東方神起、30回目の東京ドームで示した“一流”の存在感 4万5000人のファンとの3年ぶりの再会を徹底レポート

「『CLASSYC』とは“最上級”、そして僕がいちばん好きな言葉です、“一流”! 一流のチャンミン! 一流のユンホ! 一流の東京ドーム! そして……」(ユンホ)

「こうやって堂々とふたりが“一流”と言えるのは、やっぱり一流のファンのみなさんに支えられてるからね!」(チャンミン)

 東方神起が、約30万人を動員した全国アリーナ&ドームツアー『東方神起 LIVE TOUR 2023 ~CLASSYC~』を6月25日に無事完走した。ファイナルの地は、約4万5000人の観客がひしめく東京ドームだ。東方神起が東京ドームで公演をするのは今回でちょうど30回目。海外アーティストとしては最多記録を樹立した。「やっぱり東方神起は東京ドームが似合う」、そう言いたくなる“一流”のステージだった。

 世界的なパンデミックを受けて、3年ものあいだファンと直接顔を合わせることがなかなかできない時間が続いた。それでも、東方神起のパフォーマンスを待ち望む人はこれだけいるのだ、と証明するかのように多くの人が駆けつけた東京ドーム。彼らの応援色であるパールレッドのスティックライトで統一された会場は、観客席から見ても息を呑む美しさだ。この日は16時開演という少し早い時間からのスタート。ドームの天井は明るく、まるで野外ステージのような開放感が漂う。そんななか、スタッフ席にライブ演出を手掛けたSAMがやってくる姿も見え、自然とファンから拍手が湧き上がるのも微笑ましい光景だ。

 いよいよ開演時間になると、待ちかねたファンたちが一斉に立ち上がる。メインステージの両サイドには青いライトに照らされながら白く光るボックス型のゴンドラが降りてきた。浮かび上がるシルエットから、右がユンホ、左がチャンミンであることもすぐにわかるのも彼らの長い活躍の証だ。ふたりが金の刺繍があしらわれた白いジャケット、黒のインナーにパンツというモノトーンの出で立ちで登場すると、歌うのは〈さあ行こう!〉〈最高!〉〈最強!〉とライブを勢いづけるのにぴったりな「MAHOROBA」。ユンホが不敵な笑みを浮かべて舌なめずりを披露するとファンからは黄色い歓声が飛び、チャンミンのシャウトをきっかけに花火が噴出し会場をさらに熱くする。

 続く「Sweat」は、ふたりのパフォーマンス、そしてファンの声援によって徐々に色づくステージを象徴するかのようにオレンジ、黄色、赤、青とカラフルなライティングに。ハイタッチをしながらポジションチェンジをすると、ステージが上昇し、さらにアグレッシブにパフォーマンスを披露。先ほどと同じ衣装でも、全く違う世界観を創り上げていく。ふたりはそのまま無事に最終日を迎えたことをお互いに称え合うように握手&肩をぶつける挨拶をしてみせる。そして、それはファンも一緒だと言わんばかりにそのまま会場を指さして、一緒に手で「T」の文字を作るのだった。

 「Special One」では、メインステージの両端へと走り会場の隅々まで目を配りながら「みなさんと最高の1日を送りたいと思いまして、この東京ドームに戻ってきました!」(チャンミン)、「着いてきてくれますか?」(ユンホ)と声を集めて盛り上げる。「東京ドームのみんな、手拍子で! CLAP! CLAP!」(ユンホ)と煽るとノンストップで「The Reflex」に突入。ユンホはマイクで歌いながら小さく手を叩き、チャンミンは頭の上で大きく手拍子をする、そんな個性が表れるのも見ていて楽しい。

 すると、爽やかなサウンドに合わせてムービングステージがダイナミックに移動。センター位置で止まるとバックダンサーが合流し、細かな振りをキレキレに踊る「信じるまま」へ。そのままムービングステージは上昇し、さらに前進。「I Think U Know」では1階スタンド席ギリギリまで迫る勢いだった。久しぶりの再会を少しでもファンの近くに……そんな思いを感じられる演出に割れんばかりの歓声が響いた。

 再会を祝した前半に対して、中盤は東方神起がこの3年間でさらに進化した姿をたっぷりと披露する時間に。東方神起バンドメンバーが登場すると生演奏に乗せて、ユンホがブラウン、チャンミンがブルーの柔らかな素材のシャツに着替えて姿を現す。

 そして迷いを抱えた様子のダンサーに語りかけるように歌う「Believe In U -Two of Us ver.」。青空と雲の映像に囲まれ、空の上から眺めるように〈世界は綺麗だ〉と歌う「Storm chaser」。〈魔法の鏡を覗いてよ〉の歌詞と連動して凍りついた鏡と女性ダンサーが舞う「Like Snow-White」と、物語が紡がれるように次々とステージが変化。彼らの表現力の幅広さに、あらためて圧倒される。

 「東方神起のツアーは毎回、みんなが楽しめることを意識しているんですけど、(中略)それを乗り越えた感動を伝えたいと思っているんです」とは、かつてユンホがインタビューで答えていた言葉だが、まさに「感動」の域に達する円熟の境地だ。それは彼らのソロ曲でも言える。

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