GLAYからあいみょん、B'z、ポルノグラフィティ、いきものがかりまで ゆかりの地でのライブは特別なものに

 その他、米津玄師は全国ツアーで頻繁に出身地・徳島でライブを行なっている。2016年のツアー『米津玄師 2016 TOUR / 音楽隊』での徳島club GRINDHOUSEから始まり、『米津玄師 2017 TOUR / Fogbound』での鳴門市文化会館、『米津玄師 2023 TOUR / 空想』でのアスティとくしまと回を重ねるごとにスケールアップしてきた。また2018年の『NHK紅白歌合戦』では徳島の大塚国際美術館からの中継という形で出演し、“聖地”としての徳島を印象づけた。

 Official髭男dismも結成地である島根を中心に山陰地方でのライブをツアーごとに行なっている。ホームと言える松江AZTiC canovaに始まり、2022年には『Official髭男dism one-man tour 2021-2022 - Editorial -』にて3000人キャパの松江市総合体育館で3デイズ公演を開催。ツアーごとに地元でライブを行うことで、成長の歴史がその地に刻まれていく。

 例えばくるりや10-FEETが京都で『京都音楽博覧会』『京都大作戦』といった主催フェスを開催したり、04 Limited Sazabysが愛知で『YON FES』を開催するなど、故郷と密接に関わり続けるケースもある。リスナーにとっても、そのアーティストゆかりの地を訪れる機会になるだろうし、思い出の風景や歌詞の舞台に触れることでより一層アーティストの表現への理解が深まるはずだ。凱旋ライブはファンにとっても特別な機会だと言える。

くるり - 真夏日|Live from 京都音楽博覧会2022
10-FEET - RIVER LIVE From 京都大作戦2017

 アーティストにとって故郷は様々な思い出が詰まった場所であるはずだ。そんな場所に凱旋を果たすということは、愛憎入り混じった過去と和解する意味合いもあるだろう。そこで得た祝福は表現者としての一つの到達点と言えるかもしれない。

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