syudou、自身最大規模のライブ『我武者羅』での高揚感 さらなる高みへと向かう貪欲なステージに

syudou、幕張での『我武者羅』レポ

 「こっからは激アツな曲が続きますが大丈夫ですか?」と、終盤に向け、会場の熱気にさらに火をくべてゆく。『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)の出囃子であるFatboy Slim「Because We Can」をオマージュしたイントロから始まる「爆笑」では、ステージに寝転がったり足を蹴り上げたりとエネルギッシュに暴れまわる。

 さらに、未発表の新曲も披露。〈私は自由に生きていく〉というsyudouらしさ満点のフレーズが印象的で、初披露にも関わらず会場を盛り上げた。

 「すごく恵まれた場所をいただいている。この新曲ができたのも2週間前くらいで、セトリを決めてる時に『いいですか……?』と入れてもらった。こういうふうに、こだわりがあってギリギリにお願いすることがあって周りに迷惑かけるけど、めんどくさいと思われるプライドも貫いてきたからここまで来れたと思います。まだまだ上に行きたい。今は途中だとしてもここで歌っているのが誇らしい」と、活動する上でのこだわりと、これからへの展望を語った。

 そして、ライブ終盤に向け、「インザバックルーム」を披露。TVアニメ『チェンソーマン』(テレビ東京系)第5話のエンディングテーマであるこの曲は〈眠れぬ夜や消えぬ後悔が/何度も何度も何度も何度も/何度もあったがここで歌っている〉という歌詞が、今日このステージにまでたどり着いたsyudouの姿ともリンクする。そのままの勢いで本編ラストとなる「取扱注意」へ。「歌え!」というシャウトを受けて、今日イチでパワフルなシンガロングが会場に渦巻いた。

 アンコールに応え、ライブグッズのシャツに着替えて再びステージに登場したsyudou。会場に改めて声を聴かせてもらえるように頼み、「ありがとうございます、幸せ者です」と満足げ。さらに、最近ハマっているというVlog用にと会場に自分のスマホを向け、ペンライトで客席にウェーブをしてもらう様子を撮影したりと、幕張イベントホールを存分に漫喫。

 「日々の活動の中で全てがうまく行くわけではないと思うことがありまして。辛いなと思うことやしんどいこともあって。それは皆さんもそうだと思います。辛いことから逃げるのも一つの生き方だと思うんですけど、辛さから逃げずに立ち向かっているから辛いと思う。辛い、逃げたいってことは続けてるってことだと思うし、それを僕は美しいと思います。そういう生き方をしている人を笑うんじゃねえという曲です」と、周りから笑われても自分を肯定する、疾走感あふれる「笑うな!」で会場を幸せいっぱいな雰囲気に満たし、ラストは銀テープがまばゆい雨のように降り注ぐ中、「ギャンブル」でライブを締めくくった。

 最後に、1stアルバム『露骨』を携えた東名阪ライブの開催を発表。名残惜しそうに会場に向け何度も「ありがとう」と言いながら、ステージを去って行った。

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