THE BACK HORN、アジカン、ACIDMAN……キャリアバンドは過去楽曲をどうアップデートする? 原曲と異なる新たな世界観も
最後に、THE BACK HORN、ASIAN KUNG-FU GENERATIONとキャリアが近いACIDMANも取り上げたい。彼らは2ndアルバム『Loop』をリマスタリングし、6月から7月にかけて再現ツアー、8月9日にアナログ盤としてリリースすることを発表している。『Loop』は2003年に発売され、「飛光」や「アイソトープ」のような衝動的で本能に訴えかけるような楽曲を収録。その後のバンドの方向性を決定づけたといえるアルバムだ。20年経過した今、どのようにして再発することを考えたのか。リマスタリングに立ち会った大木伸夫(Vo/Gt)は「過去の楽曲たちの中で(ライブで)やれない曲が増えて行くのは寂しいな」と思ったことがきっかけで、GRAPEVINEとくるりのアルバム再現ツアーにも影響を受けたと語っている(※1)。
どのバンドもリリース当時から確固たる信念のもとに活動してきた。初心に還りながらも違う世界観を生み出すのは、以前から応援してきたファンの好奇心を駆り立てるだけではなく、新規ファンに過去作を聴いてもらうことにもつながる。ルーツを辿る旅は、新たなバンドの方向性を切り拓く旅でもあるのだ。
※1:https://spice.eplus.jp/articles/319095
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