ユーロビジョン準優勝のKäärijä、バイラルチャート好調 「Cha Cha Cha」のリズムとキャッチーな装いがもたらすエネルギー

 Spotifyの「Daily Viral Songs(Japan)」は、最もストリーミング再生された曲をランク付けした「Spotify Top Songs」とは異なり、純粋にファンが聴いて共感共有した音楽のデータを示す指標を元に作られたランキング。同チャートの5月24日付のTOP10は以下の通り(※1)。

1位:トンボコープ「Now is the best!!!」
2位:ジャック・ブラック「Peaches」
3位:EHAMIC「小犬のカーニバル 〜小犬のワルツより〜」
4位:Käärijä「Cha Cha Cha」
5位:Halle「Part of Your World (From『The Little Mermaid』)」
6位:DXTEEN「Brand New Day」
7位:悠馬「カーテン」
8位:TORAUMA「椿」
9位:YOASOBI「アイドル」
10位:Conton Candy「ファジーネーブル」

 今週は4位にランクインしているKäärijä(カーリヤ)の「Cha Cha Cha」をピックアップする。

 本年の『ユーロビジョン・ソング・コンテスト2023』で準優勝となったKäärijäの「Cha Cha Cha」は、同じく5月24日付のバイラルグローバルチャートで1位を獲得したほか(※2)、各国のバイラルチャートを席捲中で、世界的な大ヒットになりそうだ。毎年5月に開催される『ユーロビジョン・ソング・コンテスト』は、ヨーロッパ各国の代表ミュージシャンがパフォーマンスを披露し、優勝を競う音楽コンテストだ。最近ではMåneskinなどがこのコンテストを通じ、大ブレイクを果たしている。

 フィンランドのラッパー/シンガーソングライターのKäärijäは、2014年に音楽制作を開始。2017年にMonsp Recordsと契約して以降、コンスタンスに楽曲をリリースしている。

 驚くのは、その楽曲のバリエーションだ。エレクトロニック・ボディ・ミュージック、インダストリアルロック、ヒップホップ、さらにはラテン、フラメンコ、ポルカなど、リズムへのアプローチが実に多彩である。ミニマルなリズムとタイトでキャッチーなフレーズのループで構成される楽曲は、どの曲もポップでダンサブル。これはKäärijäが曲制作を始める前にドラムを習っていたことが大きく影響しているのかもしれない。どの曲もリズムに合わせてメロディをつけているように感じるし、随所に挟まれる効果音のようなユニークな音色もフックになっていて、楽曲に愛嬌を添えている。ゆえに、野太い声でシャウトしたりしゃがれ声でラップを乗せても、陽気でアッパーな印象が残る。ここが彼の楽曲の強烈な個性だろう。

Käärijä - Cha Cha Cha (LIVE) | Finland 🇫🇮 | Grand Final | Eurovision 2023

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