ゴホウビは、音楽で一人ひとりのリスナーに語りかける バンドのステイトメント示した渋谷WWWワンマン

 アコースティック編成で温かな音像を届けたあとは、力強いバンドサウンドで以って観客一人ひとりに勇気を授けるセクションへ。「ラーメン」はリズムをリフレインさせながら進むシンプルな曲だが、抑えていた熱を解放させるように、バンドの音色が生っぽくなる終盤の展開が痛快だ。最新曲「一糸まとわぬアイを見せてよ」は歌い出しからかなりパワフル。曲のシンボルと言えるラテン風のキメも楽しく、codyとスージーはバンドの演奏にノリながら歌っていた。405がシンセベースも演奏するダンスナンバー「SABISHINBO STREET」では、むんちゃ、405、サポートメンバーの山崎裕也(Gt/Cho)によるソロ回しという大きな見せ場が。その裏でcodyも思いっきりシャウトするなど、楽器隊もボーカル陣も熱量の高いプレイを見せた。そして”ゴホウビエクササイズ”としておなじみの振り付けをみんなで楽しんだ「ラムネ」を挟み、剥き出しのサウンドで掻き鳴らす「NO RAIN, NO RAINBOW」。全身全霊の演奏でまた一つハイライトを生み出した。演奏終了後、「やりきった!」といった具合にスティックを投げたむんちゃの表情からは、達成感や充実感が読み取れる。

 本編ラストのMCでは、メンバーを代表してcodyが、観客との出会いを嬉しく思う気持ちや感謝を伝えた。また、ゴホウビの音楽に何かを感じて今日ここに来たリスナーとの出会いについて「この偶然を奇跡とは思っていない」と語り、「もしかしたら(リスナーは)自分でも気づかないうちに、心が疲れとったのかもしれん」と語る場面も。同じ音楽を好きになったならば“豆腐メンタル”を自称する自分たちと同じく、日々傷つくことが多いのかもしれないと相手を慮っての発言だ。そのうえで、「俺たちはそんなあなたがほっと一息つけるような、安心できるような音楽を作っていくので、これからもよろしくね」と挨拶。そして「あなたが日々笑顔で過ごせますように。そんな想いを込めて、最後の曲を歌います」と「好きな服」に繋げたのだった。4人の音楽人生を象徴する曲をリスナーへのメッセージに変える。

 2曲を披露したアンコールのあと、「みんな、明日からいってらっしゃい!」というスージーの言葉とともに幕を閉じた『Home Sweet Home!! Vol.1』。Vol.1ということは、このライブシリーズは今後も続いていくのだろうか。それはまだ分からないが、いずれにせよ、アットホームなゴホウビワールドへの扉はいつ誰に対しても開かれている。そして出会うべき時に出会ったリスナー一人ひとりのことを4人は何よりも大切に思っているはずだ。

※1 https://gohobi.site/profile/
※2 https://realsound.jp/2023/02/post-1257651.html

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