BEYOOOOONDS、オーケストラとのコラボステージで圧巻のパフォーマンス 楽曲に生まれた新たな味わい

 15分の休憩を挟んだ後、指揮者の藤原より「世界中のオーケストラが必ずやる曲をやります」と、観客に事前に配られた指揮棒の形をしたライトの準備のアナウンスが。CMなどでも度々使われている有名なクラシック楽曲「ハンガリー舞曲第5番 ブラームス」(ヨハネス・ブラームス)をBEYOOOOONDSのメンバーや会場のファンが指揮するという、オーケストラの楽曲に親しむ時間が設けられた。まずは指揮者の藤原がタクトを振りお手本を見せると、続いて藤原の指名で西田、島倉、平井の3名がそれぞれ1人ずつ指揮台へ。西田は緊張した様子ながらもしっかりとした指揮を、島倉はノリノリな様子で緩急のメリハリがはっきりとした指揮を、平井は「『のだめカンタービレ』が大好きで、踊るように指揮を振るキャラクターを意識してみました」と、優雅でダイナミックな指揮を披露した。

 また、このオーケストラ楽曲から、音大出身の小林がピアノ演奏に参加。ミュージカルのようなハーモニーが美しい「夢さえ描けない夜空には」、小林のピアノの技術が光る「英雄~笑って!ショパン先輩~」を続けて披露した。

 楽曲が終わると、平井から「続いての曲に行く前に、アンケートをとろうと思います。きのこ派の人? たけのこ派の人?」と、次の楽曲を想起させるMCが。今回は会場もオーケストラの楽団員も“たけのこ派”が多いという話から、オーケストラアレンジの「きのこたけのこ大戦記」をパフォーマンス。そして、高瀬が「アレを使う時間になりました!」と会場に呼びかけると、ファンが一斉に持参したカスタネットを手に持ち、「涙のカスタネット」を会場のカスタネット演奏とともに披露した。続けて、クラシックバレエやダンスを特技とする平井と里吉の華麗なダンスから始まる「アツイ!」へ。アップテンポの楽曲で、本編のラストに向けて会場の熱を一気に盛り上げた。

 ここで里吉からMC。「みなさんどうですか? オーケストラでやると、全然雰囲気が変わりますよね」とこの日のコンサートを振り返りながら、次の楽曲が最後であることが告げられた。「寂しいね。大切な思い入れのある曲をお届けしたいと思います」と語った後、「伸びしろ~Beyond the World~」で圧巻の歌声とハーモニーを響かせ、最後まで会場を魅了し続けたステージとなった。

 アンコールでは、BEYOOOOONDSのメンバーからコンサートの感想が語られた。山﨑は「ずっと楽しみにしていたので、終わるのが寂しいんですけど、オーケストラの演奏でパフォーマンスさせていただくなんて生きていてあまりないと思うので、これから自慢していきたいと思います」とコメント。岡村は「こんなBEYOOOOONDS、なかなか見られないと思うんですけど、みなさん楽しんでいただけましたか? 反響も含めて、いつもと違うステージで。みなさんからいっぱいパワーをもらえました。ありがとうございました!」と、明るい表情で語った。清野は「たくろうさんが本当に優しくて。オーケストラのみなさんも、楽器のことを聞いたら快く教えてくださったりして優しくて。このステージが『優しい世界』だなって改めて思いました。ありがとうございました」と、楽団員とのあたたかな交流への感激も含めてコメントした。

 そして、小林が再びピアノ演奏に参加しながら、「オンリーロンリー」を披露して盛会のうちにコンサートの幕を閉じた。

 今回のコンサートは、改めてBEYOOOOONDSのパフォーマンス力の高さとどんなステージでも自分たちのものにする引き出しの多さ、今後の可能性を感じさせる公演となっていたように思う。オーケストラの生演奏の中で会場に響き渡る彼女たちの芯のある伸びやかな歌声は圧巻で、壮大なサウンドに引けを取らない表現力豊かなダンスにも目を奪われっぱなしの2時間だった。表現の引き出しの多い彼女たちだからこそ実現できたコンサートと言っても過言ではないだろう。今回の経験を経て、彼女たちが今後どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみだ。

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