Z世代の才能を発掘してきた『iCON Z』が終幕 WOLF HOWL HARMONYら、第二章でデビュー掴んだ3組の“新たな出発点”

 2021年7月よりスタートしたLDH史上最大規模のオーディション『iCON Z ~Dreams For Children~』。同年10月からは『~夢のオーディションバラエティー~ Dreamer Z』(テレビ東京系)にて、約1年半にわたってオーディションの様子が放送されてきたが、2023年3月26日、ついに番組は最終回へ。オーディション自体もフィナーレを迎えた。

 コロナ禍という先の見えない時期にスタートしたオーディションだったが、振り返ってみれば、Z世代の才能が見事に発掘されている。2022年5月に日本武道館でフィナーレを迎えた男性部門第一章で、デビューを掴み取った6人組グループのLIL LEAGUEは、デビューシングル『Hunter』(2023年1月)でオリコン週間シングルランキング1位を獲得。さらに冠番組『LIL LEAGUEのヴィクトリーグ!』(テレビ東京系)を持つなど、目覚ましい活躍ぶりを見せている。

LIL LEAGUE 'Hunter' Music Video

 また、同年9月に合格メンバーが選出されたガールズグループ部門においては、今年5月にMOONCHILDというグループ名でのデビューが決定。最新のビジュアルが見られるティーザー動画「“MOONCHILD” Birthday Teaser」は100万再生を突破し(2023年4月1日現在)、コメント欄は彼女たちの活動を待ちわびるファンの熱いメッセージが溢れている。

「MOONCHILD」バースデーティーザー

 男女ともに次世代のスターを輩出してきた『iCON Z』だが、2022年10月からスタートした第二章では、さらに新星ボーイズグループが3組誕生。その過程では、フィナーレにふさわしい熱い戦いと感動のドラマが繰り広げられていた。

 EXILE HIROをはじめとするプロデューサー陣が、第一章の男性部門における敗者復活メンバーの成長ぶりを見て「みんながより輝くストーリーを用意するべき」という考えに至ったことからスタートした『iCON Z』第二章。メンバー全員が敗者復活組のKID PHENOMENON(以下、KP)、マイクパフォーマンスに秀でたWOLF HOWL HARMONY(以下、WHH)、エネルギッシュなパフォーマンスが売りのTHE JET BOY BANGERZ(TJBB)に分かれ、グループ単位で熱い戦いを繰り広げた。

 敗者復活組は、一度は日本武道館のステージに立ったものの、あと一歩でデビューを逃し、悔しさと挫折を味わったメンバーたち。「今度こそは」という強い思いを胸にベストを尽くし、プロデューサー陣を驚かせるほどの成長を見せた。中でも『iCON Z』名物、トレーナー・Emyliの厳しいボーカルレッスンで涙していた沓野広翔が、ボーカル部門の課題チェックで満場一致の1位を獲得した場面は、多くの視聴者に感動を与えただろう。

 第二章からの参加となった、ボーカル&コーラスグループ・DEEP SQUADのメンバーは、すでにプロのシンガーではあったが、未経験のダンスという新たな課題が加わり、さらにボーカルにおいても期待値が高いだけに評価されにくいなど、苦しむ場面も多かった。しかし、早朝に自主練習をしたり、年下の参加者にダンスを教わったりと努力を積み重ね、プロの意地とプライドを見せた。

 そして、同じく第二章から加わった、プロダンスリーグ『D.LEAGUE』に所属するプロダンサーたちは、このオーディションのムードメーカー的な存在だった。長時間のダンスレッスンで追い込まれたときは全力で盛り上げて士気を高めたり、ダンス初心者のメンバーには積極的に教えたりと、持ち前の熱さで参加者たちを引っ張っていった。

 年齢や得意分野、キャラクター、そしてここまで背負ってきたもの。全てがバラバラなメンバーが集まって繰り広げられた戦いだったが、互いに教え合い、励まし合い、支え合う姿は、視聴者に「彼らを応援したい」という熱い気持ちを芽生えさせた。

 『iCON Z』第二章で特徴的だったのは審査方法だ。全13公演の全国行脚を行う「武者修行」の観客動員数、SNS、オリジナル課題曲のストリーミング再生数の3つで合計100万ポイントを獲得することが、デビューの条件となる。つまり、ポイント数次第では、全チームが合格になる可能性も、不合格になる可能性もある。

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