リアルサウンド連載「From Editors」第11回:『ウルトラマンブレーザー』前に観たい! 『UNFIX』は特撮センス満載の逸品
「From Editors」はリアルサウンド音楽の編集部員が、“最近心を動かされたもの”を取り上げる企画。音楽に限らず、幅広いカルチャーをピックアップしていく。
第11回は、特撮とメタルが好きな信太が担当します。
新番組『ウルトラマンブレーザー』、必見の理由!
いよいよ7月8日に初回放送が迫る新番組『ウルトラマンブレーザー』(テレビ東京系)。特撮の中でもとりわけウルトラマンシリーズが好きな自分は、新シリーズが始まる直前はいつもワクワクドキドキで胸が高鳴っているのですが、今回の『ウルトラマンブレーザー』に対しては特別な楽しみを抱いています。
ブレーザーのアシンメトリーなデザイン、新規怪獣の豊かなバリエーション、戦闘描写の手の込んだ作り込み、ファンタジー以上にSFをベースにしたリアリティ色の強いテーマ性、妻子を持つ父親であり防衛チームの隊長がウルトラマンに変身するという歴代シリーズ初の設定……など、すでに短い映像やイベントで発表されている情報だけでも、興奮不可避だからなのです。
そして、特撮好きとして特に心を掻き立てられるのは、『ウルトラマンブレーザー』のメイン監督を田口清隆さん、メイン脚本を小柳啓伍さんが務めることでしょう。ここ10年間のウルトラマンシリーズ(通称「ニュージェネレーション」シリーズ)の主力監督であり、『ウルトラマンX』『ウルトラマンオーブ』『ウルトラマンZ』といった人気の高い(筆者も大好きな!)作品でメイン監督を務めてきた田口監督。『ウルトラマンZ』に軍事考証として参加し、『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』第7〜8話(ウルトラマンZが客演する回!)で脚本を務めた小柳さん。ウルトラマン以外でも、田口監督は『仮面ライダーBLACK SUN』(Prime Video)の特撮監督を務めていたり、小柳さんは『ゴジラ S.P <シンギュラポイント>』(TOKYO MXほか)の軍事考証を務めているなど、特撮・SFシーンの最前線で幅広く活躍されているお二人なのです。
特報や本篇映像先行ダイジェストPVを観る限り、おそらく『ウルトラマンブレーザー』はミリタリー描写に力の入ったシリアスなSFドラマでありながら、コミカルかつ人情深い会話劇も繰り広げられていく作品になるのではないでしょうか。小柳さんの脚本やアイデアを、都市構造を活かした見応えある特撮シーンから、ユーモアあふれるキャラクター演出まで得意とする田口監督がどのように具現化していくのか。そのあたりは『ウルトラマンZ』なども見直しておきたいところですが、二人がメイン監督&メイン脚本家としてウルトラマンシリーズでタッグを組むのは初めてなので、どのように『ブレーザー』の物語をドライブさせていくのか、とにかく楽しみでならないです!
さて、ウルトラマンシリーズではないものの、お二人の“味”をたっぷり感じられる作品があります。YouTubeで無料公開されている空想特撮ドラマシリーズ『UNFIX』です。監督・脚本を田口清隆さん、軍事考証を小柳啓伍さんが務めています。2019年〜2020年にかけて全12話が公開されていますが、まだ完結はしていません。
最近、来たる『ウルトラマンブレーザー』に向けて観てみたのですが、これが面白い! 地球に知らず知らずのうちに住み着いている地球外生命体を駆除(=UNFIX)すべく、陸上自衛隊に組織された特殊外来生物作戦隊(通常「特外隊」)というチームについてのお話です。