オープン迫る新宿・東急歌舞伎町タワーの全貌が明らかに Zepp Shinjukuのみならず、全館に配された“音響・演出のこだわり”
そして地下1~4階がライブホール「Zepp Shinjuku (Tokyo)」、クラブ「ZEROTOKYO」だ。といっても、ふたつの施設が地下に併設しているわけではなく、営業時間帯によって名称が変わる仕組み。つまり今はなき新木場 STUDIO COAST/ageHaをコンパクトにしたような場所が新宿にできると考えられるだろう。
また、この場所は音響的に他のZeppとまったく異なる。これについて、Zepp Shinjuku支配人・後藤宏行氏は「既存のZeppは、音響やステージの規格を揃えることでツアーがしやすい環境を目指してきました。しかし当ホールは、海外のクラブでよく使われるカナダのスピーカー Adamsonや、目に当たっても平気な最新鋭のレーザーを導入しています。演出としても相当に多彩なことが可能。それを新宿ならではの価値にしたい」と解説。
変化の決断については「もともと新宿はディスコやクラブが多かったですし、音楽が根づいていた街。それがだんだんと薄れ、LIQUIDROOMさんが恵比寿に移転してからは(2004年)、1000人規模のライブハウスが長らくありませんでした。それを改めて作ることによって新宿の音楽シーンの一翼を担えたら」と語り、新宿を音楽の発信地として盛り上げる意気込みを感じさせた。
5月にはSIRUPやWILYWNKAらが出演するタワー回遊型フェス『ZERO TOWER FES』が開催予定ということで、ここから生まれる新たな音楽や文化に期待がかかる。
さらに、タワー内にはさまざまな分野のエンタテインメントや飲食、ホテルもあり、多様な楽しみ方ができそうだ。4月15日からは2日間に渡り開業記念イベント『KABUKICHO SPECIAL STAGE』も予定されており、付近はお祭りムードに包まれるだろう。
ただし、新たな遊び場が生まれる予感の一方で、付近の治安維持など課題もある。そんなことも踏まえつつ、今後も本施設とそれをめぐる文化事情に注目したい。