『リトル・マーメイド』関連楽曲がバイラルチャート席巻 ハリー・ベイリーの歌声が引き出す“名曲の新たな魅力”

Viral Chart Focus

 Spotifyの「Daily Viral Songs(Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの6月14日付のTOP10は以下の通り(※1)。

1位:Halle「Part of Your World (From『The Little Mermaid』)」
2位:チョーキューメイ「貴方の恋人になりたい」
3位:トンボコープ「Now is the best!!!」
4位:INI「FANFARE」
5位:Awkwafina, Daveed Diggs「The Scuttlebutt」
6位:Conton Candy「ファジーネーブル」
7位:木村昴「Under the Sea - From『The Little Mermaid』/Soundtrack Version」
8位:Daveed Diggs「Under the Sea」
9位:Lil Durk「All My Life (feat. J. COLE)」
10位:Jonah Hauer-King「Wild Uncharted Waters」

 今週のSpotifyバイラルチャートは、ある映画作品の関連楽曲が多数ランクインする結果となった。昨今のSpotifyバイラルチャートの動きを振り返ると、映画作品の関連楽曲が一挙にランクインする現象は、昨年劇場公開された『ウエスト・サイド・ストーリー』以来の動きだ。

 このような大きな潮流に触れる前に、まずはチャート全体の動向に目を向けてみよう。オリエンタルな雰囲気をエレポップに落とし込んだ、チョーキューメイ「貴方の恋人になりたい」が2位にランクアップ。TikTokで話題のトンボコープ「Now is the best!!!」や3ピースガールズバンド Conton Candyによるドリーミーな楽曲「ファジーネーブル」、グローバルボーイズグループ INIの「FANFARE」、若きレジェンドラッパー J. COLEを客演に招いたLil Durkの「All My Life (feat. J. COLE)」が先週から引き続きトップ10圏内をキープしていることも見逃せない。

 とはいえ、チャートをざっと眺めただけでも、否応なしにその勢いを感じさせるのは、6月9日に公開された実写映画版『リトル・マーメイド』関連楽曲の人気である。1989年制作のディズニーアニメを『シカゴ』『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』の名匠 ロブ・マーシャルがメガホンを取り、実写化したミュージカル映画『リトル・マーメイド』。アニメ版では、主題歌の「Under the Sea」がアカデミー歌曲賞を受賞し、映画音楽作曲を手掛けたアラン・メンケンがアカデミー作曲賞を受賞しているだけあって、実写化にあたって映像面はもちろん、音楽面にも注目が集まっている。

Daveed Diggs, Cast - The Little Mermaid - Under the Sea (From "The Little Mermaid")

 そんな注目度の高さを反映してかSpotifyバイラルチャートでは、アニメ版でアカデミー歌曲賞を受賞した「Under the Sea」がセバスチャン役を務めるダヴィード・ディグスのバージョンで8位に、セバスチャンの日本語吹き替えを務める木村昴バージョンも7位にランクイン。また、実写化にあたりアニメ版にはない新曲もいくつか登場しており、そのひとつが10位にランクインしている「Wild Uncharted Waters」である。エリック王子の苦悩にスポットライトを当てたバラードの同楽曲。英語版では、エリック王子役のジョナ・ハウアー=キングが、日本語吹き替え版では海宝直人が歌い上げる。

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