ENVii GABRIELLA、メジャー1stアルバム『ENGABASIC』でたどり着いた“らしさ”とは? 6年の活動で手にした進化と使命を語る

エンガブが果たすべき使命

 ENVii GABRIELLA(以下、エンガブ)が、メジャー1stアルバム『ENGABASIC』をリリースした。昨年末に開催した初の5大都市ツアーは全公演ソールドアウト、そして今回満を持してのアルバムリリースとなる。2017年3月からユニットでの活動を開始して約6年。この間に一度も絶やすことなく、なぜまぶしく輝き続けることができたのかーー今回のインタビューは、その理由とアルバム『ENGABASIC』へ至る日々を巡る、3人との対話となっている。何度も問いを重ね、今導き出したエンガブ“らしさ”とは一体何なのか。どこか心が晴れる内容になっていると思う。(編集部)

本当に自信を持って「この曲が私たちのベストです」と言える

ENVii GABRIELLA Takassy(撮影=はぎひさこ) メジャー1stアルバム『ENGABASIC』 インタビュー
Takassy

――今作がメジャー1stフルアルバムとなりますが、「こんなアルバムにしたい」という構想はあったのでしょうか?

Takassy:メジャー1stフルアルバムということで、私たちにとってベーシックなアルバム、名刺代わりになるような一枚にしたいなと思ったので、『ENGABASIC』というタイトルを先に決めました。あとは、シングルの隙間を埋めていくという感じで作っていきました。

――そんな名刺代わりの一枚が出来上がった、今の率直な感想を聞かせてください。

HIDEKiSM:J-POPの真髄という軸は変えずに、でも“オネェたるもの贅沢に”といいますか、いろいろなジャンルの楽曲を収録した、すごく欲張りなアルバムに仕上がったと思います。どんな方に聴いていただいてもどの楽曲かはハマるだろうなと思うくらい多彩なアルバムですので、「とにかく聴いてくれよ」という感じです。

Kamus:本当に『ENGABASIC』というタイトルに合ったアルバムになっていると思います。HIDEKiSMが言うように多ジャンルで。かっこいいところもあったり、かわいいところもあったり、怖いところもあったり……いろんな顔を持っているエンガブらしいアルバムです。

Takassy:今回のアルバムは、制作のタイミングで初めての5大都市ツアー(『ENVii GABRIELLA LIVE TOUR 2022 「Perfection Satisfaction」』)があったり、シングルとして『APHRODITE』と『オワッテンネ』を先に進めなくてはいけなかったりで、なかなか集中できない時期もあったんです。だから、普段はあまりないのに、SNSでネガティブな書き込みを見てダウナーに入ってしまったんですよね。「エンガブは流行りの曲っぽくない」みたいなことが書いてあって。だけど、それを見て「たしかに」とも思ったんです。エンガブは今の流行りとは真逆のことをやっているし、古臭いと思う人もいるかもしれない。でも、私はイマドキっぽい曲を書こうと思えばいくらでも書けるけど、伝わらないと意味がないと思っているので、私たちの気持ちが伝えられるような曲や歌詞を書いているという自負がある。それを、その時に再確認したんです、「私のやっていることは間違っていない」って。そう気づいてからブワーっと曲ができて。本当に自信を持って「この曲が私たちのベストです」と言える作品になっています。

ENVii GABRIELLA HIDEKiSM (撮影=はぎひさこ) メジャー1stアルバム『ENGABASIC』 インタビュー
HIDEKiSM

――作品を聴かせていただいて、とても想いの強さを感じる作品だなと感じていたので、今のお話を伺って納得しました。まず、1曲目の「APHRODITE」(アフロダイテ)は出だしからものすごくインパクトがあって。

Takassy:ブチ上がりますよね!

――はい(笑)。いただたいた資料のTakassyさんの楽曲解説によると「『女神が人の進化を促す』という設定を思い浮かべて作詞をした」とありますが、そもそもその設定はどのように思い浮かんだのでしょうか?

HIDEKiSM:“中二病”だよね(笑)。

Takassy:あはは(笑)。韓国の方って、この数年で平均身長が高くなっているんですって。日本人も、昭和生まれの人よりも平成生まれの人のほうが、骨格が細くて足が長い。それって進化じゃないですか。人間って、ずっと同じ形をしているように見えて、ちょっとずつ進化しているんです。でも、美の価値観は誰が決めたのかもわからないのにずっと同じ。それを上から見ていたら退屈だろうなって、ふと思ったんです。そういうアフロダイテ(女神)がいて、「あんたたちも進化しなさいよ!」と言っている……という曲です。

――神の目線になるという発想がすごいですね。曲調も、そのテーマ通り豪華できらびやかで。この曲を聴いた時、おふたりはどう思いましたか?

Kamus:まずキャッチーで聴きやすいんですけど、最初のTakassyのボーカルで一気にエンガブらしくなると思いました。聴いているだけで強くなれそうな感じがしますよね。ラスサビ前の行進パートでは、我々だけじゃなく、みんなで歩いていく感じのビジョンも見えて。力強さのなかにも美しさのある曲だなと感じました。

HIDEKiSM:私は曲を聴いた時、“進化”というメッセージ性は感じたんですけど……その“進化”というメッセージを、自分たちが曲に落とし込んで、ちゃんと皆さんにお届けできるかどうかという不安も正直ありました。でも、ライブでこの曲をやった時に、観にきていた事務所の社長が、この曲のパフォーマンスを「すごくかっこよかった」と言ってくれて。それでようやく完成した気がしました。「自分も進化しなきゃいけない」と思っていたからこその不安だったのかなと。

ENVii GABRIELLA Kamus(撮影=はぎひさこ) メジャー1stアルバム『ENGABASIC』 インタビュー
Kamus

――曲のメッセージが強いがゆえに。

HIDEKiSM:そうですね。まあ、私なんて存在が女神みたいなものなんですけど。

Takassy:えっ……(笑)。

HIDEKiSM:でも、一旦それは置いておいて。

Takassy:置いておくんかい(笑)!

HIDEKiSM:ふふふ(笑)。進化や前進する時って、不安や恐怖も感じるじゃないですか。だから最初は不安だったのかなって。でも、パフォーマンスをすることでどんどん自信もついていったし、パフォーマンスをすればするほど育っていく曲なのかなという気がします。

Takassy:お肌って、ピーリングするじゃないですか。何かの刺激を与えて、新しくなっていく。この曲の進化もそういうものであって。「その一瞬を祝福しましょう!」という意味なんですよね。たとえば、家で音楽を聴いていて、ひとりでノリノリになっている時ってありますよね。その瞬間、すごく幸せじゃないですか? 「生きてる!」みたいな。「そういう一つひとつの瞬間を自分で祝福しましょう」「そうすれば次の瞬間には、また違う自分に生まれ変わっているはず」っていう。自分って、一歩歩くたびに変わっていっているものだと思うんです。歩いていて、右を選ぶか左を選ぶかだけでも違う自分に出会えるし、そういう瞬間を自覚するだけでも人は変わっていくんじゃないかなって。そういう曲です。

ENVii GABRIELLA - APHRODITE(Official Music Video)

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