウンド〉。照れ臭いとか直球すぎると茶化していては出てこない、まごうことなきスポーツ応援歌。ゴスペルのようなコーラスが彩りを添えつつも、基本は熱い歌とメッセージがメイン。それぞれ声色が少しずつ違う6人が、ユニゾンになった時のエネルギーはさすがだ。合唱コンクールで歌われる日も遠くないと思う。(石井)
s**t kingz「No End feat.三浦大知」
自身で歌唱はしないがオリジナル楽曲を多数発表しているダンスパフォーマンスグループ・s**t kingz。今年10月にはダンサーとして史上初となる日本武道館単独ライブが決まっているが、そのテーマソングが今作。作曲はAIやBTSなどを手掛けるUTA、作詞と歌唱はグループと長く付き合いのある三浦大知が担当。これでもかと低音が効いたトラックと、ハードロックのアンセムのごとくド派手なキック、ギラギラした野望を全面に出した歌詞など、実にタフ&ストロングな一曲だ。それでも乱暴な印象にならないのは、三浦の歌が最後まで品を失わないから。ギリギリまで攻めるが、細やかな気遣いも決して忘れない。ポップスターの貫禄がよくわかる。(石井)
Saucy Dog「夢みるスーパーマン」
7thミニアルバム『バットリアリー』のリードトラック「夢みるスーパーマン」は、ライブの臨場感を想起させるロックチューン。代表曲「いつか」など切ないラブバラードのイメージもあるSaucy Dogだが、メンバーの呼吸や生々しいグルーヴが感じられるこの曲は、ライブバンドとしての力強さと直結している。理想と現実の狭間で葛藤しながら、“ここから救い出してよ”と願う歌詞もきわめてリアル。地道なライブ活動によって少しずつリスナーを獲得し、今やバンドシーンの中心に存在している3人だからこそ、「夢みるスーパーマン」はこんなにも強い説得力を備えているのだと思う。11月から始まるキャリア最大規模のアリーナツアーも楽しみだ。(森)
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