Stray Kids、韓国で新記録打ち立てた『★★★★★(5-STAR)』が2位に グループのブレイクに見るシーンの成熟

 第1世代、1TYMを調べるとわかりますが、ヒップホップが好きであるならファッションでそれを示すことは、かつて、ものすごく重要だったのです。50年ほど前にニューヨークの一角で生まれた音楽。それを自分でもやりたいと思うなら、作った人々のアイデンティティを知り、ルーツに敬意を払い、同じ服装に身を包むことで、ようやくラッパーを名乗ることができた。逆に言えば全身を「ヒップホップ的なもの」で固めた人間にしか手を出せるものではなかった。そういう時代は90〜00年代くらいまで続きました。

 でも、ロックンロールをやるなら革ジャンにリーゼントといった常識がもうないように、「新しいジャンル」も広く浸透していけば「ポップミュージックのひとつ」になります。セルフプロデュースのアイドルも最初は珍しかったけれど、何代か成功例が続けば「やり方のひとつ」になる。Stray Kidsの今のブレイクに、多くの先人が挑んできたことの成熟を見る思いです。これだけ格好いいビートが500万枚近く売れている。これはアイドル史においてもアジアのヒップホップ史においても事件ではないかと思うのです。

 同じ志のアーティストが日本にいるかと考えたとき、出てくるのはBE:FIRST、MAZZELをプロデュースしたSKY-HIの名前。彼が昨年リリースした配信シングルが「JUST BREATHE feat. 3RACHA of Stray Kids」ですが、この3RACHAというのが、Stray Kidsで楽曲制作を担当するバンチャン、ハン、チャンビンによるグループ内ユニットなのです。コラボは同じ志を持つ者同士の必然でしょうね。Stray Kidsの動きは、BE:FIRSTやMAZZELの未来図を占う意味でも参考になりそうです。

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