鈴木愛理、『かぐや様』のストーリーを彩るドラマチックで美しいバラード 深みある歌唱表現の追求が結実した1曲に

 2022年12月から全国上映された特別上映版『かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-』のエンディングテーマ「heart notes」を表題曲としたシングルが、3月29日にCDリリースされた。鈴木愛理は、これまで『かぐや様』シリーズに関わってきたからこその解釈と卓越した表現力で、極上のバラードを歌い上げている。

 『かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-』は、クリスマスを舞台にした原作でも人気の高いエピソード。秀知院学園の生徒会長・白銀御行と副会長・四宮かぐやは、お互い好意を持ちながらも、プライドが自ら告白することを邪魔し、いかに相手に告白させるか頭脳戦を繰り広げてきた。長きに渡った戦いも第3期のラストでお互いの気持ちを伝え合い、“奉心祭”で初めてのキスを交わしたことで終止符を打ったかに思えた。しかし未だ明確な告白には至っておらず、2人の関係性は曖昧なまま迎えた運命のクリスマス。鈴木愛理が歌う「heart notes」が、お互いを思い合いながらもすれ違ってしまう2人の聖夜を、いっそうドラマチックなものに彩っている。

 鈴木愛理が『かぐや様』シリーズのテーマソングを歌うのは、今回が3度目となる。第2期『かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~』(TOKYO MXほか)のオープニングテーマ「DADDY ! DADDY ! DO ! feat. 鈴木愛理」では、鈴木雅之とのデュエットで“W鈴木”として話題に。丁々発止の恋の駆け引きを、ノリのいいディスコサウンドに乗せてスリリングに歌い上げた。第3期『かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-』(TOKYO MXほか)では80年代アイドル調のエンディングテーマ「ハートはお手上げ」で、恋のドキドキを軽やかに表現。アイドル出身の彼女らしい愛らしさで、ファンのハートを打ち抜いた。そして今回の「heart notes」は、切ないバラード。ヒロイン・四宮かぐやの気持ちに寄り添った温かく美しい王道のバラードを、持ち前の表現力と切なさあふれるボーカルで見事に歌い上げた。

【MV】鈴木雅之『DADDY ! DADDY ! DO ! feat. 鈴木愛理』TVアニメ「かぐや様は告らせたい?~天才たちの恋愛頭脳戦~」OP主題歌
鈴木愛理『ハートはお手上げ』(Music Video) TVアニメ「かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-」ED主題歌

 この美しくドラマチックな楽曲の作曲・編曲を手がけたのは、乃木坂46などの楽曲を数多く手がけている杉山勝彦。ピアノとストリングスをメインにした、シンプルだがそれゆえに胸を打つ美しいサウンドは実に壮大でありつつ、メロディは思わず口ずさみたくような親近感にあふれている。多くの恋人たちが行き交うクリスマスの喧噪の中で、周りが見えなくなってしまうような、2人だけの世界がどこまでも広がっていくようなイメージが広がる。作詞を手がけたのは、アイドルや声優など幅広い作詞活動で知られるmeg rock。完璧でありたいと思う白銀御行と、完璧でなくてもありのままでいいと願うかぐや。お互いを思い合いながらすれ違ってしまう2人のもどかしい気持ちが、ストレートな言葉で切なく書かれている。

 同曲について、「かぐや様の会長を想う気持ちを代弁させて頂いているような感覚で、言葉のひとつひとつを大切に歌わせて頂いています。完璧な“特別”より、永遠に続く“いつも”が欲しい。当たり前のようで当たり前じゃない今に感謝したくなる曲です」(※1)と、公式サイトでコメントした鈴木。彼女の歌声は実に切なくエモーショナルで、感情移入の深さを感じる。言葉一つひとつに思いが込められ、好きすぎて幸せなのに、それでも涙がこぼれてしまうような愛おしさにあふれている。ここまで胸を打つ歌唱表現にたどり着くにはどれほど原作を読み込み、どれだけかぐやの気持ちを考えたことだろうか。きっと膨大な時間だったことが窺える。MVでは目の周りにキラキラをつけて羽のような衣装をまとった白い部屋にいる彼女と、東京の摩天楼をバックに私服風なコート姿の彼女、そして祝福されるように花に囲まれた彼女が登場する。どこか寂しそうに伏し目がちに歌う表情を見せたかと思えば、愛おしくてたまらないといった様子で優しい笑顔も見せる鈴木。彼女の魅せる様々な表情はMVの見どころだ。

鈴木愛理『heart notes』(Music Video)特別上映版「かぐや様は告らせたい-ファーストキッスは終わらない-」エンディングテーマ

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