GEEKBOY, Yella Flat Boys「Don Julio」初登場バイラル首位 テキーラがモチーフの聴き込んでも楽しめるパーティーチューン

GEEKBOY - Don Julio feat. Yella Flat Boys (Official Music Video)

 一方で彗星のごとく現れ、初ランクインにして首位を獲得する勢い溢れる楽曲を目の当たりにすることもチャートをチェックする上で大いに楽しみである。まさにこのケースにあてはまるのが、今週初登場にして首位を獲得したGEEKBOY, Yella Flat Boys「Don Julio」。今回この楽曲のプロデュースを手掛けたのが、DJでプロデューサーのGEEKBOY。そして、ラッパーのSATH、Viliy Yam、LAWの3MCからなるヒップホップユニット・Yella Flat Boysを招いて完成したのが「Don Julio」だ。テキーラのブランド名を冠したタイトルや、そのタイトルにリンクするショットグラスをあわせたジャケット写真など、アダルトな雰囲気が漂う。もちろん、トラックもアダルトな質感に仕上がっている。トラップビートを下地にしながらも、ホーンの音色を印象的に用いることで今っぽさもありながら、ジャジーで大人なサウンドにまとめあげられた。そんなトラックをカラフルに彩るのは、キャラクター豊かなYella Flat Boysの3人のマイクパスである。このように聴きどころの多いトラックやフロウだが、リリックの重要性も忘れてはいけない。〈Try this shit try this shit 1942から今2022 刺激的な香り呼び起こした One night〉というラインは、タイトルにもなっているテキーラブランド、Don Julioの蒸留所創業年にちなんだコンセプチュアルなフックだし、〈酒が回り見失う 周り気にすんのは違う〉〈もっと酔って踊りたいなら 音楽を注ぐぜ〉という全体に通底する「酒」のモチーフを援用しながら、自分らしく音楽を楽しむことの宣言に繋げる流れも清々しいほどシンプルだが力強い。

 初ランクインにして首位を獲得するような楽曲を「彗星のごとく現れた勢い溢れる楽曲」と表現したが、まさに「Don Julio」こそ、この表現を体現したような一曲だ。パーティーチューン的な第一印象だが、よく聴き込むと作り込まれたプロダクションであることがわかってくる。パーティーチューンとしての軽やかさと、腰を据えて聴き込んでも楽しめる強度を両立させる本楽曲の魅力は計り知れない。

※1:https://charts.spotify.com/charts/view/viral-jp-daily/2023-06-28

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